イギリスのフリマやチャリティショップで見掛ける中古ファッション・ドールでは、やはりバービーかディズニーのプリンセス人形が一番多いのですが、ほとんどは最も安価なラインで、手足は固形プラスティックで最低限の可動域しかなく、また現在はコストを抑える為に、服の身頃はボディに直接ペイントされている「着せ替え」は出来ない人形も多く、私のリぺイント用の材料の興味の範囲外でした。
しかしその日のフリマでは、今まで中古では見た事のない仕様の中々魅力的なバービーに出会い、一目で惹かれ買う事にしました。
まず髪型の、前部に角か巻貝のように尖った二つのお団子ヘアが個性的。超ロングヘアのピンクとプラチナ・ブロンドのメッシュで、特にピンクがミルキーピンクの甘く優しい色なのが素敵です。髪の質も、子供が遊び古したにしては十分許せる状態。
ボディはフル可動式で、足首まで曲がるMTM(Move To Move=通称:ヨガ・バービー)程の可動域はないものの、脇も閉まるし十分良く出来ています。肌の色は相変わらず白人なのに日焼けっぽくくすんでいるけれど、バービーにしてはあっさり目のメイクには似合っているし、フェイク・タンではなく健康的に見えるから余り気になりません。眉毛がぶっとく、口の形が閉っている所もマル。
最初はリペイント用に買った訳ですが、…いやいや、このままで十分美しいじゃんと思い直しました。これ程少女っぽい可憐な顔のバービーが、今だかつて存在したでしょうか??
フェイス・プリントのドットの粗い安っぽさは否めませんが、これ以上このバービーに合うメイクに改造する自信が、今の私にはありませんでした。
バービーのリペイントは、盛って寄り大人っぽくリアルかゴージャスにする事は一般的でも、あっさりナチュラルに若々しくする事は、例え匠の絵師にとっても困難なようです。または、バービーでそう言うテイストにわざわざリぺしようと考える人はまず居ないようで、少なくとも私は未だ見掛けた事がありません。
検索して、すぐに「Barbie Extra バービー・エクストラ」のバービーだと分かりました。元はピンクの長いファー・コート、銀色のタンクトップ、脇フリル付き星柄のブルーデニム・パンツ、羽根付き白ブーツ、お菓子の外袋を模したクラッチ・バッグ、大ぶりのアクセサリーを着用した、人形そのものからは余り想像出来ない、かなりファンキーな出で立ちで販売されていました。
フリマで手に入れた時は素っ裸でしたが(テキトウな服を着せて撮影)、大きなリング状イヤリングと白いヘアクリップだけは付いたままでした。イヤリングは、まるで耳から生えているのか??と疑う程がっちり深く嵌め込まれていて、外すのに結構苦労しました。
バービー・エクストラは現在でも売られているシリーズで、子供向け廉価品バービー(ピンク・レーベル)としては、最も安く一般的な「ファッショニスタ」よりは箱も大きく価格も高い、少し凝ったバージョンだと言う事だけは知っていました。
髪はどの人形もとんでもなく長く、髪色には他にレインボーカラーなんて仕様もあったはず。全てに小物類が多めに付属し、マスコットのプラスティック製の動物(例に寄って日本人にとっては可愛くナイ)も付いて来ます。このピンク髪バービーの場合、ユニコーンと豚が合体した「一角ブタ」がペットでした。
して、バービー・エクストラのコンセプトは何なのか? 今まで全く分かりませんでした。オンライン・ショップで「非常にカラフルで大胆なファッションとヘアスタイルのシリーズ」と謳っているのを知り、…へえええそうなんですかと思った次第です。
ファッショニスタよりも1ランク上を目指しているのは分かりますが、ファッションや髪がやたら奇抜と言うだけで、リアル・クローズでもセレブ的なモード感もなく、お洒落には見えなかったからです。少なくとも、私には全然ピンと来ないスタイルでした。
もしかしたら、ライバル社MGAの商品で今人気の「レインボー・ハイ」に対抗すべく作られたのかも知れませんが、子供を引き付ける憧れ感や面白い新鮮さがあるようにも思えませんでした。
ハスッパでもなければ下品でもないけれど、総合的に野暮ったいと言うか、センスがエルトン・ジョンの舞台衣装っぽくて、兎に角ドールの顔(メイク)と髪型と服装が合わないように見えます。このピンク髪バービーも、もしデフォルト服のままだったら、ドール自体のデザインの良さそのものには気付けなかったかも知れません。
私だったら、まずこのバービーさんにさせたい服装としては、まるで花の妖精のような、ナチュラルで夢可愛い格好しか思い浮かびませんでした。
この服は随分昔にmomoko DOLL用に作りましたが、合わせるつもりだった服装には、仕上がってみると生憎バランスが悪く、長年出番がなく仕舞ったままでした。その為、スカートが潰れてぺったんこになっています。
モモコの体型はバービーよりずっと細いのですが、この服はゆとりがあった為に、バービーでも着用可能でした。
髪は丁寧に梳かしたら、サラサラのほぼ真っ当な状態になりました。ブロンドは細かいワッフルヘアになっていて、ピンク髪のストレートに混ざっています。
しかしこれ程の長さは、やはり着せ替えの邪魔だし不自然過ぎて要らないので、せめて腰あたりまでにカットしようと考えています。角団子は、このまま残すつもりです。
夏に姉が、大人のコレクション用のお高いバービー&ケンのセットを買いました。それは実写映画に因んで発売された限定品で、ビーチ・リゾート仕様の水着と夏服しか持っていない仕様です。なので今後は、バービー用の長袖や冬服も作って送らねばと思っています。これからは、少しだけバービーのアウトフィットを作る機会が増えるかも知れません。
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