夏の終わり頃のフリーマーケットで、この古いエプロンを買いました。ビンテージ・エプロンに多い、胸当てのないハーフ・エプロンです。キッチン用品柄は、エプロンやビンテージ・ファブリックの中でも特に好きです。
が、正直イラストのタッチ自体は好みではなく、イギリスの60~70年代のレシピ本の典型的な挿絵のようだと思います。その頃の西洋のレシピ本って、料理の完成図の写真やイラストが全てのレシピに付いている事って稀で、文章だけ、または完成料理を幾つか纏めた集合写真、例え挿絵が付いていてもレシピに関係のない単なる食器の絵だけとかでした。只でさえ食べ物に関して想像力の欠けるイギリス人なのに、一体どれだけの人が当時本を見て料理を作ろうと思ったのか頗る疑わしいものです。昔は未だ居たのかも知れませんが、家庭で料理をする文化そのものが、現在この国にはしっかり定着しているとは言えません。
朱色に近い赤地のエプロンに、プリントの入った部分は全てポケットになっています。中央に漂白剤が掛かって色落ちしたような部分はありますが、シミよりはましかなと思います。値段は10ペンス(20円以下)でしたし。
描かれているのは、キッチン用品の中でもスパイス、ハーブ、豆、パスタ、ナッツ類の詰まったキャニスターです。これらがイギリスの台所の典型的な食材かと言うと、アーモンドやクルミを殻ごとキャニスターに仕舞っていた人が、はたして昔は居たんかいな?と疑問なところです。豆を乾燥から煮て食べる人も、そんなに居たとは思えません。あくまでこのイラストは、理想的な豊かなキッチンを描いているのではと思います。
イギリスの一般的な玉ネギは小ぶりで、日本並みの大きさの物はSpanish onion スペイン玉ネギと呼ばれます。しかしここに描かれているのは、クルミより小さい玉ネギで、これではペコロスだと思います。
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