秋に、イギリス中東部の大聖堂都市Lincoln リンカンに、夫婦で小旅行に出ました。その時ノッティンガムシャーのNewark-on-Trent ニューアーク・オン・トレントにも立ち寄り、かなり魅力的なアンティーク・モールを訪れました。其処で買った物の一つに、この古いチェコスロヴァキアのクリスマス・キャロルの楽譜の小冊子がありました。その時の旅行記事については、また後でブログに書くつもりです。
ズバリこの表紙の、民俗的な可愛さだけで買いました。小鳥とハートは、大好きなフォークロアのモチーフです。イラスト自体は全く巧みな訳ではありませんが、パステル系の色合い、古い紙物だけが持つ風合い、現代のオフセットとは違うシルク・プリントかリトグラフのような独特な印刷も相まって、味わい深い可愛さを醸し出しています。
書体も独特で、タイトルのデザインもまるでビスケットのようで可愛い。
サイズはA5程度の薄っぺらいライトカバーで、今時の学校行事等の栞にも劣る質素さです。紙質の粗末さ、原始的なプリントの素朴さから、一体どれだけ古いんだと想像します。しかし、その割には状態は割と良好です。きっと1950年代以前だろうと思いましたが、中面の変な場所の端っこに「著作権1942年」と記されていました。その年が発行年とは限りらないものの、戦中戦直後の混乱した資源不足の貧しい時代だったのが伺えます。てっきり発行もチェコスロヴァキアかと思いましたが、元はアメリカの出版で印刷はイギリスです。更に、在ロンドンのチェコスロヴァキア赤十字の監修とあります。値段は50ペンスでフリマ並みでした。
中面は本当に楽譜のみで、挿絵は一切無しです。全部で七曲分掲載されています。楽譜はボーカルとピアノ伴奏が記載されていて、歌詞は原語と英語訳の両方が記されている物もあれば、英語訳だけの曲もあります。
チェコ及びスロヴァキアと中欧一帯では、クリスマスには伝統的に鯉を食べます。内陸で海水魚が入手し辛かったからだけではなく、元々イブには肉を食べてはいけない習わしだったからだそうです。例え今は無宗教、または宗教熱心ではない家庭でも、クリスマスの鯉は欠かせないようです。日本では鯉は骨の多い泥臭い魚で、進んで食べたいと思える程美味しい印象が全くありませんが(…郡山の特産なんだよねー)、私が知る限り中欧の鯉は、川から捕って来るせいか余り泥臭くなく、驚く程美味しく調理されています。近所のポーランド&中欧食料品店でも、11月末頃からクリスマスの為の鯉販売の予約を受け付けていました。
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