バービーを上手くリペイント出来ないのを、相当歯痒く思っています。バービーは中古としてもイギリスで最も入手し易いファッション・ドールなのには間違いないし、今時のイギリスの多くのファッション・ドールが巨頭系ばかりの中ではほぼ唯一の小顔で、アウトフィットを一番真っ当に着こなしてくれる、最もスタイリッシュに映える可能性があるモデル人形は、やはりバービーだからです。
それで、バービーのリペイントをもっと本腰入れて頑張ってみようと思いました。じゃあ、今迄は本気出していなかったのか?と問われれば、私はいつだって本気です(爆)。ただし、今迄のバービーのリぺは、単に元よりはマシになれば良いと言うのがあくまで目標でした。
上手く行かない理由の一つは、1/6ドールとしても瞳の面積が相当小さいので、実は初心者やぶきっちょにはリぺの難易度が高いと言うのもあります(…逆に瞳が大きくてもバランスを取るのが難しいが)。
そして、強引に自分の好みに近付ける為に、メイクを軽くしてナチュラルな格好が似合うように目指したり、リアルな顔の人形が余り好きではない為、出来るだけ瞳を大きく描いて日本の漫画っぽくしていましたが、それが根本的にバービーのデザイン・コンセプトに合わず、無理が大き過ぎると言う事実に気付きました。
バービーにはバービーの顔の成形型に合うよう考えられたフェイス・プリント、個性に合わせてデザインされたファッションがあるのだから、それを丸ごと無視しては上手く行くはずがないと(…何だか面倒臭い話が始まっちゃった)。とは言え、自分の好みと掛け離れ過ぎていたら、やはり服を作る意欲は湧かないので難しい所です。
そこでフリマで手っ取り早く買って来た、この割と新し目の基本的なバービーさん(50ペンス)。金髪、青い瞳、オーキッド・ピンク系のマットなリップ、オープン・マウスの歯を見せたアメリカーンな微笑みで、現在のバービーとしては典型的な、つまり平々凡々な顔をしています。子供の遊び古した人形の髪は、大抵こんがらがり過ぎていて、まず櫛の柄で丁寧に毛先を梳いてからでないと普通に櫛では梳かせないのですが、これは珍しく髪質自体は非常に良く、その必要がありませんでした。ただし、ひっつめオールバックにされていたクセが強く残っていた為、またインクの汚れのような色も付いていたので、一度ぬるま湯で洗いました。
ボディは、腕が固定式で、脚の膝のみが関節式で曲がります。どうせなら、肘のみ曲がる方がモデルとして使い易いのにと思います。その上右腕が曲がったままなので(80年代のバービーは両腕が曲がったままで更にウザかった)、明らかに着替えが不便です。バービーの体型は、それまでの暴力的なボンキュッボンから、1999年に胸が小さく薄めにモデルチェンジされましたが、この2015年以降のボディは、それより更に胸幅が狭くウェストが太目で凹凸が控え目になっています。どちらかと言うとローティーンっぽい、若々しい体型。ピンク髪のバービーも、可動域は異なっていても、プロポーション自体はこれと同じです。
色鉛筆主体でリペイントして、…自分で描いたとは思えない程ケバい怖い顔に仕上がりました~。元の顔よりケバいとは! 今回のリぺの目的は、物は試しに出来るだけ描き込んで、欧米人に良くあるメイクばっちりの濃い顔にしてみる事でしたが、例え化粧盛り盛りだって、必ずしもケバい顔になる訳ではないはずですよね(涙)。
もし肌色がこんな日焼けサロン肌ではなく白人らしく、またクローズ・マウスだったら、このケバさでも少し許せたと思います。バービーには珍しく、足が爪先立ちではなくヒール靴が履けないのだから(後から気付いた)、ここまで化粧を濃くする必要にはなかったと反省。この顔では、フラットシューズを履くような服装が全く似合わん。
