2022/10/25

モンスター・ハイをリペイント Frankie編(閲覧注意)

※不気味な妖怪人形の、更にキモイのっぺらぼうの写真が登場します。苦手な方はただちに御退室下さい。

欧米でリペイントやカスタムに一番人気の高い人形は、マテル社で製造発売して10年前位に一世風靡した「Monster High  モンスター・ハイ」と、ディズニーの姫キャラを幼児型抱き人形化した「アニメーターズ・コレクション」ではないかと思っています。ディズニー・アニメーターズは日本でも人気ですし、イギリスでも中古として多く出回っています。だから手に入り易いし、元から可愛い上に瞳が大きいのでリぺし易いのは分かります。が、人形全体が相当デカくて場所を取るから、手を出せずにいます。

一方モンスター・ハイは、正に人外の髪色&肌色と、更に餓鬼のような気持ち悪いプロポーションからは中々気付けませんでしたが、カスタム師の作品を見る限り、実は顔の形成型自体は中々リアルで優秀なのではと思い至りました。グロテスク過ぎて子供の玩具としては眉をひそめるけれど、アーティスティックな大人のドール・ファンには個性の強さが受けるだろうとは、前々から思っていました。

モンスター・ハイの中古人形は、ちょっと前まではフリマやチャリティショップでイヤと言う程見掛けたように思いますが、今は出尽くしたのか、とんと出会えなくなりました。またはEtsyやEbayで予めカスタム用と限定し、フェイス・プリントを消し去り髪まで抜き取った(涙)つるっぱげ状態のモンハイの中古人形を販売しているのすら見掛けるので、もしかしたらそう言うプロ達が躍起に買い占めているのかも知れません。

それが、最近やっとフリマで一体だけ手に入れる事が出来ました。どのキャラ、どんな仕様の人形に出会おうとお迎えしてリぺに挑戦するぞ、と決心していましたが、最初に出会ったモンハイ人形は、フランケンシュタインの(怪物の)娘と言う設定の主人公格のFrankie Stein フランキー・ステイン」でした。性格は、恥ずかしがり屋で礼儀正しいとの事(どうでも良い情報だわい)。髪色は黒と銀、肌色はガミラス星人のように薄く緑掛かかり、瞳の色は左右で違うオッドアイと言うのがフランキーのデフォルトですが、この人形の髪にはピンクのメッシュも入っています。

身体中縫い目の型押しだらけだし、首にはビスが突き抜けています。モンハイのボディは基本的にほぼフル可動式ですが、その華奢な体付きと造りの安さの為に非常に壊れ易く、中古は特に腕(肘から下)の無くなっている物が多いようです。しかしこれはエクステ等が付けられる髪遊びがメインの簡易版ボディだったようで、腕は固定式で肘&手首は曲がりません。向かって左腕は、多くのバービー同様に元から曲がったままです。靴もアウトフィットも残っている良好な状態では売られていたものの、販売していたのが実際にこの人形で遊んだらしい14歳位の女の子だったから、愛着が強い為か値切りに全く応じてくれなくて手強かった…。値段は1.5ポンド(250円弱)でした。

フェイス・プリントを落としてみて、顔に不必要な凹凸が沢山あってボコボコいかつい事に気付きました。そして、全体的には意外と角ばった顔です。実はやっぱり顔型自体も、優秀処か相当気持ちワルいなあと思いました。

とは言え、物凄く上手い人達の多くが、見違えるように素敵にリぺ&カスタムしているのは事実のモンハイですから、自分との差が殊更歴然と出るのは必須で、リぺには気合を入れねばならないと思いました(そう、気持ちだけは)。元から造形が酷過ぎる、または余りリぺに挑戦する人のいないマイナー・ドールだと、やはり気がラクなんですよね~()。今回目指したのは、一応非現実的で幻想的で儚げなイメージで、出来るだけキツくない顔でした。

モンハイを手掛けるカスタム師の動画を見ると、アクリル絵の具は余り使用せず、ほとんど水彩色鉛筆のみでリぺを仕上げる人の多いのが、以前からかなり気になっていました。しかも、見ているだけで目が痛くなりそうな程尖らせた色鉛筆です(これが最早匠の技)。海外のドールリぺは概ねその手法で、アクリル絵の具はせいぜい最後のハイライトのみで、ジェッソ(下地剤)すら使わないのです。アクリルはアニメや漫画っぽい顔を描くのには向いていますが、水彩色鉛筆は繊細な表現に向いているように思います。そこで今回は、初めて色鉛筆メインでのリぺに挑戦してみました。しかし最初にぶち当たった壁は、鉛筆の色がドールの顔の素材に乗らない(描けない塗れない)と言う事。日本のメーカーやマテル社のドールのような柔らかいソフビの顔は、特に乗りにくいようです。今回はジェッソは使用しましたが、後は色鉛筆とパステルのみで描き進めた状態が↑上の写真です。

