「モンスター・ハイ」のローラースケーターのフランキー人形をリペイントする際、ドールを一からリぺするのは本当に久々だったので、折角手に入れにくくなった人形を、無駄にせず仕上げられるか自信がありませんでした。更にモンハイは、欧米でドールのリぺとして多分最も人気で、多くのリぺ画伯が手掛ける人形だから一層自信がなく、その前にウォーミングアップの練習用として、何かテキト~な人形をリぺする事にしました。
そこで選んだのが、やはり夏にフリマで購入していた、恐らく中国製の人形名もメーカー名も不明の激安人形です。何せ支払ったのは10~20ペンス程度だし、こんな人形をリぺする人はまず世の中に居ないだろうから、出来の良い作品と比較される心配もありません。
身長は24cm位ですが、頭が大きく子供の体型をしていて、肩幅は結構ありウェストは多少括れているものの、胸の膨らみは全くありません。幼児ではないけれど、10歳以下の少女と言ったところ。
ヘッドは薄いべこべこのソフビで、腕以外のボディは、その内自然に繋ぎ目がパカーンと割れるに違いない、表面はやたらテカテカと光る、中空洞の薄いプラスティック製です。
全体的にいかにも安っぽい素材で出来ていますが、ヘッドとボディのバランスは不思議と良く取れています。ドール服作り好きにとっては、このバランスが着せ替え人形=モデルとして重要だと常々思います。
そして、肌の色が日本人にとって普通なのも(…日本だって国際化が進んでいるのに「普通の肌色」って表現は時代遅れだけどさ)、リぺし甲斐がありそうだと思いました。
買った時点では当然素っ裸でしたが、私が勝手に白シャツを着せて撮影しています。
アーモンド・アイが強調された顔は、一応ディズニー・プリンセスの幼児版人形を模倣している物と思われます。リップの色は絶対頂けないものの、このフェイス・プリント自体はそれ程酷いものではありません。ただし植毛は、これ以上ない程疎らで悲惨です。更に髪を整える際、ごそ~っと抜け落ち一層乏しくなりました。あと、ヘッドに幅はあるけど奥行きはなく、つまりブライスみたいに平べったい頭です。
しかしヘッドの素材が柔らかいのと言うのは、プリントが除光液で落ち易く、尚且つ色鉛筆が乗り易いと言う事。狙った通り、今だかつてない程水彩色鉛筆で描き易かったので、今回は色鉛筆中心でリぺしてみました。
モンハイとはタイプが全く異なりますが、頭が大きく瞳も大きい為、リぺのリハビリテーションには持って来いのモデルでした。しかし、瞳が大きいと返ってバランスを取りにくいのも確かで、明らかに向かって左の眼の方が小さく仕上がってしまいました💦
何故描いている最中に気付けなかったのか、今となっては自分でも不思議ですが、その客観性の無さが下手な人間の下手クソたる所以だと思います。
恐らく、目と目の間隔を均等に開ける事のみに捉われて、眼の大きさまでは気が廻らなかったようです。あと、パステルで入れたチーク等が斑だらけです。
着せているのは、以前リカちゃん人形用に縫った、ロ―ウェストのアール・デコ風のワンピースです。リカちゃんとは全く体型が違いますが、これは大き目にゆったりと作ってあった為に着用可能でした。
素材的には物凄く安っちいチャチいボディなのにも関わらず、腕と脚の付け根(股関節)は一応球体関節になっていて、ちゃんとぐるりと回転式で動きます。
腕・脚が開くと思いの他可動域が広く、例え肘・膝が曲がらなくとも、意外とポーズや表情の幅が広がり撮影に役立ちます。
ただし股関節の安定は悪くグラグラするので、スタンド無しでは絶対に自立出来ません。
足が大きく幅広く、他のどの1/6ファッション・ドールの靴も合わなかった為、山小屋風チャリティショップで昔手に入れた、ビスク・ドール用の靴を履かせています。
例えリぺを失敗しても、元とは全くイメージが変わったドールを見ると、リペイントはまだまだ飽きなくて止められねーなと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