二月の一時帰国直前のバレンタイン・デート小旅行で、Brackley ブラックリーのアンティーク・モールを訪れた後は、南に30㎞程のお隣の州バッキンガムシャーのBrill ブリルと言う村に車で移動しました。その日はイギリスの冬には珍しい快晴で、その村に在る白い古風な風車を眺めるのに絶好の機会だと思ったからです。イギリスの多くの風車がそうであるように、この村の風車も風当りの強い丘の頂上に立っています。風が強い丘の上と言うのは、大抵見晴らしも抜群。ところが前回初めてこの風車を訪れた時は、生憎の視界の悪い小雨だった為、それ以来快晴の日に再び訪れなくてはと思っていました。
概ね標高差が少なく平坦なイギリス南部で、途中特に急な坂道を通って来た訳でも無いのに、いつの間に?と意外に思える程小高い丘の上に、風車と村は在ります。
狙った通り、風車を眺めるのには理想的な天気でした。
白い風車の羽根が、青空と緑の草原にこの上なく映えます。
写真の微調整を全くしなくとも、このコントラストの強さ。
私の住んでいる地域の周辺にも、未だこんな古風な風車が幾つか残っていますが、羽根車は白と言うのが基本のようです。
すっかり風車の立つ場所がこの地域の最高峰かと思いきや、一番高いのはすぐ北のNorth Hillsだそうです。
ブリルの村自体は、風車の南東に広がっています。
そして、風車の周囲の地面には、不自然にボコボコと凹凸があります。普通に考えると要塞か採石場など古代の土木工事の跡なんですけど(…どう言う普通だ?)、一応そう言う説はあるものの、未だ証明はされていないそうです。
この日は天気が良過ぎて霞掛かっていて、周辺景色の眺望は生憎期待した程は良くありません。
視界が良ければ、この丘から六つの州が一辺に見渡せるそうです。
海抜自体は200mにも満たず全く高くありませんが、周囲は更に低く平坦と言う訳です。
風が強いと言う事は、凧揚げするのにも最適な場所。この日は平日でしたが、ハーフ・ターム(学期の中休み)か教師のストライキで学校がお休みだったようで、風車周辺は子供連れで賑わっていました。
保護されている為かここ数年イギリスで増えて来ているらしい、red kite=赤鳶も数羽見掛けました。飛んでいる鳥を撮影するのは、かなり大変です。
ところが、俄かに近くの民家の庭でゴミを燃やし始め、まさか火事?かと思える程の大量の煙を周囲一帯に撒き散らしていました。しかも、明らかに化学物質を燃やして有毒ガス入り。余りの大気汚染に、子連れ家族はどんどん立ち去って行きます。私もたちまち喉が痛くなり、この後すぐに長時間のフライトに耐えなくてはいけないのに、ここで体調を崩しては一大事と、逃げ去るしかありませんでした。
もしかして、観光客を追い払う為にわざと燃やしているのか?と疑う程でした。こんなに自然豊かな環境で、折角の素晴らしい場所と天気だったのに、エコ意識の低い残念なブリルの一住民です。
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