昨年のクリスマス前のチャリティショップで、ビンテージのXmasボーブルの詰め合わせを買った際、小太鼓のミニチュアのオーナメントが一緒に入っていました。ビンテージでもなければ可愛いデザインでもありませんでしたが、1/6ドールに使えると思い、処分せずに取って置きました。
何故Xmasツリーのデコレーションに太鼓モチーフが存在するかと言えば、有名な「Little Drummer Boy 小さな太鼓手」の歌に因むからだと思います。
この歌は、1950年代後半のアメリカで大ヒットしたクリスマス・ソングだそうで、その後も数多くのアーティストにカバーされ続けています。
クリスマス・ソングとしては異色な雰囲気で、楽しく高揚するような調子でもなく、讃美歌や宗教曲のような澄んだ清らかさとも違います。単調で特に盛り上がりもなく重々しい曲想ですが、歌い手の力量やアレンジに寄っては凄く心に響く歌です。
私が初めて聴いたのは、確かビング・クロスビーとデヴィッド・ボウイのデュエット版で、お気に入りはジャクソン5版。マイケルの表現力が、この頃から既に圧巻です。
歌詞の内容は、ベツレヘムでイエス・キリストが降誕した際、東方の三博士が祝福の為に素晴らしい贈り物を献上しに来訪した時の事。
一人の貧しい少年もお祝いに訪れましたが、彼は貧しさ故に何も贈れる物の持ち合わせがありません。それで聖母マリアの許可を得て、贈り物の代わりに満身の気持ちを込めて太鼓の演奏を幼子イエスに捧げると、イエスは微笑んだと言うお話です。聖書には登場しない、後から創作されたストーリーのようです。
つまり、この歌の内容の舞台となっているのは、キリスト降誕時なので紀元0年のベツレヘム。太鼓手は当時の貧しい少年だから、彼の服装は現代のヨーロッパの冬服とはかけ離れた、昔の中近東の粗末な衣装、またはせいぜいその場面が絵画の題材に好まれたルネッサンス時代の衣装じゃないと本来は「らしく」ないはずです。
しかし、その当時は太鼓も極めて原始的かつ土着的な楽器だった訳で、こんな現代のスタイルとは全く異なっていたのに違いありません。だから服装を大昔風にすると、この太鼓自体にそぐわなってしまいます。何とかバランスを考えて、ちょっとだけ古風な童話の中の少年っぽい恰好をさせる事にしました。
ジャケットもパンツも、「今日からはじめるドール服LESSON」の型紙を元にしています。ジャケットはmomoko DOLLサイズで、元はダブルの前袷でしたが、白シャツの上に着せるとシングルでいいやって事になりました。ストライプの裏地付きです。パンツは22㎝(リカちゃん)サイズで作っていますが、ダーツを半分の幅に調節すると、男の子ドールでも着用出来ます。白シャツは、スウェーデンの民族衣装からの使い回し。
衣装だけだと、正直全くクリスマスらしさはありません。ジャケットに刺繍の一つでも入れる、またはポケットをチロリアン・テープにでもしようかとも考えましたが、後々着回しの事を考えるとシンプルなままにしました。帽子の赤い実だけが、辛うじてクリスマスらしさを漂わせています。
このシャル坊(リカちゃんのフランスの従兄弟シャルル)が着ると、まるでアルミンの子供の頃みたい。リカちゃんのボーイズも可動式ボディに替えたいと帰国した際にずっと探し続けましたが、ピュアニーモ男の子のナチュラル肌が長らく品切れ中ですよね。一体、いつになったら入荷するんだい。
太鼓の胴が余りにも金プラで安っちくテカテカだった為、タータン・チェック柄の紙を貼り渋くしました。ちょっと渋くなり過ぎたかなーとも思いましたが、赤の割合が多いもっと鮮やかなタータン柄の紙は持っていなかったものですから。太鼓のバチは、楊枝とウッドビーズでテキトウに拵えた物。
もし少年の心の籠った太鼓の演奏が、本当に聞こえるような雰囲気に仕上がったら嬉しいと思います。
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