2025/02/04

フェイヴァーシャムでアンティーク・モール巡り 1

 

昨年のバレンタイン・デイのお出掛けとして、ケント州のビールの町Faversham フェイヴァーシャムでアンティーク・モールを訪れ、最後に大聖堂都市カンタベリーの美味しい和食屋で夕食を取る計画を立てました。

アンティーク・モールも、いつもの店だけでなく今回は新規開拓です。 それで下調べして初めてやって来たのが、フェイヴァーシャム郊外のA2号線と言う旧街道沿いに在る「Wild Winds Antiques & Collectables」。

フェイヴァーシャムは観光に結構人気の町なので、無料で駐車するのは難しいのですが、ここは郊外に在り専用駐車場が設けられている為、足を運び易いと思いました。

ここもやはり、元倉庫のような建物。一フロアのみですが結構広く、規模は中と言ったところです。

手頃な値段で買い易い小物も多く、我々にとって程良いごちゃごちゃ具合です。

 全般的にどちらかと言えば年配者好みの、イギリスの典型的な古物が多いかな。 

二階は保育園になっているので、幼児の足音が始終バタバタと響き渡ります。

一番奥は、ティールームになっています。ここはギャラリー兼売り場でもあって、壁に掛かった絵画、家具や書籍等は売り物のようです。

右端の、カラフルなエナメル製の花束ブローチに惹かれました。上はホーロー、左は陶器製のデキャンタ用のタグです。ペンダントにしても、可愛よさそうです。 

ルーサイトのインタリオのブローチも、ここで幾つか見掛けました。

その中でも、ハート型(一番上)は未だ持っていないので欲しいと思いましたが、日本へのお土産を買うのが優先なので見送りました。その後P太から、誕生日プレゼントの本命は未だ決められなくても、当日に何か小さい物でも贈りたいから買って上げると言われましたが、…この時言ってくれれば良かったのに!

ルーサイトのインタリオでも、箪笥のハンドルかドアノブはレアなアイテムです。

1950年代辺りの帽子のようですが、コサージュも含めて状態が良く、今尚エレガントさが伝わって来ます。

ジミヘンの板絵ポスター?と、レトロな柄のホーロー鍋との組み合わせが、何気に強烈なインパクトを放っています。

背中にハンドル、額にチェーンソーを付けたい…。

時々イギリスでも見掛ける、陶器の内藤ルネ人形。

野球の人形なんてイギリスでは珍しいと思いきや(野球自体が全くメジャーじゃないもんで)、どうやらポーズ人形の一種のようです。やたら、ひょろんと長身です。棚の凄く高い場所にあり、確認出来ませんでした。

 この古い、すっかり色褪せたバスの玩具は日本製。

 中にはプラ製の動物が乗車していて、昭和レトロな魅力が溢れています。

イギリスで人形劇と言えば、伝統的に「パンチ&ジュディ」。妻を虐待&乳幼児虐待&動物虐待&公務執行妨害で、今見るとレッドカードな内容ばかりです。このミニ劇場の、下部のイラストは可愛いんですけどね。

壁掛け時計に螺鈿が施されているのは、初めて見たかも知れません。ホーロー製らしき、文字盤も美しい。

一方こちらは、いかにもアーツ&クラフツなデザインの時計。素材は木材と真鍮のようです。

アーツ&クラフツと言うよりは、アール・ヌーヴォーな木製棚。 

立ち寄り易く品揃えも悪くないので気に入り、夏に再びこのモールへ行きました。ティールームは人気に見えたのに、その時には無くなっていました。商品の写真は、二回目の時の物も混ぜています。

 

 

 


2025/02/02

七宝のミニチュア中華茶器

リペイントした「ディセンダント」のロニー人形と一緒に、小道具として撮影した中国製の七宝の茶器セットは、1/6サイズのドールに使えると思い、昨年のフリマーケットでセットで1ポンドで買っていた物です。

と言うより、元々このマスタード色のチイパオ風チュニックは、この茶器を撮影したいが為、合わせるモデル・ドールに着用させようと縫いました。モデルはモモコではなく、最終的にこのロニーになった訳ですが。

多分中華圏の典型的なお土産としてイギリスに渡って来たのだと思いますが、れっきとしたクロワゾネ(有線七宝)の技法で作られ、ミニチュアとは言え中々良く出来ている工芸品です。

一昔前までは、中国本土でもちゃんとした製品を誠実に製造していました。その中には、長い歴史の伝統文化とアジア人特有の手先の器用さが融合した、素晴らしい工芸品もあったはずです。もっとも本当に古い価値のある物は、文化大革命時に消されてしまったそうで、現在の中国人は外国で自国の骨董品を買い集めるのに必死です。

茶器はポット、トレイ、カップ三つのセットです。カップの内側は、鮮やかな水色に塗装されています。

ポットの蓋には、無くさないようにチェーンが付いている細かい配慮が。

トレイには、牡丹の花の他に鳳凰らしき鳥が描かれ、一際中国らしさ満載です。金彩の割合が特に多く、今尚半端なく輝きます。これだけで、もし金具を付けたらブローチやペンダントになりそう。

ところで、茶器はいかにも中国らしく、ドールの服装も中国風に揃えたものの、テーブルも椅子も、ついでにテーブル・クロスも全く中国らしくなくて、正直お粗末な撮影です。

実は先月チャリティショップで、こんなミニチュアの中華テーブルと椅子のセットを見掛けました。しっかりした木材(多分紫檀)に金魚柄の貝の螺鈿が嵌め込まれており、こちらも工芸品として見ても十分立派です。サイズは丁度1/6サイズで、今回の撮影に最適だと思いました。値段も10ポンドと買えなくはありませんでしたが、椅子が六客も付属していて、収納場所が馬鹿にならない為に(更に重かった)見送りました。 もし買っていたら、この上に乗せる中華料理のミニチュアを、延々と欲しがる事になったでしょう。ドール沼は深いとこ。




