パニエ、即ちスカートの下に履く、スカートを膨らませる為の補強下着です。因みにpanier=パニエは鳥籠を意味するフランス語で、イギリスでは単にpetticoat ペチコート(の一種)と呼ばれています。昔のパニエは、木や籐、鯨の鬚等で枠組みされており、本当に鳥籠状態だったようですが、現在のパニエはチュール等の張りのある化繊素材で出来ていて、時に裾にワイヤーが入っている程度です。ドール服としては度々お世話になるものの、実際の人間用のパニエとなると、日本ではロリィタ・ファッション愛好者位にしか馴染みがないかも知れません。ところがイギリスでは、割と見掛けるアイテムなのです。こちらのフォーマル・ドレスと言うと、1950年代風の肩の開いたチューブトップに大きくスカートの広がったタイプが王道なので、それを着用する際に需要があるのかも知れません。そんなパニエが、地元のチャリティショップで5ポンドで売られていたので、自分に履く機会があるとは思えないものの、好奇心に逆らえず買ってみました。
そのお店では、この純白と真っ黄色の二枚のパニエが販売されていましたが( 同じサイズだったので同じ人が寄付したのかも知れない)、やはり何にでも合わせ易い無難な白の方を買いました。素材はウェスト部分がトリコット、スカートは厚手のオーガンジーで、三段ティアードの二枚重ね+ポリエステルの裏地一枚と言う構成になっています。オーガンジーがゴワッとしていて、素足だと正直肌触りが良くありません。そしてスカートのボリューム・アップの為の下着なだけに、パニエ自体のボリュームもやはり凄くて、クローゼットに押し込むのが大変そう(笑)。
最近は、パニエを下着としてではなく、チュール・スカート代わりにアウターとして履き、ブルージーンズ等の上に重ねる着方もあるそうですが、それは流石に上級過ぎるなあ。実際に履く機会はなさそうと書きましたが、一応私でも1950年代風のフォーマル・ドレスは持っているんで、頭にはファッシネータ―を合わせ、人生で一度位はそんな仰々しい正装をしてみたいと目論んでいます。そしてこれを持って家に帰った時、スカートには拘りのある男P太に見せたら「面白い!」と言って盛り上がったので、やはり買って正解でした。
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