2024/12/27

青とグレイのラインストーンのブローチ

 

九月のアーディングリーのアンティーク・フェアで、少し大き目でちょっと変わったフォルムの、ラインストーンの美しいビンテージ・ブローチを二つ見付けました。其処はビンテージ・ジュエリーとは無縁のストールに見え、ブローチ二つは木箱か何かの中に無造作に突っ込まれていました。

ビンテージ・ジュエリー専門ではないそう言うストールこそ、ビンテージ・ジュエリーを安く手に入れるチャンスです。売り主と交渉し、二個でかなりお買い得な値段にして貰えました。その一つが、この青とグレイ系のラインストーンのブローチです。

5×横4㎝位で、台座は金色。ちょっと変わったデザインなのは、ラインストーンが不規則で流れや動きのある並び方をしているからです。石の形も楕円と雫型を中心に、マーキス型、更にかなり尖ったマーキス型を組み合わせ、シャープでモードなイメージを加えてバランス良く配置しています。アシンメトリーな配置と言うのは無限にデザインの幅があるものの、バランス良く配置するのは返って難しい物です。

ラインストーンの輝きと透明感が美しいのは、一つずつの石が大き目なのと、幾つかはオープンバックになって透けて見えるからと言うのもあります。この石は深いアズライト色とグレイの少し珍しい組み合わせで、この色そのものにニュアンスがあります。

台座の裏面を見ると、一番大きな三つのラインストーンのみがオープンバックです。向かって左のマーキス型の三つも、台座はオープンバックに出来るよう開いていますが、裏フォイル付きの石を嵌め込んでいる為にオープンになっていません。

オープンバックは、こんな爪留め&枠留めのみに可能な仕様です。やはり古いジュエリーは、爪留めや枠留めだと単なる貼り付けよりも石の欠けている確率が低く、見た目も良いので好きです。



2024/12/26

ビンテージのギンガム・チェック柄エプロン

 

日本の友達にクリスマス・プレゼントを贈る際、もう何か一品加えようと思ったものの、その一つが中々見付かりませんでした。禁止物や関税に引っ掛かる物を除くのは勿論、」重い物、嵩張る物、壊れ物も出来るだけ省きたいので、自ずと選択の幅はかなり限られています。靴下は履き口のゴムがキツイと言われ(質が悪い)、お菓子は悉く甘過ぎると言われ、可愛い文具や雑貨は元から皆無で、デザイン的にも日本人の好みに合う物なんてここでは滅多にないのです(あるとしたら日本のマネッコ)。そんな中、チャリティショップで中々可愛いビンテージ・エプロンが売られていたので、これをプレゼントに加える事にしました。結局可愛いと思えるのは、ほとんどビンテージだけ。

ビンテージのエプロンに多い、胸当ての無いサロン・タイプで、ポケットが大きく取られています。

このポケット部分に、花と果物がギンガム・チェックのプリントで大きく描かれています。鮮やかな青と赤がメインの、元気が出るデザインです。

本来汚れや水気から衣類を守るのが目的のエプロンですが、これは未使用のように綺麗な状態で、タグの「St. Michael(スーパーMSの昔の衣類ブランド)」のロゴを見なければ、ビンテージだとは気付けない程です。イギリス製と言うのが、また古さを物語っています。

実際に腰だけのエプロンが役に立つかどうかはナゾですが、飲食店のスタッフ等が規定のサロン・エプロンを着用しているのを見ると、トップは汚れても目立たない黒のTシャツ等を着て間に合わせているようです。少なくとも、夏のエプロンでさえ着るのが暑過ぎるような時は、腰だけのエプロンは有効です。

 

 


2024/12/25

MTMのブロンド・バービーをリペイント 2

秋の始め頃に山小屋風チャリティショップで、MTM(メイド・トゥ・ムーブ)バービーを再び入手しました。値段は3ポンドと中古人形としては特に安くありませんでしたが、今までMTMバービーの状態の許せる物を見付けるのが非常に難しかった事を思うと、買わずにはいられませんでした。

