2022/07/22

さらば、地味な服

このドール服は、何年か前に姉が私用に贈ってくれた、インド木綿のスモック風ブラウスの袖部分から作りました。SM2と言う私が長年愛用しているブランド製なのですが、一目見て「…うっ…地味!!」と思うブラウスでした。こんなばあちゃん色、イギリスでは実際のおばーちゃんですら着ませんよ。着るとしたら、厳格なインド人かやや厳格なムスリム女性位かなあ(※最も厳格なムスリマは無地黒尽くめ)。

一応試着した写真も姉に送り「良かった。似合ってるじゃん」と言われましたが、自分では正直似合ってるとは思えず、P太からも「今日の格好は君にしちゃやたら暗いねえ」とか怪訝そうに言われる始末。出来るだけ明るい色と組み合わせてみたりもしましたが、やはり地味さは回避出来ず、着る度に気分が沈む程地味でした。元々長袖でトップで柄物だから、合わせるにしてもボトムの派手さなんて限界があり、鮮やかな色や柄とコーデするのが非常に難しかったのです。色柄だけでなく、形は全体的にぶかっと大きく、首が詰まっていて自分の短い首が益々短く見え、更にひらひらなフリル袖が家事の邪魔で実用にも不便でした。そもそも秋・冬・春服としては生地も極薄で、例え重ね着しても寒くて着る気がしませんでした。


折角プレゼントして貰ったけど、何度挑戦しても上手く着こなせず、もう処分するしかないかと思っていました。が、捨てる位ならと、いっその事袖をちょん切って半袖にリメイクしました。ついでに、即効猫の玩具になりそうな、でっかい房の付いた首元の結び紐も切り落としました。元々薄手の肌触りの良いインド綿だし、大きさ的にゆとりもあるので絶対涼しく、狙った通り夏服としては着心地抜群に生まれ変わりました(やっぱり地味だが)


それで、切り取った袖は早速ドール服に再利用しました。人間の服をドール用にリフォームする際、必ずしも縫う箇所が少ないからラク~…な訳ではないんです。そのままの形を生かせる機会って実は中々なく、単なる平面の布で一から作る方が簡単な場合もあります。この袖は、フリルに相当ギャザーが寄ってボリュームがあり、ゴムを抜いても伸縮のあるシャーリングが寄っていたので、ドールのスカート部分として利用するのには、それなりにパターンの工夫が必要でした。


元々マキシ丈の予定でしたが、思いがけずフィッシュテイル(背面の丈が一層長い)気味に仕上がってしまい、ある程度ヒールのある靴を履かないと裾が地面に付きそうです。


肩のストラップは、元はネックの結び紐だった部分を利用出来て楽ちんでした。


1/6サイズのドール用としては大柄になったはずだし、更に出来るだけ濃い顔のモモコさんにモデルになって貰い、地味さは幾らか和らいだかも知れません。が、それでもやっぱり、かなり渋い柄だと思います。


時々ネットで「(日本での)この季節のお勧めコーデ!」とかの記事を一応眺めるのですが、うわあ何て気が滅入る程地味なんだと思う組み合わせばかりで、感覚がこちらの多様性に慣れちゃったのかも知れません。日本に比べると、人種や宗教、髪色&肌の色、体型からして様々だし、日本人程流行に左右される事もなく、頑なに自分の主張を貫き、ファッションのテイストや色彩、季節感も、人に寄って実に好き勝手です。衣料店は全国何処へ行っても同じチェーン店ばかりで、売っている服も同じようなデザインばかりだから、派手でも個性的でもないにせよ、何故か地味と言う感じはしません。下着丸出しや露出の多さには辟易しますが、少なくとも他人の目を気にせず服装を楽しんでいる自信のような、あっけらかんとした明るさは感じられます。

一方イギリスの10代の若者は、相変わらず黒尽くめやスポーツ・ブランド一辺倒の、無個性なつまらない格好をしています。しかしヘソ出しだったり、衣服の意味がない程ダメージドだったり、短過ぎるショートパンツで半ケツ見せ、下半身はレギンスのみの下着の線と尻の形丸見えだったりで、ある意味地味とは掛け離れています。

 

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