2023/03/06

小悪魔の潜むリンカーン大聖堂 1

 

昨年10月に訪れたLincoln リンカーンで、いよいよ観光の目玉のLincoln Cathedral リンカーン大聖堂を見学します。今回の旅行先にリンカーンを選んだのは、元々この大聖堂が本命で、大聖堂好きとしては一生に一度は見るべき場所だと信じていたからです。

大聖堂に行くには、まず広場からExchequer Gateと言う門を潜ります。

振り返ると、こんな一般住居に接した門になっています。

この日は、正面の前で結婚式の撮影が行われていました。多分結婚式自体が大聖堂で行われた訳ではなく、映える場所へ撮影の為に移動して来たと思われます。

観光馬車のサービスもあります。一回一人5ポンド位で、イギリスとしては意外に安いと思いましたが、大聖堂の周囲を一周するだけだからのようです。

しばらく最良の太陽の光を待ち、これが自分の中では大聖堂正面のベストショットです。前にも書きましたが、大聖堂の外観で最も装飾が凝って絵になる正面は、必ず西を向いています。なので、外観の撮影をするなら、太陽の光が正面を照らす午後の遅めの時間が最適です。しかし天気予報に寄っては、早い時間の方が天気が良い為、その場合は外の撮影を晴れている内に先に済ませます。

この日は終日快晴の予報でしたが、大聖堂に到着時は早目の午後で、未だ陽が正面を十分に照らしていなかった為、本当は概ね内部見学を先に済ませた後で外観の撮影をしました。大聖堂を説明するのに、ブログでは先に外観をお見せする方が把握し易いであろうと思ったのです。


リンカーン大聖堂は、1072年にウィリアム征服王の命に寄って建設が始まり、1095年には一応完成しました。正式名を、「Cathedral Church of the Blessed Virgin Mary of Lincoln祝福された聖母マリア大聖堂教会」と言うそうです。しかしその後、火事、地震、暴風雨に何度も遭い崩壊し、改築を重ねて現在のノルマン様式に初期ゴシック様式を加えた外観となりました。

イギリスでもたま~に(年に一回程度)地震が報告されますが、私が体感する程の地震は未だ一度もありません。しかしその地震はマグニチュード5クラスと推測され、英国史上最大規模だったようです。建築物の強度自体にも、問題があったとは思います。

現在は、イギリス国内では4番目に大きな規模を持つ大聖堂と言われています。しかし存在感で言えば、それ以上だと感じました。航空写真で眺めて周囲の建物と見比べても、ずば抜けて大きな建築物ですが、ドラマティックな小高い丘の上に立ち、また丘の周囲は至って標高が低く平坦な土地の為、この大聖堂はかなり遠くからでも眺める事が出来ます。実際中世にはリンカーン大聖堂は、ギザの大ピラミッドを抜く世界一高い建築物で、百キロ離れた場所からも見る事が出来たそうです。

確かに巨大ですが、非常に繊細だと言うのが私の印象です。これ程大きくとも、大味な感じが全くしません。


勿論、表面は狂信的な宗教のパワーさえ感じる細かい沢山の彫刻で覆われています。良く見るとプリミティブ過ぎて不気味な彫像も多く、美しいとは言えないのですが。

大聖堂の正面の大扉がイギリスで実際に開かれているのは、ほとんど見た事がありません。一体どれだけ重要な式典の為に、何人係りで開けるのか気になる所です。

南側に回ってみます。

中央塔には、かつては同じ高さの尖塔が乗っていて、つまり倍の高さでした。しかし16世紀に嵐に寄り崩壊し、以後そのままだそうです。物凄く強力な暴風雨だっただけでなく、建築技術的にも未熟&杜撰だったようです。

西側正面の双塔にも、かつては尖塔が乗って更に高かったそうですが、崩壊しそのままです。―――続いて、大聖堂内部を御案内します。


 


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