2022/10/27

湖上の教会

 

夏に唯一の観光で訪れた大聖堂都市Peterborough ピーターバラを去る際、未だ日没までは十分時間があったので、何処か眺めの良い場所に移動し、持って来たお菓子で(ケチだから何でも持参w)お茶してから帰ろうと言う事になりました。2年前にピーターバラの隣町のStanford スタンフォードを訪れた際、帰りにイギリス最大級の貯水湖Rutland Water ラトランド湖に気まぐれに立ち寄り、湖に半島のように突き出たUpper Humbleton アッパー・ハンブルトン村で忘れ難い強烈な散歩をしましたが、その時対岸の非常に印象的な湖上の教会を見逃したのは唯一心残りでした。そこで、今回はその教会を目指してお茶する事にしました。

しかし、イギリスの貯水湖と言うのは大抵民間企業の経営で、周囲の駐車場は必ず有料なのです。その教会の見えそうな湖畔の駐車場も例外なく、最初の15分だけは無料となっていました。15分では、ゆっくりお茶を楽しめません。

15分以降の駐車料金は1時間辺り2ポンド程度だったと記憶していますが、教会を眺めてお茶するだけにとっては高過ぎると、それすらも払いたくないP太は、早々に駐車場を立ち去ろうとしました。しかし私は、「待ってくれ。15分間内で教会の写真を撮るから」と無理矢理引き止めました。

駐車場から実際の湖畔までは結構距離があり、また駐車場からでは湖畔で教会が見えるかどうかの確証もありません。他の訪問者が緑地でゆったりピクニックを楽しむ中、兎に角湖畔を目指して走り捲る異様な中年夫婦。

…見えて来た~!! 実際には湖上の教会ではなく、湖に突き出た半島か砂州のような部分に教会が立っています。

狙った通り、天気も陽の方向も撮影にばっちり。教会は最寄りの村の名前を取って「Normanton Church ノーマントン教会」と言い、14世紀に地元の貴族に寄って建てられた「St. Matthews Church」に起源を持ちます。現在の建物自体は、この地に住居を構えた別の貴族に寄って私有礼拝堂として建てられた18世紀の物だそうで、イギリスの教会建築としてはそう古くはありません。その一族が1920年代に転居してしまうと、そのまま教会は打ち捨てられ、1970年にラトランド貯水湖が建造されるまでは廃墟だったそうです。

教会自体へ歩いて行くには、時間内では駐車場から距離があり過ぎましたが、兎に角湖と教会の組み合わせを眺めたかったので、これで十分です。ここは、当然結婚式の撮影に大人気なようです。

対岸に見えるのが、前回訪れたアッパー・ハンブルトン村。人工湖と言えど風光明媚な場所で、特にこの日は天気が良かったから、もし時間さえたっぷりあれば、駐車場に金を払って湖畔を散策する価値は十分あったと思います。

15分以内で目的通りの教会の撮影は出来、車で別な場所に移動してからお茶しました。湖を眺めながらのティータイムにはならなかったけど、最初は駐車場が有料で文句ぶーぶーだったP太も(結局払ってないからな)、教会のドラマティックな立地と眺めには御満悦。日帰りとは言え、今回も大充実のお出掛けとなりました。

 

 

 


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