貴重な秋の快晴の日の丘巡りのお散歩では、あちこちでキノコを見掛けました。この頃未だ我が家の周辺ではキノコは余り生えていませんでしたが、海抜せいぜい100~200m台とは言え、丘の上では朝夕の気温が平地よりずっと低く、既にキノコの育成に適した低気温だったようです。
最初に訪れたSt. Martha’s Hill セイント・マーサの丘の登り口で、愛しのザ・毒キノコ「ベニテングダケ」に、まず出会いました。傘が開いておらず虫食いもなく、完璧な形と色と模様! 目立つキノコなので子供に踏み荒らされる事も多く、また大雨に当たると崩れてしまいますが、恐らくその日の内に生え立てホヤホヤだった物と思われます。そして普通は輪状に(いわゆるフェアリー・リングと言うやつ)複数生えますが、ここのはこれ一本のみでした。
傘が開くと、トレードマークの白い水玉模様が消えて行きます。典型的な毒キノコと思われますが、実はベニテングダケの毒性はそう強くなく、加熱すると無毒化するらしいので、食用にしている地域もあります(…喰いたかねーが)。生では有毒と言う点では、エリンギと変わらない訳です。
この丘の上では、ホコリタケらしきキノコを一番多く見掛けました。
これは、ホコリタケが成熟した様子。破裂して文字通りホコリのように菌糸を撒き散らし繁殖力が強い為、辺り一面に増えるのだと思います。
ベニテングダケもあれば、「テングダケ」もあり。テングダケの実物を見るのは、意外とこれが初めてかも知れません。
そしてこれは、もしかしたら毒キノコの王者「ドクツルタケ」?? 英名「destroying angel 破壊の天使」。地味な見た目に反し、毒性の強さはテングダケやベニテングだけの比ではなく、一本で致死量に至ると言われています。しかしイギリスでは見掛けませんが、近付くだけで皮膚炎を起こす可能性のある猛毒キノコ「カエンダケ」(煉獄さんの髪のよう)は、もっと恐ろしいと思います。
まるでイタリアのチョコレートのような形のキノコ、つまりポルチーニ茸みたいなキノコです。元来英国人は山草や野生の食材に全く興味がない為、イギリスではポルチーニ茸が生え放題採り放題と聞いた事があります。
しかしそれは今は昔の話で、現在は主にキノコ好き移民に寄る乱獲がイギリスでも問題視されています。どちらにせよ、私は野生のキノコを採って食べたいとは全く思いません。画像AI検索アプリで食用と出て来た結果を信じ、中毒を起こしたニュースも最近ありましたしね。
このキノコの周りに生えている緑の植物は、実はBill berryと言うブルーベリーの近種。実は食用出来ますが、やはりイギリス人は概ね興味を持ちません。
この立ち枯れの木には、クリタケのようなキノコがいっぱい。見て楽しい、種類に寄っては食べて美味しいキノコですが、菌糸で樹木を殺す恐ろしい存在でもあります。
ブツブツ恐怖症には、ちょっときつい映像です。
この木に生えて来たキノコは、まるで目のようでかなりブキ。特級呪物か。
育つと、このようにドラ焼きのような見た目です。
墓地にもキノコが幾つか生えていて、これはヒトヨダケの一種のようです。たった一晩で、溶けて消えてしまうから「一夜茸」。英名は、INK CAPだったと思います。
続いて訪れたPitch Hill ピッチ・ヒルでも、ベニテングダケに幾つか出会う事が出来ました。最早日没時で相当暗く、屈んで撮影した幾つかの写真は、手振れで失敗しました。
やはり私は、お肌ぴちぴちツヤツヤの若いベニテングダケが好き。
一方傘が開き切ったこちらは、熟女の魅力??
ベニテングダケは、ドイツ語圏では食べると幻覚を起こすので古来より魔力があるとされ、更に現在は幸運の象徴となり、クリスマス・ツリーの飾りとしても使用されるモチーフです。うちの周囲にも生えますが、見掛けると漏れなく嬉しくなるから、やはり私にとってもラッキー・シンボルだと思っています。
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