ハチワレ猫の愛娘タラちゃんは、毎年12月頃に定期健診と混合ワクチン接種の為に掛かりつけの獣医さんへ行きますが、その時の体重測定で遂に6㎏越えを記録しました!
確かにイギリスでも雌猫としてはガタイの良い方ですが、特に太っている訳ではなく、実際に獣医さんからも肥満を注意された事はありません。しかし毎回抱き上げる度に、腰にズシッと響く程の予想外の重みを感じます。
重さで言ったら、サビ猫ポコちゃんは最高で7㎏を越えた事があり、同じ雌猫でも更に重かった訳ですが、外見的にも明らかに巨猫で太っていたので想定内の重さでした。しかしタラちゃんの場合、見た目からは中々想像出来ない重さに毎回驚愕するのです。もし漬物石であったらなら、正に理想的…。
毎晩数回は、私の胸の上に乗って来てフミフミゴロゴロを始め寝ます。相変わらずP太にはせず、私だけです。せいぜい10分程度で長居はしないのがせめてもですが、流石に6㎏猫に胸に乗られると例え熟睡していても目を覚まさずには居られず、しかし彼女の最高の愛情表現なので、拒否する事は可哀想過ぎて出来ず只耐えています。
因みに最近、近所の人懐こい大きな雄猫の背中を撫でて見たら、骨がゴツゴツしていてこれまた驚きました。余りにも、タラちゃんの背中の手触りと違い過ぎていて! 兎に角タラちゃんは、筋肉がみっちみちに詰まっている感触です。恐らく洗濯してみても(イギリスでは猫を洗う習慣はない)、一般的な猫のように体が大幅に縮む事もなく、大きさは変わらないのではと思います。
健康状態は今まで頗る良好で病気知らずだったタラちゃんですが、今年は初めて定期健診と歯の治療以外に、獣医へ連れて行かなければなりませんでした。
9月の末頃、タラちゃんは異様にトイレに何度も行くようになりました。その割に尿の量が非常に少なく不快だったようで、膀胱炎を疑わずには居られませんでした。軽い膀胱炎なら水分を沢山接種し排出すれば自然治癒出来るので、猫ミルクや鶏肉の茹で汁を冷ました物、ちゅ~るの水溶き等を色々試してみました。が、タラちゃんは普段は水を飲むのが好きな猫なのに、何故かその時は水を中々飲もうとしませんでした。
それで結局獣医で診て貰い、確かに初期の膀胱炎と診断されました。この直前にタラちゃんは下痢気味だったので、そのせいで尿道にばい菌が入ったのかも知れない、と私は推測しました。猫の泌尿器系の病気は雄に多いのですが、膀胱炎は人間共に尿道の構造上女性が罹り易い病気です。専門薬でたちまち完治しますが、それまでは苦痛な事はこの上なく、放っておけば腎臓病にもなり兼ねないので注意が必要です。
タラちゃんも薬ですぐに良くなり、その後はもっと頻繁に水分補給出来るよう水飲み場を増やしました。ところが、それから約一か月後に同じ症状が出て、再び獣医へ連れて行かなければなりませんでした。しかし今度は膀胱にも尿道にも異常はなく、獣医さんは多分ストレスが原因であろうと言いました。
丁度ハロウィーンやガイ・フォークス・ナイト、ディワリが重なるイギリスで一番の花火シーズンで、この騒音を怖がる犬猫は非常に多く、中にはストレスで死んじゃう子も居るそうです。タラちゃんには花火を怖がる様子はないものの、本当は精神的な負担だったのかも知れません。それとも、悪天候続きで庭へ出られない日々の一週間程続いたのが(雨でも無理矢理花火をするイギリス人…)、タラちゃんにとって大きなストレスだったのかも知れません。
猫としては充分大人の年齢になったから、遊びにはもう興味がなくなり要求しなくなったと思っていました。しかし、彼女の好きなタイプの遊びを単に私がして上げなかっただけで、実は今でも遊びたがりだと分かりました。
相変わらず超絶甘ったれの構ってちゃんですが、お留守番には少しは慣れてパニックは起こさなくなったようです。
新年早々辛気臭い事は言いたくないので今言いますが、ここで今年一年を振り返ると、正直私にとっては余り良い年とは思えませんでした。パンデミック最初の年の方が、返ってマシだったと感じる程です。コロナも今だ収束しない上に、ロシアのウクライナへの攻撃や燃料不足&高騰、深刻な経済不況、御粗末な政治交代劇、衝撃的な元首相の暗殺と、その背後にあるカルトと政治の癒着等の問題で、世相的にも暗く遣る瀬ない事が多かったと痛感します。
そしてそれらは、当然来年になっても解決する見通しはまるでない処か、悪化して行く一方の可能性さえあります。個人的には、来年は更なる困難が待ち受けているであろうと覚悟しなければなりません。親達が余りにも高齢で、身体的な衰弱が著しいからです。また実家、義実家ともにその介護等の問題で、ちょっとした意見や価値観のすれ違いから、家族間のドロドロの揉め事に発展しないとは限らないのも恐ろしいと感じます。こう言う時期が遠からず必ず来ると分かっていたはずなのに、備える事なんて結局ほとんど出来ませんでした。
しかし気が滅入る時に只気が滅入ったままでも意味がないので、せめて自分を強く鍛える為の試練とでも捉え、自分自身にこれ以上失望しない程度には努めたいと思います。―――それでは皆様、良いお年をお迎え下さい。