昨年の晩秋のマンチェスター旅行二日目は、P太の出張に同行して来た訳だから、P太が仕事している間、私一人で初めてのマンチェスター市内を歩き廻りました。気温はピリピリする肌寒さですが、天気は心地良い快晴です。
かつて産業革命で栄えた工業都市の中心だったとは言え、時代から取り残されて荒廃した感はなく、P太の言った通り、古さとモダンさが上手く融合した、若々しい活気が溢れる都市に見えました。
宿泊したホテルは街のヘソに当たるThe Piccadilly Gardensに面しており、まず其処から街一番の繁華街と思われるMarket Streetを西に進みました。
クリスマス前なせいか、街は平日の朝から非常に賑わっていました。しかし商店は、やはりイギリス中何処でも見掛けるチェーン店ばかりで退屈です。広大なショッピング・モールも同様で、寒さ避けには便利なだけです。
その内、Exchange Squareと呼ばれる広場に出ました。
元Corn Exchange 穀物取引所の建物が残っている為、そう呼ばれるようです。この裏手には、人気の国立フットボール(サッカー)博物館も在ります。
この周辺は、マンチェスターで最も古い雰囲気が残る場所の一つなのかも知れません。
そして、この近くにマンチェスター大聖堂が立っています。
教会建築好きとしては、そして入場無料とあっては、内部を見学しない手はありません。
大聖堂としては、かなりこじんまりしていると実感しました。
しかし建築物や装飾自体には、長い歴史を感じさせる荘厳な美しさがあります。
内陣障壁の装飾も壮麗で見事。この上に、巨大なパイプ・オルガンが設置されています。
内陣の聖歌隊席の精巧な木彫も、この大聖堂の見所の一つだそうです。
その脇には、大聖堂が大聖堂たる所以の司教座が在ります。マンチェスター大聖堂は、大聖堂に認定されたのは19世紀に入ってからですが、建物自体は15世紀築のゴシック様式で、起源は更に古い13世紀です。
元々は聖母マリア教会と呼ばれる地元貴族の個人的な教会だったのを、15世紀にイングランド国王ヘンリー五世の命に寄り、コレジエート・チャーチ(参事会管理の教会)に制定されました。
内陣と周歩廊の間を飾る間仕切りは、一見折り鶴のようですが、実は白い翼で出来ています。
祭壇?に掛かったクロスのアップリケが、何気に可愛いデザイン。多分信者が制作して、寄付するのでしょうね。
ステンドグラスは、かなりモダンなデザインばかりでした。
この大聖堂はそれまでも増・修築を繰り返して来ましたが、大都市の真ん中にある為に第二次世界大戦時には空襲で大きな被害を受け、大々的に修復しなければなりませんでした。
更に、1996年にはIRA(アイルランド共和軍と言う過激派)のテロに寄って、再び大きく破壊されると言う悲劇に見舞われました。
建物の古さに対しステンドグラスがやたら真新しいのは、その後制作したからのようです。
マンチェスターを訪れる前に軽く街の予習はして来たものの、この大聖堂は想像以上に興味深い物でした。マンチェスターの歴史を感じる貴重な場所として、観光に外せないスポットかも知れません。
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