いつも行くフリーマーケットで、このビンテージ陶器に出会いました。スージー・クーパーの中でも特に人気の高い、アール・デコ時代にデザインされた「Dresden Spray ドレスデン・スプレイ」のクリーマーです。
この時代のスージー・クーパーの陶器は、材料(陶土)がボーン・チャイナではない為に強度がイマイチで、状態の良い物は中々見掛けません。が、これはヒビ欠けは勿論、この時代の陶器に多い貫入すらない良好なコンディションで、値段はたった50ペンス(約80円)でした。日本のビンテージ・ショップでは、八千円から一万五千円位で売られていると聞きます。これだから、フリマ通いは止められません!
ドレスデン・スプレイには、色違いで縁や地色が緑色のも存在しますが、当時の国王エドワード八世が、後に王位を捨ててまで結婚する恋人のシンプソン夫人に、このピンクをセットでプレゼントした事があるそうです。それ以来、ドレスデン・スプレイは製造当時も人気を博し、1960年代まで製造し続けられました。昔もネットの発達した現在も、王室御用達は商品ヒットの大事な火付けでした。
少し前までは、このドレスデン・スプレイと、ほぼ同時期にデザインされたスウォンジー(スワンジー)・スプレイの区別を良く分かっていませんでした。しかし、今見れば一目瞭然。黄色い菊のような花の混じっているのが後者で、一層華やかで可愛い雰囲気です。
しかし、洗練されたバランスでは、ドレスデン・スプレイが勝るように思います。
ハンドルの形が、アールデコらしさを物語っています。
クリーマーとは、日本ではミルク・ピッチャーと呼ぶアイテムなのですが、イギリス人は紅茶にもコーヒーにもクリームを使わないのに、何故クリーマーと呼ぶのか不思議です。日本の飲食店でミルク・ティーを注文し、もし牛乳ではなクリーム(★ジャータとかの)が出て来たら、イギリス人は結構本気で怒ります。
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