2022/08/05

紫陽花の雫

春に結婚記念日小旅行で訪れたWhitstable ウィッツタブルのチャリティショップで、ドール服に使えそうな薄手の細かい柄のコットン生地の端布を何枚か手に入れる事が出来ました。その中の一枚は、小花柄が均等に密に散って使い易そうな、爽やかな青系の中々可愛い生地でした。尚且つ面積は、最早端布とは呼べない程たっぷりあります。

柄は、実は勿忘草のような小さな花の集合と、羽根の組み合わせなのです。しかし、この羽根が葉に見え、全体的にはどうも紫陽花(アジサイ)のように見えます。紫陽花と言えば、浴衣の王道柄の一つ。この布では、ドール用に浴衣を縫ってみたいと買った時から思っていました。

しかし、もし全体がこの生地だけだったら、まるで寝巻用のように大人し過ぎる浴衣になってしまうと思い、身頃の半分&片袖&襟をストライプの生地にして組み合わせてみました。

地味柄×地味柄でも、この方法だと結構個性的な浴衣に仕上がります。

この「シガレットチョコ」のmomoko DOLLに和服を着せるのは初めてですが、黒髪ストレートヘアだから予想通り、この上なくばっちり和装が似合います。

このモモコなら、伝統柄は勿論、モダンで斬新な柄も着こなせそう。

上に羽織りでも着せる予定がない限り、浴衣の帯は大抵無難な文庫結びにしますが、今回は少し落ち着いたお太鼓にしてみました。

頭には、一応紫陽花をイメージした髪飾りを付けています。規則性なんてまるで無く、単に紫系二色のシードビーズを繋げてテキトウに丸めただけ。

紫陽花は日本では梅雨時の象徴でもありますが、梅雨のないイギリスでは東京より一ヵ月程遅れて咲き始め、盛夏を通して秋まで咲き続けます。

青花が最も人気で、真っ先に売れてしまうようです。次は白花。ピンクは大抵一番最後まで残っています。我が家には青花の紫陽花もありましたが、数年でピンクに変わってしまいました。それ程、うちの庭の土壌は酸性とは。

そんな最も人気のないピンクの紫陽花でも、咲き始めの白っぽい花が混じった所や、咲き終わりの渋い花色も素敵で、充分楽しませてくれます。



2022/08/04

赤いラインストーンのフィリグリーのブローチ

 

リペイント用の中古ファッション・ドールを沢山仕入れる事が出来た日のフリマでは、最後の最後の去り際にこのブローチを買いました。そこはプロのストールに見え、テーブル上では頗る怪しい香水とかを販売していましたが、端っこで段ボール数個に新旧雑多にどっさり詰まったアクセサリーを売っていました。ネックレス&ペンダントは見事にこんがらがって、何が何だか分かりません。売り主の女性は、「そのアクセサリーの箱、全部買うのなら100ポンド(17千円)で良いわ」と言いました。しかし、確かに数だけは大量でも、ほとんどが安物でしかも壊れているガラクタなのに、100ポンドは全くお得ではなく十分ぼったくりだわいと内心思いました。そもそも、一体どんな客がフリマで100ポンドの現金を持ち歩くと言うのでしょうか。このブローチも、裏のピン部分が元から壊れているジャンク品でしたが、一個だけなら50ペンスで買えたから良しって事に。

好物のアール・デコ時代のチェコスロヴァキア製のフィリグリーのブローチなのですが、上記の通り元々ピン部分が壊れていました。針自体が無くなっていたので、自分でストッパー部分も取り去って、現代のブローチ・ピンを接着剤等で貼り付ける以外に修復方はありません。しかし、いっその事チェーンを取り付けて、ペンダントかチョーカーにリフォームする方が良いと考え購入しました。

クラシックで安定感のあるデザインだし、造りも爪留めでしっかりしています。そして大好きなはずのフィリグリーのブローチ…なのですが、面積に対してラインストーンが少なく、正直大味と言うか何だか寂しい印象です。

 

