2022/12/08

秋の御近所散歩

 

もう一ヵ月以上前になりますが、抜群にお天気の良い休日があったので、久しぶりに夫婦で近所のヴィクトリア時代の庭園跡の公園に散歩に行きました。

この所夫婦での健康の為の散歩となると、街の中心部へ行く事が多かったから、ここへ来るのは本当に久々でした。

商業にとんと魅力の無いイギリスなのに、何故そうしょっちゅう街へ行くのかと問われれば、私が駄目元でもチャリティショップを毎回チェックせずには居られないように、P太もまた、たま~に出会える掘り出し物を期待して、奇跡に近い可能性と知りつつも、ガジェットのセカンドハンド屋を覗かずには居られないからです。


この時10月な訳ですが、既に紅葉が始まっています。いえ、木に寄っては、この23カ月前から葉の色が変わり始めているのも見掛けました。

イギリスの紅葉は、広葉樹の種類に寄って数か月掛けて少しずつ変わって行く為、日本のように野山全体が2,3週間で一気に色変わりするのとは大きく異なり、また英国古来種の樹木の紅葉は色幅が乏しい為、日本程ドラマティックな紅葉を見る事は出来ません。

今までも何度も言いましたが、日本と違って通常の夏はさして暑くないイギリスでは、8月に入ると朝夕の大分冷え込む日も多くなり、紅葉は木の種類に寄っては8月末から始まります。

しかし、イギリスの観測史上最高の気温の40度越えを記録し、また記録的な干ばつに見舞われた今年の夏は、植物が困惑してしまい、既に7月末から紅葉が始まった木もあると言われています。

そして、このイギリス南東部では、通常は11月前には広葉樹の葉は大方落ちて冬木立になってしまいますが、この秋は例外的に気温の高い日が続いたせいか、12月に入った今でも葉が落ちずに紅葉が見られます。

義母の家に行く途中の高速道路脇に、何故か現在満開の菜の花畑があり、紅葉の樹木の合間に菜の花畑と言う、何とも奇妙な光景を見る事が出来ます。

ヴィクトリア時代の御屋敷の庭園の名残りの池には、相変わらず野鳥がいっぱい。ヒッチコックの例の映画が怖い人は、悲鳴を上げる程の多さです()

この時はカナダ雁が多く、そのほとんどが中途半端に大きく育った若鳥でした。体の大きさは親鳥と変わらないのに、声のみが未だピヨピヨなので区別が付きます。

エジプト雁達も、左から二番目の眼のマーキングが大きいのだけが親鳥で、他は幼鳥のようです。


このカモメだけはやたらピーピーうるさいなと思ったら、これも若鳥です。体の大きさは親と同じ位でも、灰色の産毛の混ざった羽根色が違います。


この池に一羽だけ住み着いていた白鳥の若鳥は、もう見掛けなくなりました。もしかしたら年頃になったので、伴侶を求めて引っ越したのかも知れません。

青鷺は、今回も定位置の通称「盆栽島」に一羽だけ居ました。

相変わらず、熱心に水の中の獲物を狙っています。

紅葉を見る絶好のチャンスだねー、と思って出掛けた秋の御近所散歩でしたが、今年は結局数か月後の今でさえ紅葉が見られるとは、この頃は未だ知る由もありません。

 

 

 


2022/12/06

トゥウィンクル・ナイト

 

夏のフリマで、本来ドール服作りに便利なはずの薄手の綿生地なのに、柄的には使い辛そ~な上に余り可愛くないクリスマス向けの端布の詰め合わせを買った時、唯一ドール服に使えそうと即座に思ったのは、この星柄の生地でした。濃いネイビーブルーに金色のスターバースト型の星の散らし柄プリントで、この布のみは縦横左右全方向に柄が取れる為、作れるドール服のデザインの幅が広いと分かりました。

リカちゃんサイズで、星の妖精かエンジェルのようなドレスを…とは最初から考えていましたが、どのモデルにするかしばらく思い付かず、作り始めるモチベーションが中々上がりませんでした。単に趣味で作っているドール服なので、自分なりに新鮮さが感じられる、つまり好奇心が湧かないと作る気が起きないのです。

夢可愛い雰囲気にはしたいけれど、布の色味的にはコトントラスがはっきりして強いから、うちのリカちゃんの中には似合いそうな子が居ない…。そう考えていた時、この眼力強いふわふわロングヘアーのパレットFちゃんなら、上手く気こなしてくれるのではと思い付いて以来、俄然創作意欲が湧き始めました。

裾のフリルは、幅3cm位のオーガンジー・リボンを、予めギャザーを寄せる、またはタックを畳んでから縫い付けるのではなく、少しずつ目分量で折り畳みながら縫い付ける方法を取っています。初めて挑戦しましたが、思った通りには片手で折り畳めず、縫うのが難しく手古摺りました。