欲しいのは可動式のボディで、ヘッドの顔や髪の状態はどうでも良かった訳ですが、手に入れたヘッドをリペやカスタムの練習に使わない手はありません。

このバービーは、一般的な金髪日焼けバービーよりも、更に肌の色が濃いようです。ブロンドって白人の中でも一際色素が薄く紫外線に弱い訳で、実際に白人がこんなに日に焼けると、赤焼け火脹れするか、しみそばかすが増えてマダラになるか、皮膚癌のリスクは爆上がりで極めて危険。

アイプリのデザインもリップの色も悪くないんだけど、プリントのドットの粗い安っぽさは許せないと思います。イギリスの中古人形の多くは、オールバック後ろ引っ詰め一つ結びにされているんですが、これはハーフアップにした形跡のあるところが、…ちょっと芸があるね。

日焼け肌に映える鮮やかな青い瞳を目指したのですが、何だか正に80年代のバービーのようになってしまった! 目が離れ気味に仕上がったのも(何故??)、顔型が四角っぽく見えるのも、その原因だと思います。

故意にケバくするつもりは全くありませんでしたが、やっぱりケバい。華やかなのではなくケバい。美人な事は美人なんでしょうけど…、陽気なアメリカ娘には見えます(にしか見えない)

髪質は結構傷んでいたので、手を加える必要がありました。髪型を変える場合は私は大抵リペの前にしますが、このバービーは肌の色やオープン・マウスから、どうリペしてもケバく仕上がるであろうとは予測し、それなら髪型も予め思いっ切りゴージャスにしておいた方が良いと思いました。

小さいロットでくしゃくしゃの巻き毛に一度挑戦してみたかったので、モール(英語ではパイプクリーナー)で髪を巻きお湯パーマを掛けました。すると、本当にくるくるくしゃくしゃに。モールを全部外すのが結構大変で、我ながらかなり細かくブロッキングしたもんだと思いました。

モールを外した直後は妙な縦ロールの毛束ですが、一たび櫛の柄を通してほぐしただけでフワッと広がるのは、ちょっとマジックみたいでクセになる面白さ。ただし髪がモールに絡み付いて取れにくくなる事があり、その時気を付けていても髪が抜けてしまう為、大事な高いお人形ではお勧めしない方法です。

因みに、向かって右の額に落ちないシミが元からあり、おでこを出す髪型には出来ません。で、髪が目に掛かってウザいなあと思いつつ、月影先生状態になりました。

彼女には、一体どんな格好をさせたもんかと、色んな布を合わせてみながら凄―く考えました。

雰囲気からして似合うと真っ先に思う浮かぶのは、クリスマス・シーズンな事もあり、露出の多いハリウッド・セレブ風のパーティー・ドレス、またはミニスカのサンタ・ガール。

ですが、こんなバービーとしては極ありふれた格好をさせた所で、カスタムした意味が無くつまらないし、満足出来ませんでした。華やかにすると益々ケバく軽薄に見え、シックにすると老けて見える為、本当に困りました。

結局四着位作ってみても納得が行かず、あくまで自分の好みの服装を優先すべきか、それとも全く好みじゃなくても彼女に似合うスタイルを優先すべきか葛藤(大げさ)しました。要は、自分がそんなドールに仕上げちゃったのが問題なんですが()このお姐さん、確かに赤は似合うんだよね…。

最終的に、「バービーと言えば」なピンクの生地でドレスを作る事にしました。と言ってもお決まりのショッキング・ピンクではなく、濃いけれどくすんだ、どちらかと言えば臙脂が白っ禿げたような不思議なピンク色です。

多分中古端切れの詰め合わせとかに混じっていた布で、自分では選びそうもありません。その地色に細かい星柄が散り、生地自体にラメが織り込んであってやたらキラキラします。

