2024/01/12

雪明かり

 

雪の積もった夜の異様な明るさ、雪の積もった早朝の音を吸収する独特な静けさが好きです。そんな特別な雪の日をイメージして、momoko DOLLに冬の外出着物のコーディネイトをさせてみました。

着物に使用した布地は、数年前にWorthing  ワージングの生地屋さんで買った端布。賑やかな散らし柄の中にも渋さがあり、これでドール服を作るのなら着物が良いと最初から思っていました。藤色の地に散った水色の円型のパターンは、一瞬雪の結晶を思わせなくもありません。

しかし幾つかの円の下部には羽根のような物がぶら下がっていて、どうやら実はネイティブ・アメリカンのラッキー・アイテム「ドリーム・キャッチャー」をモチーフにしているようです。

どちらにせよ縁起物には違いないから、お正月時期の着物には相応しいように思いました。

防寒具として、ブーツ、毛皮のショール、藤色のクローシェ帽、黒い手袋を合わせました。もし雪が降ったら着物はこれでも寒いはずで、本当は羽織か道行も必要そうです。今は、着物用の暖かいコートも売られています。

クローシェは、このモモコの髪型には微妙にサイズが合わないようで浮き気味です。

ドール用の手袋も、元からキッチリ指に着用出来る造りではないし、ずるずると落ちて来るので面倒です。

唯一ブーツは、足袋&草履よりも脱げにくく立たせ易いので助かります。特にこのモモコのように足首が曲がり易い構造のボディは、草履や下駄を履かせて立たせるのが大変です。

一方背景に使用した雪の結晶柄の布地は、生地屋さんで最後の残りの半メーターを無理矢理売って貰った程気に入っている物。プリント使用色はたった三色なのに、とても華やかで充実して見えます。

ただし背景が派手過ぎて、肝心の着物自体より返って目立ってしまいました…。

雪の結晶や雪景色は、日本でもイギリスでも、クリスマスやお正月に良く使用されるモチーフです。イギリスでは、クリスマス・カードの定番文句に「Let it snow! 雪を降れ」なんてのもあります。

しかし実際には、ここイギリス南東部も日本の太平洋側平野部同様に、雪の降る事自体が珍しく、まして積雪する事は非常に稀です。年末年始(以前)は特にそうで、ホワイト・クリスマスなんて夢のまた夢と言うか御伽噺クラス。

しかしこの冬は、12月に入っても東京では15度を超える日があると聞き、雪なんて一層全くピンと来ないのではないでしょうか。福島県の実家でさえコートが要らない程だったと、正月休みに帰省した姉が言っていました。

雪が実際に降ったところで喜ぶのは子供位で、交通麻痺を起こして通勤が大変だし、危険だったり流通が滞ったりで、大人にとっては厄介なだけなんですけど、一体どうしちゃったんだこの冬。

本当は今冬はラ・ニーニャが発生し、世界的に寒さが厳しくなると予報されていましたが(それも困る。光熱費高い)、蓋を開けてみれば、今の所イギリス南東部も暴風雨続きながら暖冬です。厳寒は真っ平ですが、異様な暖冬にも今後の環境への影響に対する不安を拭えずには居られません。

 

 

 


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