2025/10/10

黒系ラインストーンのフィリグリー・ブローチ

 

夏のフリーマーケットで、このブローチを買いました。フリマでもビンテージ・ジュエリーは概ね高くなって来ていて、石の多くが欠けている物でさえ2ポンドとか吹っ掛けられる事もありますが(御冗談を。アンティーク・フェアより高い)、このブローチは状態に問題はないのに値段を尋ねるとたった20ペンス(40)でした。

幅は5㎝位あり、厚みと立体感もあり、ボリュームとゴージャスさは十分。

透かし金具を立体的に配置しラインストーンを鏤めた、私の好きなフィリグリー・ブローチですが、このタイプで黒系ラインストーンを見るのは初めてです。

仕様はアール・デコ時代のチェコスロヴァキアで製造されたフィリグリー・ブローチに一見そっくりなものの、ラインストーンの多くは、中央の大きなカボションも含め、黒味掛かった透明のブラック・ダイヤモンドと呼ばれる色です。これは比較的新しく生み出された色で、少なくともアール・デコ時代には存在しないはずです。

しかし、石の多くは爪留めされて造りは丁寧ですし、アール・デコ時代程古くはないものの、ビンテージと呼べる程古い物ではあると思います。

家に帰ってから、隙間に入り込んだ埃を取っていると、裏面に非常に小さな文字で西ドイツ製と刻印されているのが分かりました。

石は全て揃って地金にもピンにも問題はないものの、模造パールの塗装が剥げ気味なのが唯一の難点。しかし目立たないので、このままでも着用には差し支えないとは思います。 




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