セリアのドル活用品として、BJD(球体関節ドール)素体と無彩色無植毛のドール・ヘッドが、数年前から売られていますが、それらを使用しているらしい完成体ドール・アイ人形は、イギリスの高速SAの売店や中国系通販等で、以前からノーブランドの名無し人形として売られていました。
そしてその完成品が、今はダイソーでも「ゆきちゃん」と言う名前で売られているようです。流石に百円ではなく三百円だそうですが、イギリスで8ポンド位で売られているのに比べたら遥かに安価です。
最近地元のチャリティショップで、その「ゆきちゃん」人形のでっかい版に出会いました。ヘッドもボディもセリアで販売されている物より顕著に大きく、これ程大きなタイプは今までイギリスの高速の売店でも見掛けた事はありませんでしたが、造形や素材から明らかにゆきちゃんと同じ中国のメーカーの製品のようです。
身長は約30㎝で、最早1/6スケールではありません。もしかしたら、幼SDに近いサイズなのかも。名前が分からないので、安直に仮称「大ゆきちゃん」とします。
買った時は、こんなアウトフィットを着ていました。ヨーヨーキルト式のベレー帽まで付き、デザイン自体は悪くないものの、身頃肩幅が大きく合っておらず、もしかして他のドールの服をテキトウに着せて寄付したのかもと思っていました。童顔の頭が大きく腕が短いので、すっかり幼児かと思いきや、実は胸の膨らみは少~しだけあって、推定年齢8~10歳位と言ったところ。
垂れ眼と涙袋が強調された、そのままで地雷系メイクのようで、スカスカ眉毛も、型押しの窪みに彩色仕切れておらず途中で切れている睫毛もショボい、いかにも幸薄そうな顔をしていました。唇の色は嫌いじゃないけど、若々しさは無く年齢に合っていないように見えます。今までのゆきちゃん人形は元のままでもギリ許せるフェイス・デザインでしたが、この貧乏臭い顔には我慢出来ず、どうしても手を加えて改造したくなりリぺイント決行。
と言っても、元のプリントを消してリぺしたのは唇のみで、その他は単に上描きしています。除光液でプリントを消す際、ドール・アイの素材を傷めてしまうのではと思ったからです。サイズが大きい分返って顔の型押しが深く、それを無視して描かねばならない睫毛は、元のプリント同様に難航しました。兎に角涙袋が目立たないように努めましたが、びっくり眼はどうやっても回避出来ませんでした。
唇は、姉が送ってくれたセリアのドール用メイクで彩色しています。普段リぺに使用しているパステルと変わらないように見えましたが、色付きが控えめでパステルよりは暈し易いようです。水性なので、粉を水で溶いて筆で彩色する事も出来ます。ただし、メイクを落ち着かせる為の定着スプレーで、やはり瞳が濁ってしまいました。彩光だけでも、予めマスキングしておくべきでしたね…。
買った当初髪は相当広がり絡まっていたので、一度コンディショナーでリンスしてから整えましたが、その際に無理に櫛でとかした訳でもないのに、ゴソーッと大量に毛が抜けました。いかにも無名の廉価品らしく、植毛の量も技術も乏しく出来ています。非現実的に長い髪は元から軽くウェーブ掛かっていて、未だ絡まって扱いにくい為、その内毛先は切り落とすかも知れません。
この大ゆきちゃんには、渋いピンク地にビンテージ・レースを縫い付けたカントリー・ドレスを作って着せました。この生地は、西洋らしいクラシックな柄で気に入っているものの、色合いが繊細過ぎて似合うドールが中々居なくて残念に思っていた布です。
基本的にかなりの色白じゃないと似合わない難しい色ですが、その点大ゆきちゃんなら大丈夫でした。また布の柄は大きめなので、これ位大きなドールの方が映えるようです。
レースのエプロンは「なんちゃって」で、直接ドレスに縫い付けてあります。
一応、背面もエプロンの肩紐が交差して腰紐が結んであるかのようにしましたが、長い髪で隠れてしまい、余り意味はありませんでした。
バテン・レースの付け襟は、以前momoko DOLL用に、コースターのような小さなドイリーから作った物。
付け襟を取ると、こんな感じになります。
体に直接型紙を当てて採寸したのにも関わらず、銀髪魔女バービーのアウトフィットとは真逆に、ウェスト切り替え位置が低過ぎて、中途半端なローウェスト気味に仕上がったのが気になります。
足が大きい為にフットウェア選びが問題で、今回はシンデレラ・シューズを履かせています。これはイギリスで広く出回っていたらしい香港製のビンテージのドール靴で、幅広くサイズ展開していた為、どんな大きさの人形でも大抵は合うサイズが存在したので「シンデレラ」シューズと名乗っていたようです。因みに、これはサイズ01号。
ヘッドは硬めのソフビ製のようで、少しビスク・ドールのようなマットな質感があり、キャスト・ドールに近く見えます。 一方ボディの可動域や素材はゆきちゃんと全く同じらしく、安価な割に意外と関節が丈夫そうです。
肘と膝の関節の造りはバービーのMTMボディに似ていて、二段階式に90度以上曲がります。
しかし腕が短過ぎて、腕組みも出来なければ複雑なポーズは取れません。膝は正座出来る程は曲がらいものの、立ち膝は出来ます。通販でもBJDと謳って売っている割に、球体関節自体は余り多くないボディです。
ファッション・ドールにあろう事か福耳で、全体的な耳の造形も気持ち悪い上、ピアス穴が耳朶どころか頬に開いており、耳を出す髪型には出来ません。
値段は5ポンドと現在のチャリティ屋の中古人形としても高めでしたが、クラシックな服装はばっちり似合う雰囲気だとは分かり、結構着せ替えが楽しそうな人形にはなったので、元は十分取れました
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