結局ひっつめ髪のクセは洗っただけでは取れなかった為、リペイント後にお湯パーマする羽目に。パーマついでに、三つ編みでウェイビーヘアにしてみました。その際、このバービーは元々オールバックだったのか、髪の分け目がなく、無理に分けると地肌のハゲが目立つ為、ブロッキングは工夫せねばなりませんでした。顔にトップコート(Mr.Super Clear)を掛けていたとは言え、水彩鉛筆でリぺした後にお湯パーマするのは不安でしたが、ペイントを強く擦ったりしなければ大丈夫でした。
少なくともこのケバい顔には、ストレートよりこの髪型の方が断然しっくり来ます。
それにしても、トップコートの使い方を間違えたらしく、「ツヤ消し」とは思えない程艶が出て顔がテカテカと光り、まるで油を塗ったくったよう。そのせいで肌の色も益々暗く濃くなり、ケバさが倍増しました。
最初はそのまま撮影してしまい、どうリタッチしてもテカりを回避出来ずに、その時の写真は却下となりました。再度挑戦する前に、もし自分の顔が脂ぎっていたらどう対処するか?と考え、①洗顔する②油取り紙を使う③お粉をはたく、だなと思い、③の白粉の代用で、パステルの粉をドールの顔に擦り付けてみました。
更に照明を出来るだけ自然光だけにしたり(今の季節の暗~いイギリスでは殊更難しいのだが…)、背景布を変えたりして、 これでも前よりは随分マシな状態になりました。
オープン・マウスが好きじゃないので、今迄は無理矢理閉じているようにリぺする事が多かったのですが、口の形が元々開いているように出来ている為にやはり上手く行かず、まるでお歯黒のように不自然に見えました。
オープン・マウスと言っても、必死に口角を上げて全面歯を見せている、わざとらしい商業的な満面の笑みだから気に障るのであって、ユノラ・フロゥのようにちょっとだけ口が開いて歯が見えるのは一向に気になりません。とは言え、狭く開いた口の型の中に、歯を白く少しだけ描き入れるのは一層大変です。
やはり肘が曲がったままの右腕は凄く扱い辛く、最初は彼女に長袖を作ったものの、腕を通す際に非常に面倒な上に、着た状態でも袖にヘンな皺が寄って不格好で、結局その服は諦めざるを得ませんでした。人形の造りとして、根本的に冬服に不向き。
ではこのバビ子さんにはどんな服が良いかと考えていた時、「あたし、ピンクのドレスが着たいの♡」と訴えているような気がしました。
確かにピンクはバービーのテーマ・カラーですが、例のパッション・ピンクではなく、優しいピンクの花柄のクラシカルなワンピースにして、少しでもケバさを緩和したいと思いました。
しかし冬なのに、結局思いっ切り夏の格好になってしまったぁ。実際に安いバービーには、夏服以外は似合うイメージも売られている記憶もなく、多分コストを抑える為にも、デフォ服はほぼ袖無しばっかのような。
そもそもヒール靴が履けない足だから、冬でも袖無しのドレスでOKなパーティー感さえ出せません。リカちゃんのローヒール・パンプスすら履けない真っ平ら足なので、昔のジェニーのバレエシューズなんてのを履かせています。これすら大き過ぎてぶかぶかで、実は中に練ゴムを敷いて固定しています。バービーお得意のヴォーギングさえ、これではままなりません。
しかし今現行で販売されているピンク・レーベルのバービーには、意外とフラット足仕様が多いので(流石に医療従事者仕様とかがハイヒールしか履けなくてはね…)、その内バービーのフラット足用の靴が中古で簡単に手に入るようになるとは思います。
頭のバラは、実は虫ピンで頭皮にブスッと刺しています。人形とは言え可哀想な気もしますが、安定感はピカイチ。どうせリぺする際も、髪の汚れ避けカバーを待ち針数本で頭皮に刺して留めているので、もっと怖い状態なのです。しかし、リぺの犠牲になる中古人形だからこそ出来る事で、新品の高価なドールにはしようと思いません。
やっぱりバービーには、プリントが面で構成された漫画やアニメっぽい瞳ではなく、グラデーションの有る緻密なタッチの方が相応しいとう事は、少なくとも確信しました。
目指した仕上がりには程遠くなっちゃったけど、一応似合いそうな服を作って着せて上げると、少しは落ち着いて見えるようで、ちょっとだけホッとします。
0 件のコメント:
コメントを投稿