2022/09/05

夏のアーディングリーのアンティーク・フェア 1

 

七月の中旬、イギリスでは観測史上最高気温の40度を記録しました。丁度その翌日、予てから計画していた通り、我々夫婦はArdingly アーディングリー(アーディングライ)のアンティーク・フェアを訪れました。そんな暑い中に出掛けて大丈夫なのかって? 実は翌日の日中気温は一気に26度まで下がって、爽やかな気候だったのです。

このアンティーク・フェアは、冬期を除いてほぼ隔月の二日間開催され、この月は気温40度の日が初日でした。そのせいか、出店数は第一次都市封鎖直後のフェアと同じ位少な目でした。普通は、夏真っ盛りの七月のフェアは、一年で一番賑わうはずなのです。しかし遠路遥々やって来る、中には海外からの出店者も居ますから、ガソリン代&滞在費も掛かりますし、初日の出店&客の足並みが異常なが熱波で難しいとなると、参加を見送った出店者が多かったのだと思います。体温より高い気温の中では、数時間過ごすだけでも健康を害し兼ねませんから。

今回我々は、いつもなら最後に訪れる「Jubilee Hall」と言う屋内会場から見て回りました。何故なら、P太がここで銀貨を買いたいと言ったからです。彼は今やすっかりウラン・ガラス熱は冷めてしまい、財テクの為に金銀に興味があるそうです。狙い通り、カナダの銀貨を手頃な値段で(必ずネットで相場を検索する)手に入れる事が出来、喜んでいました。財テクと言うよりは、お守り代わりに愛でているみたいに見えますけど。

この屋内会場も、今回はストールが少な目。ここで初めて見る中国人らしき出店者さんから「貴女は中国人?それとも韓国人?」と聞かれたので、「いえ、日本人です」と答えると、「ああ、やっぱりね。道理で口元がすっきりしていると思ったわ」と言われました。私はタラコ唇なので口元すっきりとは程遠いんですけど(笑)、一体どう言う意味だ??としばらく考えてみましたが、…多分中国&韓国人女性と違い化粧が薄いって事でしょね。

続いて今回は、半屋内会場「Pig Sheep」を訪れました。

古着等の女性向けのビンテージが集中しているので、結構お気に入りの会場です。

しかしここも、今回はガランとした印象です。中央で走っている黄色いスーツ姿の女性は、TV番組「バーゲン・ハント」の出演者で、挑戦者のアドバイサーを務める骨董のプロ(オークションの競り師)です

クロスステッチ? ニードルポイント? ちょっと不思議な刺繍絵です。

いつもこの建物の奥に出店するビンテージ・ファブリックの品揃えが圧巻のストールでは、モッズ時代を象徴するようなデザインのインテリア用の布が眼を引きます。

しかしこのストール、確実に全体的に値段が上がって来て、益々手が出なくなりました。

こちらは、「Pig Sheep」の向かい側の「Young Farmers」と言う半屋内会場。

屋外会場を後回しにしたのは、いつもなら真っ先に行く一番お気に入りのストールが集中するエリアが、今回は凄く疎らに見えたからです。しかし自分の最も好きなストールは、ちゃんと出店していました。

これぞ、自転車を利用した看板の良い見本です。色合いも書体もキマって、かなり絵になります。

結構迫力の大きさの、チェコスロヴァキアの民族衣装人形。私が持っているこの人形より、更に大きい程です。衣装も人形の唇もすっかり変色していますが、元は可愛かったであろうと想像します。

ちょっと珍しいタイプの、ホーロー製のティーセット。ロシアとか中・東欧製に見えます。でもハンドル付きのカップはホルダーだけで、嵌め込まれていたはずのガラス・カップは失くなっていて、全く実用的ではありません。

今まで見た事もない程大きなサイズの、「ドレスデン・スプレイ」のお皿に出会いました。幅50cm位はあったかな。大家族用に、肉の丸焼きでも乗せたのでしょうか。値段は25ポンドだそうで、コンディションは良好なようでした。

右のマトリョーシカはデザイン自体は好みですが、状態は触るのさえ憚られる程ばっちい状態。左は形だけはマトリョーシカですけど、…何故この位置に顔が??

着物の古着やこけしや北海道の木彫りの熊を、茶箱に詰めて売る日本専門のストールは、今回も人気のようでした。

今回初の参加と思しき、70年代のビンテージでまとめたストール。ここに並んでいる赤やオレンジ色の力強い陶器(主にアースンウェア)は、「溶岩陶器」とか呼ばれてコレクタタブルズになっています。

このソ連のブリキ製お人形の値段を一応尋ねてみたら、最安値で25ポンドと言われました。以前アンティーク・モールで見掛けた時よりは、ちょっとだけ安いようです。しかし自分で買うのは、10ポンドまでだなあ(笑)。

「バーゲン・ハント」の出演者は見たものの、番組自体は撮影していないのかなあと思いきや、ちゃんとやってました。もし気温の40度の前日だったら、出演者もクルーも命懸けだったでしょうね…。

 

 

 




2022/09/04

エルツのウサギ&ヒヨコ人形

 

フリマの木製の細かく仕切られたコレクション棚の、主に古い木製の人形やミニチュアが並んでいた中から赤頭巾こけしと共に、このウサギの人形(人じゃないので人形と呼ぶのは可笑しい事は分かっているが)を選びました。一目で、ドイツ北東部のエルツ地方特産の木製玩具だとは分かりました。