 



2022/08/03

レトロなロシアの起き上がりこぼし

 

とある日のフリーマーケットで、かなり遠くのテーブル上から私を見詰める二つの円らな瞳…。それがこのレトロなロリ・ポリ、即ち起き上がりこぼしでした。一目で、ロシア製だと分かりました。日本のロシア雑貨屋で全く同じ物を扱っているのを、記憶していたからです。其処は一般人のストールでしたが、他にも古い玩具を幾つか並べていました。何せ大きいので(身長約25cm)買うのは一瞬憚られましたが、私程買うのに相応しい客が居るだろうか的なアイテムに見えました。…こんな思い込みばっかだから、物が果てしなく増えるんですよねっ。良し、もし2ポンド以下なら買おうと思い値段を聞くと、1.5ポンドだったので買いました。

随分前にイギリスのフリマで手に入れた、やはりロシア製っぽいロリ・ポリより一層シンプルですが、髪色が漆黒な為、更に日本人には懐かしく見え、レトロ玩具の醍醐味を簡潔に表現しているような姿です。ステンシルで吹き付けてある顔の彩色も味わい深いし、ボディの朱掛かった赤色、日本人のような象牙色の肌色も堪りません。

昭和感プンプンで古臭く見えますが、実は今でもロシア現地ではモデルチェンジする事無く売られているそうで、これもビンテージと呼ぶ程古くはないかも知れません。素材は、もしかしたらセルロイドではないかと思っています。揺らすと、カランコロンとノスタルジックな心地良い音色がします。

案の定P太からは、買い物袋を見て「またそんな大きい物を買って」と文句を言われました。しかし実際にこの人形を見せると、余りにレトロ過ぎて「カッコいい」とまで言われました。素材はセルロイドかも知れない告げげると、「そんな危険物、燃えるし爆発するんじゃないか」と言われました。セルロイドは確かに非常に可燃性が高いから輸入禁止&製造がほぼ中止になったんだけど、爆発はしないよ(それでも理数系出身?)。そして、私と人形を見比べて、余りに顔が似てるらしくてブブッと吹き出しました。買う時に運命を感じたのは、そう言う事か…。


2022/08/02

ヘアドアブルズをリペイント Kat編

雨の日のフリマで、今まで見た事のない巨頭系の同じシリーズのファッション・ドールが、一つのストールで四体一緒に売られているのに出会いました。こちらで売られているヤンキ~・ドールにしては割と顔がマシな方かもと興味を持ち、その中から髪質の傷んでいない二体を、今回のリペイントの実験台として選びました。

中々商品名を突き止められませんでしたが、やっと「Hairdorables (hairadorableを組み合わせた造語)ヘアドアブルズ」と言う事が判明。その名の通り髪のバリエーションや髪遊びがメインの、人形そのものや付属品が中身の見えない紙箱に入った、やはり「何が出るかは開けてのお楽しみ~」のサプライズ仕様(ガチャ式)人形だそうです。

更に調べてみて、この人形は世界中で結構出回っていて、日本でも既にカスタムしている人が何人か居ると分かりました。34年前に、日本ではタカラトミーが代理店となり販売していたからのようです。瞳の形や大きさ、位置を替えずとも、虹彩を描き直すだけでかなり可愛くなるようですし、元のボディも、少し大きなサイズのボディに交換するだけで、見違えるように変身する事が分かりました。

これが元の顔です。目頭が鼻側に食い込み過ぎている以外は、正直それ程気になりません。では顔の形成型そのものが結構良いのでは?と期待しましたが、元のプリントを落とすと、顔型自体は意外な程厳つくて、何だか醜くて怖いトロール人形に似ているな…と思いました。それもそのはずで、「JP」と言うトロールと同じメーカー製なのです。