しかし、この裾のリボンのお陰で、薄手のコットン地のスカートでも、パニエ無しで十分膨らみます。


袖にも、同じオーガンジー・リボンを使用しています。本当はもっとふんわり膨らんだ袖にさせたかったのですが、裾フリルでリボンを大方使ってしまい、これ程度しか残っていませんでした。

ウェストのリボンがボリュームあり過ぎて出っ張り過ぎていますが、これがあるのとないのとでは服の雰囲気が大分違って見えます。リボンはベルベットなので、フォーマル感が加わります。

ヘッドドレスは星のカチューシャ。イヤリングも星型にしています。

撮影中も、我ながら、このパレットFちゃん程この服が似合うモデルさんは、やはりうちには居ないなあと実感しました。本当に、買って良かったと思えるドールです。

 

 

 


2022/12/05

ロンドン・バス型缶


ロンドンの赤い二階建てバスは、今でもロンドン及びイギリス土産のモチーフとして筆頭で、ロンドン・バス型の缶にお菓子や紅茶が詰まったギフト用品は、特にこのクリスマス時期に毎年のように売りに出されます。しかしこの高さ10cm位のロンドン・バス型の缶は、イギリス土産ではなく、私が子供の頃に自分で買った物です。しかも地元の田舎町のスーパーマーケットの、特設ワゴンセールか何かで買ったように記憶しています。お菓子等が詰まっていた訳ではなく、元々缶のみの収納用でした。値段も確か二百円とかで、小学生でも自分のお小遣いで買える値段でした。


つまり「自分ビンテージな訳」で、わざわざイギリスに持って来ている事さえ忘れていた位、自分にとっては当たり前の持ち物になっていました。長年ドレッサーの引き出しの中でコットン入れとして使っていたから、古い割に側面は驚く程真新しい状態です。

ただし蓋のみは、時々は陽が当たった為か色褪せ、塗料も擦り切れてています。

今改めて眺めて見ると、そんな昔の田舎で安く買った物なのに、絵柄的に絶対日本製には見えず、どうも輸入雑貨のようです。原産国は、イギリスかどうかは定かではありません。昔のロンドン・バスは、こんな風に乗車口が開いたままで走っていたそうです。当然走行中に乗り降りする乗客も居たようで、今考えると相当恐ろしい事です。

バス外壁のタバコのマロボローの広告は忠実にそのまんまなのに、ミニチュア・カーの有名ブランド「CORGI」は「GORCH」に変更されています。更に改めて我ながら驚くと言うか呆れる事は、昔から外国の香りがする一風変わった雑貨が好きな自分の好みが、何十年経っても大して変わっていない事実です。

 

 


2022/12/04

コロナに罹ったかも知れない話

 

今回私達が北イングランド旅行へ出た時期は、丁度女王陛下の御葬儀の一週間後位でした。あの棺への弔問の狂気の長蛇の列、葬列への観衆の多さをTVで見た方なら分かると思いますが、その凄まじい人出のせいで、葬儀後は再びイギリスでコロナ感染率が上昇するであろうと危惧されました。そして、最早イギリス人は政府も一般国民も誰もコロナに関心がないけれど、その通りになりました。我々は旅行中はマスクこそしていないものの、手洗い、人混みを避ける等の感染対策は出来るだけ怠らないようにしていました。しかし、イギリスの高速道路にはSA(サービスエリア)の絶対数が少なく、どのSAも混んでいます。そして何度も言うけどSAのトイレは、わざわざ建物の最も奥まった、通路の狭い場所に設置されているのです。北イングランドの旅から帰途に付く際、ヨークシャーのSAのトイレに立ち寄りましたが、ここは特に混んでいました。特にトイレ手前の通路は人がいっぱいで、トイレの順番を待っている訳ではなく単にべちゃくちゃ立ち話をしていて、コロナだけでなく風邪やインフル等の大量のウィルスが飛び交っているのに違いない、一目で恐怖を感じる劣悪な環境に見えました。「其処の男の一人は俺の顔に向かって咳していた!」とトイレから戻ったP太はブンスカ怒っていました。

案の定、旅行から戻った直後に、P太と義母は風邪のような症状になりました。義母は下痢等の症状が出ましたが、2、3日で収まりました。P太は、しつこい咳がしばらく続きました。私だけは運良く真逃れた?と思ったのも束の間、一週間後位に発症しました。SAで直接ウィルスを拾ったのか、P太から移されたのかは不明です。当然コロナかもと疑いましたが、家庭用テストの結果は全員(義母は二回とも)陰性でした。