高さは、台座も含めて4cm程度。背負った籠の中にはヒヨコが居て、イースター向けの人形である事が分かります。エルツの木製人形らしく、カラフルだけど色味が全体的にワントーン落ち着いていて、品の良い愛らしさがあります。ウサギの赤い服の水玉模様も、何気に可愛いです。塗装の剥げもなく良い状態なので、新しいのか割と古いのかさえ分かりません。

写真で眺めると、ウサギの頭が森永チョコボールにしか見えず()。実物の大きさも、丁度それ位なのです。

ヒヨコを背負って杖付いてテクテクと、果たしてこのウサギは単に散歩をしているのか、それとも市場へヒヨコをドナドナしに行くのか、…良く考えると結構シュールな光景です。

 

 

 


2022/09/03

小さな赤頭巾こけし

 

フリマで、木製の細かく仕切られたコレクション棚に、小さな人形類を並べて販売しているストールがありました。家に飾られていていた棚を、中身そのままに持って来て販売しているように見えました、並んでいるのは主に古い土産物の木製の人形やミニチュアで、全体的に素朴で妙~に私の好みにどんぴしゃな物が集まっていました。一つどれでも20ペンスと言われ、その中から三つだけ選んで買いました。

真っ先に選んだのが、この小さな人形でした。身長は5cm弱。最初はマトリョーシカの一番小さいサイズかとも思いましたが、よく見ると日本のこけし。しかも昭和香りがプンプンの、伝統こけしと違い職人が手掛けた訳ではない、正直稚拙な造りのお土産商業こけしです。頭が尖って赤い衣&頭巾を被り、実に様々な形態が存在する昔の商業こけしの中でも余り見ないタイプに思えます。

胴体に描かれているのは、多分何処か観光地の風景のつもりなんでしょうね。余りに大雑把で、見当も付きません()。首には、栞の紐のようなリボンが巻き付けられていますが、すっかり色褪せて元の色すら分かりません。どんな経緯で遥々イギリスへ渡り、恐らく長年コレクション棚に飾られて、家族に愛されて来たと言うか当たり前の存在だったのか、色々気になる小さなこけしです。


2022/09/02

木製ミニチュア・ベンチ

ずっとフリマやチャリティショップで、ファッション・ドール用のミニチュアの木製ベンチを探していました。しかし、これ程ベンチが日本よりも身近な存在で大事にされている国なのに、意外と見付からず、せいぜい見掛けるのはプラスティック製のどピンクのバービー用ばかり。長年、手に入れられずに居ました。一応既に持っている事は持っていますが、1/6ドールには少しサイズが小さ過ぎ、また元々は栓抜き等のスタンドな為、シート部分に不自然な丸穴三つが開いおり、撮影時に見えないようには誤魔化し切れませんでした。

が、この度フリマでこんなベンチに出会い買ってみました。

こちらも元は何か用のスタンドだったようで、シートには変な窪み(ドールの尻がすぽっと収まりそう…)と、背もたれにも切り込みが三つずつ開いています。背もたれの角度も微妙ですが、50ペンスでは逆らえません。

いかにもインドの木製品で、実際シートの裏にMade in Indiaとシールが貼ってあります。素材は多分ローズウッドで、ずっしり重みがあります。

今回のmomoko DOLLに着せたアウトフィットは、花柄のサロペットです。型紙は、「DOLL’S CLOSET」のウサギのロンパースを元にアレンジして起こしました。

そのお陰なのか、ゆったりしていてもダボダボだらしなくはならず、割と思い描いたフォルムに仕上がりました。

使用した生地は、ビンテージのポリコットン。本当は、もっとテロンとした薄手レーヨンのプリント生地なんかが理想的でしたが、生憎持っていませんでした。

レトリーバーの仔犬のミニチュアは、フリマで買ったドイツのSchleich シュライヒ社の製品。このメーカーの小動物のミニチュアの中には、1/6ドールに組み合わせるのにぴったりな大きさの物も多くあります。

足裏の肉球まで付いていてリアルな上に中々可愛く、他の中古ジャンク玩具ミニチュアと混じっていても一目で違いが分かりました。もっとも、日本なら玩食かガチャで精巧な動物のミニチュアが簡単に手に入るから、わざわざドール用にシュライヒを買おうとは余り思わないかも知れません。

ドールを動物(のミニチュア)と合わせると、何だか表情が優しくなるように感じます。

ベンチのほうは、最初は望んだ物からは正直程遠く見えましたが、実際ドールと組み合わせてみると、まあまあ様になるし十分使えるようです。ベンチもワンコも、これからドール撮影用に活躍してくれることと期待しています。




2022/09/01

スージー・クーパーの「フラワー・モチーフ」の蓋付きボウル

 

いつものフリーマーケットで、この器を1ポンドで手に入れました。スージー・クーパーの「Flower Motif フラワー・モチーフ」の蓋付きのボウルです。このシリーズにこんな形態の食器があるなんて、今まで見た事もないし知りませんでした。

バックスタンプにはウェッジウッド社製と書いてあるので、スージー・クーパーの中でも比較的新しい製品なのが分かります。しかし、手描きの花のモチーフ、蓋の抓みやスカラップ状になった縁等が装飾的で、デザインは古風です。もしかしたら、古くからある製品の復刻版なのかも知れません。

ネットで検索してみたら、全く同じ物は一つも出て来ませんでしたが、やはりウェッジウッド製で同じ形で、柄が「Glen Mist グレン・ミスト」になっている蓋付きボウルにはヒットしました。用途的にはボンボン入れ、つまり小さなお菓子入れとかかと思っています。そう考えれば、割と役に立ちそうな食器です。収納も、蓋をひっくり返せばそう場所は取らず、上に他の器を重ね置きも出来ます。