リペイントしたバービー「マイ・シーン」人形に、アール・デコの格好をさせようと思い立った時、実は中々思うように行かなくて、デコっぽい服を合計三着も縫いました。一着目はこれで、二着目は余りデコらしくなかった為に却下、結局「マイ・シーン」には三着目の水色のドレスを着せて撮影しました。
この一着目は、マイ・シーンにとってはデザイン的には似合わない事はなかったのですが、胸がきつ過ぎて明らかに形が可笑しく見えました。
元々momoko DOLL用の型紙で作っているからですが、モモコにとっては相当ゆとりあるフォルムですし、同じ型紙で既に作ってあった別な服を、一応マイ・シーンに試着させて確認してから作ったはずだったのに失敗しました。
しかし例えマイ・シーンには失敗作でも、モモコがちゃんと着こなしてくれるから無駄にはなりません。使用した二枚の布は、どちらもアーディングリーのアンティーク・フェアで買ったカット生地。
デコの服装と言ったら髪型は断然ボブでしょ、と言う事で、この「選べるモモコ」と「冬のバス停」のどちらがモデルに良いかと考え、今回は前々から一度デコの格好をさせたかった「選べるモモコ」を採用。
大人っぽい人形の方が寄りイメージに合うと思ったのと、正直「冬のバス停」の方が汎用性は高く、他にも色んな服装を着こなせ、モデルとして出番が多い物ですから。
しかしこの格好をさせると、何だか選べるモモちゃんでも少し子供っぽく見えるような。
この時代に流行った共布のクロシュ・ハットも加えると、デコらしさは盛り上がりました。
この帽子は、実はボンネットと同じ型紙で出来ています。なので本来のクロシュ型ではありませんが、リボンの位置を少し変え、後頭部をいつもより更に縫い絞ると、結構クロシュらしく見えると思いました。
アール・デコ時代の典型的な服装は、日本ではモダンガールの略でモガと呼ばれました。対して男性版はモボ。明治維新&文明開化で、日本の要人が公の場で突如燕尾服やバッスル・ドレスを着用しなくてはならなくなった時、今までの着物と勝手が違い過ぎて、体型的にも動作的にも西洋人の失笑を買う程滑稽だったそうです。
しかしアール・デコ時代の女性の服装なら、胴長寸胴の日本人でも違和感なく、実際に颯爽とスタイリッシュにモガ・ファッションを着こなした日本人女性の写真が何枚も残っています。未だ一般的には和装の人口の方が多い時代ですから、一体どんな家庭のどれだけの女性が、経済的にも感覚的に恵まれ、当時こんなに進歩的で解放された服装を楽しめたのか気になる所です。
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