2025/02/01

「ディセンダント」のロニーをリペイント

 

ディズニー映画の悪役の子供達を描いた実写映画ディセンダント」のキャラクター・ドールを、一昨年辺りから中古で良く見掛けるようになりました。やや巨頭系ですが、ボディが一応フル可動式だし、西洋のファッション・ドールにしては顔の造形自体は悪くないので、状態の良い物を見掛ける度に買っています。

顔の造形が悪くないと思ったのは、ファッション・ドールのほとんどは未だ10歳代設定のはずの割に、欧米のドールには妙に間延びした老けた顔が多いのに対し、ちゃんとティーンらしく見える骨格と言うか(骨は無いだろ)顔の輪郭&パーツ位置な事。その中で一番最近買ったドールを、一番最初にリペイントしてみました。

何故この人形を最初に手掛けたかと言えば、フェイス・プリントのデザインが一番酷かったからです!  「ディセンダント」ドールは顔の造形が悪くないとは言ったものの、私が知る限り、このキャラだけは日本人の理解を超える酷さ。東洋人を模しているのだとは一目で分かりますが、幾ら何でもと思える程の性悪そうなツリ目で、明らかに悪人顔です。すっかり「ムーラン」に登場する悪役(観てないからそんなの居るのか知らんけど)の娘かと思いきや、主人公ムーラン本人とリー・シャン隊長の娘で、「Lonnie ロニー」と言うキャラクターだそうです。…全然ヴィランじゃないやんけ。ついでに、ロニーを演じたアジア系の女優さんにも全く似ておらず、単にステレオタイプな東洋人の顔に一応してみたと言う感じ。正直、東洋人への偏見や誤解を感じざるを得ません。

しかし、色白なのとクローズ・マウスなのが西洋のファッション・ドールとしては割と珍しく、リペのし甲斐はあると思い購入しました。肌は黄色味掛かった、正に東洋人っぽい象牙色。真っ黒々ではない、東洋人として自然な髪色なのも気に入っています。この髪は、良く見るとセピアと茶色のミックスです。デフォルトでは、この少しだけ漢服っぽいミニ・ワンピース(元は腰紐が付いていてウェストで絞る)に、ピンクの大き目の髪飾りとイヤリング、編み上げ風のサンダルを履き、中華風のハンドバッグが付属していました。

極度に強調されたツリ目は避けつつも、アーモンド・アイなのはそのままに、ロニーに見えるかどうかは全く無視し、出来るだけ普通の東洋人の女の子に見える顔になるよう努めました。フェイス・プリントを落としてもどうリペしようとも、ディズニーの姫人形っぽさが消せないのは分かりましたが(当然か)、我ながらこの方が余程ムーランの娘っぽくは見えるように思います。

オリジナルのフェイス・プリントの中でも一番ヘンに見えた眉毛は、除光液で消しても黄ばんだシミが顔に残りました。やむを得ず、その上に新しい眉毛を太目に描き足して誤魔化しています。

毛先は傷んでこんがらがっていた為にセミロングにカットし、ついでに斜め前分けにしました。向かって右側の頭頂部が盛り上がっているのは、ここに分け目があって植毛が密集しているからのようで直りません。

やはり彼女に着せるのは中国風、…と言っても漢服ではなく満州服風、つまり旗袍(チイパオ)っぽいチュニック丈の上衣を、現代風にアレンジして作って着せました。

この服は最初はmomoko DOLL用に作ったので袖が長めですが、袖口がきつくてモモコには通しにくかったのに、このドールは手首が簡単に外れる為に着せるのが楽でした。

以前アーディングリーのアンティーク・フェアで、こんなマスタード色の綿生地のチュニック・チイパオを着た女性を見掛けました。それ以来、自分で着るのは無理でも、ドールに作って着せてみたいと思っていたのです。

その人は小柄で華奢な初老の白人女性で、チイパオはアンティークらしく半端なく色褪せていました。全く中国に関係なさそうなのに、彼女には不思議と似合っていてお洒落に見えました。

その人のボトムは、定番の揃いのパンツではなくロング・スカートだったのも、印象的で小慣れた着こなしに見えました。それで、ミカサ用に作ったプリーツ・チュールのロング・スカートを合わせました。

このドールは関節が固めにしっかり出来ているので、こんな重めの金属製カップでも支える事が出来ます。

また、指の造形が表情豊かに作られている点も(袖に隠れて良く見えませんが…)マル。それ故、指が一層袖に引っ掛かって通しにくく、手首が取り外し可能な仕組みなのは必須な訳です。

足首に関節はないから曲がらず、足自体は普通の1/6ドールよりずっと大き目です。でもモンハイブラッツィラズの靴のサイズなら合いそうだと思っていましたが、実際に履かせてみたら、ヒールの高さが合わなかった! 

結局同じハスブロ社のディズニー姫人形(多分実写版「美女と野獣」のベル)の靴を履かせましたが、これも実はヒールの高さ・角度が合っていなくて、立たせると爪先が浮き上がります。

結局やっぱり性格キツそうな吊り目のままだし、服装のせいで余り若々しくも出来ませんでしたが、少なくともアジアの服装をばっちり着こなすモデルさんにはなってくれたかなと思います。