2022/11/16

北イングランドの旅 大ラングデール谷

 

湖水地方で最も標高の高い峠Kirkstone Passが通行禁止だった為、Ullswater アルスウォーター湖畔からかなり遠回りしてまで、わざわざウィンダミア湖西岸を目指したのは、義母がNear Sorley ニア・ソーリー村のビアトリクス・ポッターの旧住居「Hill Top ヒル・トップ」を訪れる事を希望したからです。観光地化されたウィンダミア東岸に比べ、西岸には細い曲りくねった田舎道しかなく、ニア・ソーリー村へ行くのは意外と時間が掛かりました。そして到着してみると、ヒル・トップは金曜日は閉館!  旅行の事前にその予定は全くなかったから調べなかったにせよ、希望した時点で予めスマホで確認しておく事も頭を過ぎりましたが、NTの人気の場所で金曜閉館と言うのは聞いた事がなく、更に山の中でネットの繋がらない事も多い物ですから、つい不精してしまいました。

即座にP太が「次の計画は!?」と私に聞いて来たので、其処から余り遠くなく、余り混んではおらず、前回通って景色が抜群だったコースGreat Langdale 大ラングデール谷(daleが既に谷を意味する単語)経由のWrynose passライノーズ峠のドライブを提案しました。ただし既に午後2時を過ぎており、ライノーズ峠の先のHardknott Pass ハードノット峠まで行くのは時間が掛かり過ぎるので、今回はワイノーズ峠で引き返します。義母の為の旅行なので、出来るだけ義母の希望通りに進めるつもりでしたが、現在の身体能力には見合わなかったり、希望通りには行かない場合も起こり得ます。自分の僅かな知識を振り絞って、義母がほとんど歩かなくても楽しめるコースを、代案も含めて予め幾つか用意しておかねばなりませんでした。


この大ラングデール谷は、湖水地方の最高峰の東側の麓に辺り、ダイナミックな山の眺めは抜群ですが、湖水地方の景観のもう一つの目玉であるメジャーな湖には面してはいません。その為に、余り混んでいないのかも知れません。少なくとも、この谷に海外の団体旅行者が来る事はなさそうです。

前回はこの谷の所々で車を止めて写真を撮り、進むのに非常に時間の掛かった私達夫婦ですが、今回は時間もないのでサクサク進みます。実は今回の旅行は、好奇心通りには歩けずフラストレーションが溜まるのは分かっていたから、出来るだけ初めて訪れる場所ではなく、既に行った事のある(しかも数年以内に)場所を旅行先にしようと、夫婦で予め話していたのです。

羊は、相変わらず湖水地方の至る所で見掛けます。…と思ったら、これは山羊の親子。

はっきり言って湖水地方は、主に氷河期の名残りの岩だらけです。所々に大岩や岩盤がに剥き出しになっており、山頂も厳つい岩山ばかり。

実際には海抜1000mにも満たない山しか在りませんが、勾配が急で森林限界の標高も低い為ずっと高く見えます。
 

大ラングデール谷を西へ進むB5343号線が南へ折れる辺りで、道路は名称&級指定無し、つまり農道か村道クラスに変わり、一層細くて険しい九十九折りの本格的な峠道になります。

地元民は、この道路を一応Blea Tarn Pass ブリー沼峠と呼んでいるようです。この峠を越えた直ぐ先に在る、ターン(山頂付近にある湖沼の北イングランドでの名称)に因むようです。

山の斜面には、あちこちに滝が見られます。

大ラングデール谷から北側に伸びる、雄大で荒涼としたOxendaleを眺めながら、いよいよ峠を越えます。

 

 

 


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