その後アクリルで描き足しこうなりましたが、その前に海外カスタム師も愛用しているMr.ホビーの艶消しスプレーで、色鉛筆部分をコーティングしました。さもないと、水彩だから流れ落ち剥げてしまいます。瞳の部分には、グロス・メディウムを厚めに塗り、乾く前に細粒ラメ粉を振り掛けています。

リップにも、グロスをいつもより多めに塗りました。今までやる気まるで無しだった唇のリぺも、色鉛筆で描いてからアクリルを塗るこの方法だと、ちょっとはマシになったような気がします。

眉毛の色は、普通に考えると黒なんですけど、しかし髪色は銀&ピンクでもあるし、そもそも普通じゃない人外だし(笑)。キツイ雰囲気にはさせたくなかったので、結局オリジナルの色に従ってピンク掛かったブラウンにしました。

アウトフィットには、予め髪色にぴったりと睨んでいた布で、ローウェスト気味のワンピースを縫いました。黒地に水彩画のようなピンクのバラ柄が大胆に描かれたプリントで、普通に考えれば1/6ドールには柄が大き過ぎますが、こんな装飾の無いシンプルなワンピースでも十分華やかに見える効果はあります。生地もドールにとっては厚めですが、ジャージに近い伸縮性のある不思議な布で、縫いにくくは全くありませんでした。

やはり細過ぎて虫みたいな気持ち悪い上半身がイヤだから、アウトフィットはmomoko DOLL用の型紙で、ボディ・ラインを隠すようたっぷり目にしました。Vネックの襟開きは大き目にした為、時々おっぱいが見えそうに💦💦 


リぺしたドール用の服は、着用に大きく支障がない限り、なるべくリカちゃんかモモコ・ドールのサイズで作っています。その方が後々使い回せて、特にモモコ用なら後で姉に寄付出来るからです。しかし、この服を試しにモモコに着せて見たら、肩が張り過ぎて見え
、正直余り似合っていませんでした~(苦笑)

髪の毛の一部が、長らくエクステに結び付けられていた為に、クセが取れなくなって縮れた不自然な状態です。結局脇の髪と結んで後ろへ回し、出来るだけ可笑しく見えないように工夫しています。

ついでにピンクの斜め前髪も、乱れていたので結び直しました。しかし人一倍不器用な私は、ドールの髪のアレンジとかは悲しくなる程苦手で、その際髪の毛が根こそぎゴソ~っと抜け落ち焦りました。こんな安い中古人形はまだしも、もし高い人形だったら、ヘア・アレンジには手を出さないのに限ると痛感。

謎のヘッドドレスは、金属パーツ二つを組み合わせた物。ポンドで接着すらしておらず、両面テープで貼っただけです()。頭上で安定が良いよう、パーツにワイヤーを通してカチューシャ式にしています。

撮影中に気付きましたが、このドールの場合、現在の西洋の廉価版人形の一般的な仕様と違い、腕と脚の付け根が球体関節ではないので、左右には開かずに前後にしか動かない為、可動域が極めて狭いボディだったのです。

手の平が大きい上に指が広がっているので、向かって肘の曲がっている左手は、腰に引っ掛かり背中側に回す事さえ出来ません。兎に角身頃に対して手の平が大きい為、袖口だけでなくアームホールすら通すのが一苦労です。

しかし、膝はジョイント式で曲がるので、椅子に座らせる事は出来ます。

カスタム作業中は、やはり顔と体付きがどうにも気持ち悪く、アウトフィットは作り辛いしで、例え今後モンハイの中古人形に再び出会っても、二度とリぺに手を出す事はなさそう…と思っていました。しかし最終的に服を着せて撮影してみると、不思議な物で結構面白いかも!と実感。彼女なら、和服も似合そうなどと想像してみたりもしました。

モンスター・ハイは、以前日本の子供番組内で「こわイケガールズ」と言う凄いタイトルのアニメとして放送されていたせいで、日本での知名度が結構あるのが意外でした。そのアニメは本国版と違い日本独自に制作された為、見た目のグロさが大幅に緩和され、キャラクター達は少しだけ人間と違う(笑)JKとして描かれて親近感があったようです。とは言えドール自体が日本で売れたかどうかは疑問ですが、少女達に浸透するのには一役買ったはずです。

 

 


0 件のコメント: