2023/12/17

再び布がくれる幸せ

 

大聖堂と古城の町Rochester ロチェスターを度々訪れたくなる理由の一つに、この町にある魅力的な生地屋さんに行きたい言うのがあります。キルト専門店なので、イギリスでは中々手に入りにくい綿100%の薄手のプリント生地を中心に扱っています。品揃えのセンスの良さは、私が知る限りイギリスで一番です。その分値段も安くはありませんが、カット生地とは別に、端布(恐らく巻売りの布の最後の余り)を一枚1ポンドで販売しているのも魅力です。イギリスでは、そんな最後の最後の余りの生地でも、1ポンド以下で販売している生地屋をほとんど見掛けた事がありません。プリント・カット生地であれば、この店では豊富に揃えているものの、一枚4ポンド(700円強)位で販売していて、そう何枚も買える物ではありません。しかし1ポンドの端布なら、毎回5,6枚は買えます。

カット生地が縦約50cm×半幅のほぼ正方形なのに対し、端布は概ね縦25cm位×半幅の横長です。もし柄が縦一方方向のみであれば、作る事の出来るアイテムはかなり限られますが、1/6サイズのドール服の場合、和服でもない限り、大抵はこの大きさでも十分です。その和服も二部式に仕立ててれば、何とか出来ない事はありません。

まず、絵付き卵やニワトリがモチーフのイースター柄。ニワトリの表現にちょっとクセがありますが、パステル・カラーで纏めたカラフルで可愛い布です。

こちらもイースター向けの生地で、ヒヨコ色地に巣に入ったヒヨコ(ニワトリの雛なら巣には入らないだろうけど)が描かれた、何とも優しい雰囲気です。花は、イギリスの春の野を代表的するプリムローズのようです。

布端の色見本まで、ウサギ・マークで可愛いのです。

少しくすんだオレンジ色の地に、部分的に掠れたようなタッチの味のある鉢植えの柄。1/6ドールには大き過ぎ&飛び過ぎる柄ですが、ビンテージ・ファブリックっぽい雰囲気があり外せないと思いました。

薄いベージュ色地に三本の針葉樹、その背後には雪が降っています。明らかにクリスマス向けの生地ですが、こんな柄は今までありそうで見掛けた事がありませんでした。

これも、どちらかと言うとクリスマス向けかな。クロスステッチかニットの編み込み模様が北欧っぽい、寒色系の柄。緻密で綺麗にプリントされています。

こちらも青系で、変形ペイズリーが中心。柄は大き目ですが、柄の方向が制約されておらず、色数少なく渋いので、汎用性は意外と高そうです。

これのみ、一枚1ポンドの端布ではなく、もっと大きな「余り生地」で3ポンド位で売られていました。縦30×全幅位はある為、撮影の背景布にもなりそうです。イギリス柄の生地は、何かと必要になるものですから。

余り精度の良いプリントではありませんが、柄が細かく密で方向も限られず、使い勝手は良さそうです。

このお店は、いつも店員さんの感じが良い所も気に入っています。日本であれば、今は百均屋でさえ、結構可愛い柄布や役に立つ布が簡単に手に入り、何か作ってみたい気持ちを簡単に掻き立ててくれますが、そうは全く行かないイギリスでは、至急必要なくとも材料が手に入る時に入れておかないと、中々創作意欲が沸き上がりません。




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