昨年の七月に「Wallingford Arcade ウォリンフォード・アーケード」の一階には、19世紀から20世紀前半のジュエリーが、まるで博物館のように見事にずらりと並んだ、見応えのあるショー・ケースがありました。
これらは真正のアンティークな訳ですから、コスチュームではなくファイン・ジュエリー(宝飾品)も混じっているはずで、どれも値段は一つ100ポンド以上する為に、私には絶対に手が出ません。
しかしデザイン的に大変美しいのは確かで、また詳しい商品説明も付いていて勉強になるので、ビシバシ写真を撮って記録に残して置く事にしました。
時代や形式的に言うと、ヴィクトリアン、エドワーディアン、アーツ&クラフツ、アール・ヌーヴォーです。
宝飾品が、未だ一般庶民には手が届かず、特権階級だけに許されていた時代の製品なので、意匠や造りや素材的に半端なく贅沢です。
このElizabeth Bontéと言う作家に寄るアール・ヌーヴォーの ネックレスなんて、1250ポンドの値段が付いています。中央の瑪瑙のような光沢のある花モチーフは動物の角製、ビーズにはバルト海の琥珀が使われているそうです。
これらの詳しい商品説明からも、ストール主は相当なアンティーク・ジュエリーの愛好家でエキスパートだと言うのが分かります。
希少性・価値を十分過ぎる程理解しているからこそ、高額な価格を設定するのにも躊躇ないのでしょう。
こう言うストールって、売って利益を得る目的ではなく、元々金銭的に余裕のある人が、私設博物館として自分のコレクションを公開したいが為に出店しているんだろうな…と、つくづく思います。
博物館の管理維持費を考えれば、出店料はそれ程高くないのかも知れません。
期待した通り、建物自体も観る価値がある、迷路のように入り組んでいて冒険気分を味わえる、充実した楽しいアンティーク・モールでした。只、歩き回って足が疲れただけでなく、多くのアンティーク・モール同様に店内が概ね暗い為、眼も凄~く疲れました。
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