顔は未だしも、ボディがふざけ過ぎで下品で耐えられませんでした。ほぼ2.5頭身で、ギャグ漫画のキャラにしか見えません。幾ら髪が売りの人形とは言え、頭に対して体が小さ過ぎる為、髪は地に付く長さだし。このドールなんて、バカみたいに元から両腕が曲がっていて、なんでこんなに威張ってるんだポーズです。下半身だけムッチリ目なのも、妙にえっち臭くてイヤ。私も、是非もう少し大きくてマトモなボディに替えるべきだと思いました。しかし首穴が非常に小さい為、多くのボディは首穴を切って広げないとフィットしないようです。

一応オリジナルのファンキー・ポップなイメージは残しつつ、髪色を生かしたリペイントにしようと心掛けました。テーマは原宿系。元の顔より返って派手に、ちょっとだけ大人っぽくもなったような気がします。

少なくとも、髪遊びがメインのお人形だけに、この前髪付きでツインアップになったピンクのメッシュの髪型は、文句無しに可愛いと思いました。髪を整えると、かなり綺麗な状態に戻りました。キャラクター名はKatと言うそうで(こんな人形までわざわざキャラ分けされていて御苦労なこった)、動物好きの女の子と言う設定です。

ネットで色々調べて、何とあのBoxy Girls ボクシー・ガールズのボディが、ヘアドアブルズの首穴の大きさに丁度合うと言う情報を得たので試してみました。

確かに、首穴の大きさはジャスト・サイスです。人形の首穴を切り広げるなんて荒業をする必要がなく、安堵しました。肌の色も、丁度ぴったりのようです。ボクシー・ガールズそのもののヘッドが付いていた時は、あんなに気持ち悪いバランスに見えたボディなのに、このヘアドアブルズのヘッドを付けると、なるほど数段良く見えます。

髪色髪型とアホみたいに明るい満面の笑みに合わせて、思い切りカラフル・ポップな衣装を着せようと思いました。


一応ミディ・ブライスのサイズの型紙を元に作ってみましたが、身頃が更に小さい為、思っていたより袖も長く大分大きく仕上がりました。襟開きもかなり小さく作ったはずなのに、既に肩が見えそうです。

頭にも、無意味に色々ゴチャゴチャ装飾を付けました。ビスケット型ポシェットは、リカちゃんからの使い回し

ワンピースの裾の蛍光カラーのボンボン・テープは、吉祥寺ユザワヤでキッチュなポップさが一目で気に入って買った物ですが、やっと出番が来て嬉しい。

ヘアドアブルズには、「Hairmazing へアメージング」と言うもっとずっと頭身の高い、恐らく27cmサイズのフル可動式ボディのおねーさん人形も存在します。が、これがまた揃いも揃って酷いハスッパなファッション・センスでして…。ヘアドアブルズのボディを替えた方が、絶対マシに見えると確信しています。




2022/08/01

透かしビーズの三連ネックレス

 

フリマで中古ファッション・ドールを結構沢山仕入れる事が出来、凄く満足していた日がありました。が、全てのストールを見回り終わった時、…その日はドールしか買っていない事にはたと気付きました。姉の誕生日が近付いて来ている為、ビンテージ・ジュエリーは毎回少しでも多く手に入れたいし、ドールは全てリペイント用だから、ブログに載せるのには作業後なので時間が掛かり、ブログのネタが乏しくなってしまいます。しかし最後にもう一度ストールを見回っていた時、このビンテージ・ネックレスを見付けました。

ダークブロンズ色+メタリック加工のチェコ製のファイヤーポーリッシュ・ビーズと交互に、古美金色の金属の透かしビーズが繋げてあります。ビーズは然程大きくないし、デザインも単純で色味的には渋目ですが、三連なのでボリュームと存在感は十分あります。

そして三連のネックレスともなると、普通は重量が嵩みますが、透かしビーズのお陰で若干緩和されています。どちらのビーズのサイズも端(背面に来る方)は小さくなっていて、緩くグラデーションになっています。

ビンテージ・ネックレスの醍醐味で、ハート型っぽい留め具も独特で魅力的です。ただし左の丸カンが無くなっていて引っ掛けられないので、アジャスターを取り付けるつもりです。