2024/11/25

ジブリ映画のような空の丘

昨年の今頃、雨と晴れを繰り返す不安定な天候の日に、国立公園サウス・ダウンズの端の村のアンティーク・モールを訪れた後、ついでにサウス・ダウンズの丘の一つKithurst Hill キットハースト・ヒルに登ってみました。

キットハーストの頂上へ車で行くのには、急な九十九折りの細い坂道を登って行かねばならず、全く高くない海抜の割にかなりスリリングな山道です。

丘の上の無料駐車場に到着した途端、バケツをひっくり返したような土砂降りになり、しばし車の中で待機しました。その直後、北東側に美しい虹が見えました。

天気雨の多いイギリスでは、虹を見掛ける機会は少なくありません。しかし、ここまで色のはっきりした美しい虹(写真では拾え切れませんでしたが)は、中々ないと思いました。

しかも、良く見ると二重の虹です。以前友達がロンドンを旅行した際に、美しい虹を見掛けて感動したのに、周囲の人は誰も気にも留めなかったと不思議がっていました。確かにイギリスで虹は然程珍しくありませんが、忙しさや感性の問題だとは思います。庭園を訪れたり野山を散歩するようなイギリス人は、時間にゆとりがあるし自然に関心があるので、虹に気付いて心を留める余裕があるはずです。

先程大雨を降らせたドス黒い雲は、あっと言う間に東に移動していました。そして、空は見事な清々しい蒼さに劇的に変わりました。

 

真っ白な雲が殊更映え、まるでジブリ作品の背景のようだと夫婦揃って思いました。 前回は月面のような荒涼とした丘の頂上だったのに対し、この時は青々とした緑で覆われていた効果も大きかったと思います。

遊歩道脇に赤く見える木々は紅葉ではなく、サンザシか何かで実を大量に付けているようです。

 
こちらは西方面。イギリスの天候は西から変わる事が多く、更に雨雲がやって来そうな気配。

前回来た時も思ったけど、この丘の上には、まるで雉牧場のように雉がいっぱいです。雉はイギリスの古来種ではなく、19世紀に食用として中国から輸入されたのが、ここまで野生化&繁殖したそうです。

サウス・ダウンズ丘陵地帯は、概ね北側が崖に近い急な斜面で、頂上は丘の上とは思えない程平坦。南側は、なだらかに標高が下がりながら海岸線に続く事が多いようです。

それ故、樹木にさえ遮られなければ、北側の眺望は抜群です。

先程眺めたプルボローの氾濫原は、見下ろすと確かに湖のようでした。

大雨の直後で、チョーク質の遊歩道が余りにもドロドロにぬかって滑りそうだったし、その後も雨が降りそうだった為、この日は丘の上では大して歩かず、車中でお茶を飲んでさっさと去りました。しかし、短時間の内に美しい虹と、平凡なようで文句無しに素晴らしい風景を眺める事が出来て満足しました。

 

 

 

 

 

 


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