しかし、風邪にしてはヘンでした。普通私は風邪を引くと咳が長引き、喘息を併発して厄介ですが、今回は何故か咳はほとんど出ません。発熱もありませんでしたが、朝起床した時から今まで体験した事のないような疲労感を感じました。コロナ流行以前の2年前どころか、ここ4、5年間は風邪に罹っていなかったから、身体が慣れておらず衝撃が大きいんだろうかとも疑いました。当然その間は庭仕事なんて出来ないので、室内で大人しくドール服でも作っているしかないと思いましたが、椅子にさえ長らく座っていられない程でした。普段ドール服作りに脳みそを使っているとは思っていませんでしたが、思考が廻らなくて実際進みませんでした。調理や掃除等の基本的な家事をこなすのが、やっとでした。扁桃と首のリンパ腺の腫れ、頭痛は続きました。それと、義母も私も味覚がおかしくなりました。いつもの豆のいつもの量のコーヒーのはずなのに、はっきりと普段より苦く感じられました。これは食べ過ぎのせいかも知れませんが()、胃の調子も良くありませんでした。

これら全員の症状を姉に話したら、「そりゃコロナだよ」とキッパリ言われました。姉の会社では数か月前にクラスターを起こし、同僚達の症状を見て来たから分かるそうです。高熱が出ない限り簡易なテスト・キットでは陽性反応は出ないらしく、コロナ自体は軽症でも倦怠感や頭痛等の後遺症は数か月続くそうです()。テストが陰性なのだから真相は今だ謎のままですが、確かにコロナと言われた方が、風邪やインフルより流行っているし納得が行きます。イギリスやヨーロッパには日本よりコロナに罹った人がゴロゴロ居ますので、周囲に聞いてみても、揃ってコロナに違いないと言われました。

私の場合、結局通常の生活に戻れるまで34週間掛かりました。高齢の義母より、ずっと長く回復に掛った訳です。その後も2週間位は、全身的なだるさと頭痛、リンパ腺の痛さ、喉の不快感、味覚の違和感、食欲の不調がしばらく続きました。三人の中では正直最も健康的に生活しているはずなのに、一番長く引きずっていたのは結局私でした。ワクチンが開発された今でも、「after COVID」と呼ばれるコロナの後遺症は、今だ解明されていない謎だらけです。10代の若い人でも、コロナ発症の三か月後位に後遺症が出て、半年以上続く人もいると聞きます。

P太は咳、私は扁桃炎に悩まされていたので、砂糖不使用の喉飴は我々にとって不可欠でした。ところが! これがイギリスでは中々手に入らないのです。日本なら色んな種類が売られて選び放題のシュガーレス喉飴ですが、イギリスの近所の大きなスーパーで売られているのは、余計に喉が痛くなりそうな伝統的な極甘喉飴ばかり。数年前に買い置きしてた喉飴(賞味期限切れていたがw)はすぐに消費し尽くし、補充を買いに病身でしばらく街を彷徨いました。

我々が今イギリスでベストだと思っているのは、このヴィックスのシュガーフリー喉飴です。爽快感が抜群で、味はクセがなく甘さもしつこくありません。地元の街の中心部では、一箇所でしか手に入りません。これはメンソール味で、試していないけどレモン味もあります。

次に美味しいのは、このホールズのシュガーフリー喉飴です。ビタミンC配合で免疫機能強化と書いてあり、風邪等の病状用に特化されているタイプです。今は、売られているのを全く見掛けません。オレンジ味なので爽快感には欠けますが、味は甘過ぎず強過ぎず長く舐め続けられる程良好です。

最後の手段として選ぶのは、一般のホールズのこのシュガーレス・タイプのオリジナル・フレーバーです。これすら、何処ででも売られている訳ではありません。爽快感は毎回くしゃみが出る程優れていますが、砂糖不使用と言えど甘さが強く、長く舐めていると飽きて来ます。同じく普通のホールズのシュガーレス版でチェリー味も存在するものの、私は人工のチェリー味が大の苦手で避けています。

何でも勝ち組負け組に分ける風潮は嫌いですが、コロナに罹ったらやはり負けだと実感しました。何も得する事はなく、罹らないのに越した事はありません。顔ぱんつを笑う者は、顔ぱんつに泣く! 例えコロナの直接的な症状や後遺症はなくとも、ウィルスが引き金となって、何か別な疾患を発症させている可能性がないとは言い切れません。以前から、コロナの感染数は実は公表されている数の倍と訴える専門家は居ますが、テストを受けない、受けられない、または受けても陽性の現れないコロナ感染者が大勢居るのは確かで、強ちデマではないと実感します。イギリスでは経済危機が深刻過ぎて、最早誰もコロナどころではなく、勝手にパンデミックは終了した事になっていますが、コロナ感染も今だ物価上昇に匹敵する程生活にとって大打撃だと、認識し続ける事の重要さを痛感します。

 

 

 


2022/12/02

ツリー柄Aラインのワンピース

 

今年の夏のフリーマーケットで、イギリスでは貴重な薄手コットン100%生地の、クリスマス柄の端布ばかりが沢山詰まった一袋を1ポンドで買いました。

ただし帯のように長くカットされた生地ばかりで、しかも絵柄的に縦一方向にしか取れず、おまけにドール服用にとっては概ね柄が大き過ぎ、且つ飛び過ぎ(間隔が離れ過ぎ)ています。その上ほとんどが余り好みではない、現代的で子供っぽく軽薄な、正直可愛くナイ柄です。はっきり言って、プリントの精度も余り良くありません。もしかして売り主は、メーカー名やデザイン名、プリントの使用色等のプリントされた布の耳を保管しておく為に、こんな縦長の布端ばかり集めていたのかもと思いました。更に、1/6ドール用のハーフ・エプロンさえ作れない、アップリケにすらならない(全部柄は途中で切れていた)、ゴミのような小さな端布も一緒に沢山詰まっていましたが、それらは本当に処分しました。最初は一袋2ポンドと記されていましたが、その値段では買わなかったと思います。

ほとんど縦長の柄を天地一方向にしか取れない生地ばかりなので、作れるドール服はAラインのワンピ―ス、またはカフタンに限られそうです。袋に入っていた端布は、全て「Makower UK」と言うメーカーの布だけでした。

イギリスにも、パッチワークや小物手芸用の薄手コットン・プリント生地を製造販売するメーカーは幾つかありますが、通販メインなのか、パッチワーク専門店でもない限り、実店舗で余り目をにする事はなく、また例え見掛けても高価過ぎて手が出ません。同じ薄手生地でも、ポリコットン等の化繊混なら半額以下の値段なのに、コットン100%の布は、例え無地のシーチングのような生地でさえ、この国では高価且つ手に入りにくいのが不思議です。

それでまず作ってみたのが、このAラインのワンピースです。こんなウェストの切り替えのないゆったりしたワンピースは、作るのが簡単な点ではマルです(ついでに自分で着るのも楽)。ラグラン袖にしたので、余計簡単になりました。選んだ身頃の生地は、大柄の一方向しか取れない柄の中では一番まともと思ったモダンなツリー柄。ドールには大き過ぎるような柄でも、袖とかの一部に細かめの柄布を持って来ると割と落ち着きます。

袖のストライプ風の生地も、端布の詰め合わせの中の一枚ですが、これのみではクリスマス用と認識しにくい為、他の布との組み合わせてこそ威力を発揮するように思います。

ビンテージ・シンディの復刻版+可動式ボディの「シンディ・プレイ」サイズで作ったので、今着ているビンテージ・シンディには身頃がちときつ目です。腕もシンディ・プレイより短いから、七分袖にしておいて正解でした。体型は良く似て見えても、ギミックも違うし、やはり結構差があるようです。

ダイアナ妃ブームにあやかって、80年代に発売されたショートヘア&前髪付きのこのシンディちゃんは、幼さとお洒落さが微妙に入り混じった可愛さで、私のビンテージ・シンディの中でも特にお気に入り。

しかし顔は抜群に可愛いものの、やはり可動域が極めて狭い原始的なボディの為、撮影のモデルとしては、ポーズのバリエーションの出せない点が不便です。

こんな髪型のシンディが、「シンディ・プレイ」で発売されないもんか…と思わずボヤきたくなりますが、前髪付きドールは手間が掛かかればコストも掛かかるから、やっぱ難しいんだろーなあ(涙)。   

 

 

 


2022/12/01

クリスマス・リース作り

 

昨年の我が家の手作りクリスマス・リースです。毎年クリスマス・ツリーの生木を買うと出て来る樅の木の切り枝を、相変わらず主な材料として再利用しています。一昨年の制作時の反省点を踏まえて、予めチャリティショップで装飾用のプラ製ボーブルやティンセルは購入しておきました。一昨年同様に装飾は金色系のみでまとめていますが、見栄えは数段良くなったように思います。

樅の枝に加え、庭から刈り取って来たローズマリーの葉、そして昨年はやはり庭の柊の枝も混ぜてリースにしました。が、柊は大失敗! リースを形成した後で装飾を付ける際、尖った葉が手にぶすぶす刺さって半端なく痛いのですじゃ💦 クリスマスを象徴する植物の一つの柊ですが、もう二度とリースには加えたくありません。

未だ樅の枝が余っていたので、ついでに小さいリース枠でもう一つリースを作りました。こちらは、玄関脇の裏庭に続く木製ドアに飾りました。正直朽ち果てる寸前のボロボロのドアなんですけど、写真で見る限り良く言えばアンティーク調で、このままクリスマス・カードに使えそうな程絵になって見えるので驚いています()