素材は綿100%ですが、糊が利いているのかパリッと張りがあり、一度水通してから使おうかとも思いました。しかし、張りがあるままだとスカートの広がりにボリュームが出ると思い、結局そのままにしました。縫い辛くも、ギャザーを寄せにくくも特にありませんでした。

その地味なようで煌めく生地に、銀色の細リボン・テープを合わせたら、思いの外キラッキラなドレスに仕上がりました。形的にはダーツもなくゆったり目で大人しいデザインなのに、色味的には派手で目立ちます。

もっとモダンな雰囲気になるかと自分では思っていましたが、意外とクラシックに仕上がりました。

しかし、そんなクラシックな服を着ていてさえ、仕事の合間の休憩で覗きに来たP太(※在宅勤務中)に、「何だかハスッパっぽい」と言われちゃうし。 

使えるとは思っていなかった布地で、思い掛けず面白いドレスに仕上がり、このバービーにも割と似合ったと思います。が、もう二度と彼女をモデルにする事はなさそう…。

やはり、肌と髪の色の組み合わせが自分の好みと掛け離れていて、合わせる服を考えるのが難し過ぎるし、何より顔が(自分でリペしておいて散々な言い草だけど)創作意欲を起こさせません。MTMボディのみは手元に残し、ヘッドは他の普通のボディに挿げ替えて、チャリティ屋にでも寄付しちゃおーかなと考えています。

 

 

 


2024/12/24

クリスマス・ウィッシーズ

 

以前アーディングリーのアンティーク・フェアで購入した格安のコットン・カット生地の中に、ベージュ地に赤い細かいピンドットと言うプリント生地がありました。こんな極めてシンプルな柄の布地こそ、ドール服作りには何気に凄く役に立ちます。そしてカット生地とは言え、全幅×1m程もあります。

イギリスの布メーカーの生地ですが、製造は日本、と言うのも嬉しい点です。何故なら、イギリスで売られている生地には、柄が布目に沿って平行・垂直でない事が多いからです。もしビンテージ生地であれば、漏れなくズレています。こんな水玉やストライプ、チェック生地の場合、ズレは殊更扱いにくく厄介です。しかし今の日本製の生地は、安定のクウォリティです。

この生地でドール服を作るのなら、前からまずはシンプルなAラインのワンピースと考えていました。クリスマスの装いにする為に、コサージュを加えて、赤いタートルネックを合わせるコーディネイトにしました。

一般の日本人が実際にするクリスマスの恰好って、普段でも着られる赤や緑が入った服に、せいぜい少しクリスマスらしいアクセサリーを合わせるような、これ位の服装が現実的なのではと思います。肩を露わにした光る生地のパーティー・ドレスでもなく、カントリー風ドレスでもなく、ダサいクリスマス・セーターでもなく。

イギリス人だと、単に家族とクリスマス・メニューを食べにレストランやパブに行く場合でも、ここぞとばかりにパーティー・ドレスを着るようです。割高なので、この時期に自分が外食する事はほとんどありませんが。

日本でもこの時期にはXmas柄の文具や雑貨が沢山発売されますが、イギリスのXmas商品は方向性が大きく違います。Xmas用の食器を始め、Xmas柄の玄関ドアマット、テーブル・クロス、クッション、掛け布団カバー等までXmas仕様で売られていて、出来る限り家中をXmas色に染めたいようです。収納場所が馬鹿にならないアイテムが多く、一体クリスマス以外の時期は何処に仕舞って置くんだよう??と、他人事ながら不安になります。

因みに私の冬用パジャマは、子供用のXmas柄…。Xmas後に大きく値引きされたのと、普通に着心地の良いパジャマがイギリスでは他に滅多に売られていないからで、仕方なく冬中これらを着通しています。

この「うんざりな日々」のmomoko DOLLは、元々赤いタータンチェックのアウトフィットで発売されていたので、赤のコーデがばっちり似合います。

ちょっとコサージュが大き過ぎたとも思いますが、これが無いと相当地味で全くクリスマスらしさが出せません。

それでは皆様、素敵なクリスマスをお過ごし下さい。