昨年の秋のウェセックスの一泊旅行では、イギリスの秋には珍しく天気が良い、と確信出来た前日の真夜中に宿を予約しました。そんなドタバタの直前では、大した宿は確保出来ないだろうと不安になりつつも、シーズン・オフだし観光で混む地域でも特にないせいか、宿泊予約サイトで最高得点クラスの手頃な価格の宿を予約出来ました。
サマーセット州の入り口の、国道クラスのA303号線から少しだけ離れた、街からも外れたHunters Lodge Innと言うパブ付きの三ツ星ホテルです。
室内は予想通り味気ない程至って簡素でしたが、一泊だけだし清潔で機能的であれば文句はありません。
幹線道路の側でも、一歩奥まっているので夜間は全くうるさくはありませんでした。写真は、太陽ではなく月でして、今見るとめっちゃ明るい。
宿の中で夕食を取れると言うのが、やはり便利です。車を運転しなくて済むので、P太もアルコールが飲めます。
まずは、お決まりの地エール(なみなみに注がれていますね!)で乾杯。
前菜としては、イギリスでは定番のホワイト・べイトと言う小魚の丸ごとフライを、二人でシェアしました。
イギリスに良くある黒焦げトースト(私にとってはイギリスの香り…)でなく、軽く温められただけのバター付き食パンの添えられている所が、ちょっと珍しい。
各テーブルには、オリーブ・オイルとバルサミコ酢が置かれていました。イタリアン・レストランでもないのに、こんな物が置かれている飲食店は、イギリスでは初めて見ました。このバルサミコは味わい深くて、これと胡椒だけでサラダに十分なので(塩無し)家でも使っています。結構高いから、特売の時しか買えませんが。
メインは、私はサーモンのパセリ&バター・ソースを選びました。
これに、ニンジンとスウェードと言う根菜のマッシュが付きます。
特に珍しい料理ではありませんが、サーモン自体がイギリスでは割と贅沢だし、焼き加減も塩加減も丁度良く、付け合わせとのバランスも良く美味しく頂けました。
一方P太は、メインとしてビーフ・ステーキと海老の天ぷらと言う、日本人が聴いたら笑っちゃう奇妙なセットを選びました。しかし海老天は今や普通にイギリスのスーパーでも売られているし、日本のハンバーグと海老フライのセットを考えれば、そう変わらないかも知れません。
海老天が串刺しにされているところも、日本人にとっては奇妙です(笑)。
ところが、最初にやって来たのはミックス・グリルのセットでした。
すかさず、これ注文と違うよと苦情を言って、割とすぐに正しい料理が出て来ました。が、ミックス・グリルの方は他のテーブルの注文と間違えて運んだ訳ではなく、注文を間違えて料理しちゃったので、両方食べて(勿論一皿料金で)と言われました。こ、これは嬉しいアクシデント…‼
当然とんでもない量になりましたが、私も手伝って驚く事にほぼ完食(笑)。そして、どれも美味しかったのですよ。チップスは、ジャガイモではなくサツマイモでした。
更に、二人で一皿を分けっこですが、デザートまで注文しました。
オレンジ風味の温かいチョコレート・プディングで、スポンジはふんわりしっとり滑らか、チョコが濃厚かつ甘さ控えめ(←イギリスでは貴重)。
付属のクリームにオレンジ風味が付いていまして、これが今思い出しても悶絶クラスに美味‼ 元々オレンジとチョコの組み合わせは鉄板ですが、温かくなってもこれ程イケるとは。
夕食が思いの外高レベルだったので、イギリスの宿のお楽しみのイングリッシュ・ブレックファーストも、文句ない美味しさでした。
こんな風に重なって盛り付けられているのは、初めて見るかも知れません。
イングリッシュ・ブレックファーストではP太は、いつも目玉焼きではなくスクランブル・エッグを、ベイクド・ビーンズは無しで、あればブラック・プディングを付けます。
前日チェックインした際は既に日没後で真っ暗でしたが、朝改めて屋外を見渡すと、この宿周辺も中々景色の良い長閑な田園地帯でした。
ここは宿としても食事処としても、コーンウォールやデヴォンに通じるA303号線の長い旅路の際に、中間地点として今後も役に立ちそう。パブのメニューは日本のファミレスみたいなフルカラー写真付きだったので、一見料理の質は余り期待出来なかったものの、これが意外にも高品質で思い出に残る美味しさでした。
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