雨続きの中で奇跡的に快晴の日に、眺望地のSt. Martha’s Hill セイント・マーサの丘を訪れた後は、もう一つの眺望地で未だ行った事のないPitch Hill ピッチ・ヒルに寄ってから帰る事にしました。
ピッチ・ヒルはHurtwoodと言う森の中にあり、最寄りの駐車場も、鬱蒼とした大木に囲まれた窪地に在る上、最早日没時に近くて相当暗くジメジメした印象でした。周囲には道路が通り民家も点在し、見晴らしの良い場所の近くとは思えませんでしたが、頂上まで徒歩5分程度らしいので、この際歩いて行って確かめてみる事にしました。
が、そうは思えない場所から眺めの良い場所が近いと言うのは、大抵標高差はあると言う事。実際に遊歩道は、部分的にかなり急な登り坂になっていました。普段なら然程キツイとは思わない傾斜でも、既にたっぷり散策した後の上、遊歩道がぬかって滑り易く結構大変でした。膝の調子が悪くなっていたP太は、ぶーぶー文句を言いながら登りました。特に、この木の根が地表に這ってボコボコになった部分は、歩き辛く堪えたそうです。
しかし、見晴らし台に到達しこの景色を眺めると、たちまち彼の文句も止まりました。
この展望場所からは、サリー州とウェスト・サセックス州のWeald ウィールド(丘陵森林地帯)一帯と、サウス・ダウンズ国立公園まで見渡せます。
ここから視界が開けているのは南側ですが、この時は既に太陽が真西に傾いていた為に、返って撮影には陽射しが好都合でした。
ただし、どんなに快晴の日でも、夕暮れは結構霞みます。
中央の建物は、EwhurstかEwhurst Greenと言う村の教会のようです。田園地帯の中に教会の塔が見えるのは、イギリスの原風景と言えるかも知れません。
地面に赤く生い茂るのは、紅葉したシダ。
見晴らし場所からは、細い階段が下っていました。麓の村から全部登って来るとしたら、結構きつそう。
頂上には、三角点が何故か二つありました。と思ったら、実は一つは三角点型の募金箱でした。こんな場所でも、募金を求めるイギリス人…。安全性が全く信用出来なくて、到底募金する気にはなれません。
東には、同じ位の小高い丘二つが見えます。右(写真中央)は、頂上に塔が在り我々が何度も散歩をしたLeith Hill リース・ヒルで、海抜294mのイギリス南東部最高峰。左は、頂上に鉄器時代の要塞(hillfort)遺跡を持つHolmsbury Hill ホルムスベリ―・ヒルで海抜 261m。ピッチ・ヒルは海抜257mで、どの丘も北からなだらかに標高が上がり、南側は結構急な斜面になっているようです。この一帯が、英国南東部で最も標高の高い場所なのは確かです。
全体的に標高差の少ないイギリス南東部ですが、平地はとことん低く、背の高い建物も少なく、また丘は樹木が少なく牧草地で覆われている事が多い為、少しでも小高い場所は大抵見晴らしが抜群になっています。実はこの時、背後にはドス黒い雲が迫っていて、今にも雨が降りそうでした。
いよいよ日が暮れて本当に暗くなって来たので、ほぼ写真だけ撮って早々に引き上げました。周囲には遊歩道が沢山整備されているようだから、この丘を中心にハイキングに訪れてみるのも楽しそうです。
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