2024/08/26

パール・ホワイトのエナメル花ブローチ

 


毎週末行くフリーマーケットで、中古アクセサリーだけを大量に販売しているストールが度々出店しています。テーブルに並べているのもあれば、地面に広げたシートの上に雑多に山積みもされています。一個どれでも1ポンドで、今時のファースト・ファッションの製品もあれば、半分位はビンテージも混じっています。ただし、ビンテージ・ジュエリーは大抵石が欠けていたりと難有りです。毎回一応チェックしますが、まだまだ段ボール箱にドッサリ仕舞ったままの物も沢山あるようで、毎回見た事のない製品に出くわします。そのストールで今回は、私の好きな1960年代のエナメル花ブローチを見付ける事が出来ました。

くすんでいますが、元の花びらの色はパール掛かった白だったようです。生憎このくすみは、家に帰って拭いても落ちませんでした。中央の蕊部分は単に穴が開いていただけでしたが、手持ちのビンテージのラインストーンを自分で貼り付けました。

エナメルが剥げ掛かっていますが、一応小さな葉も付いています。

私の求めるポップさには多少欠けますが、花びらの縁に切り込みが入った立体感の面白さ、花びらの並びがどれ一つとして対称ではない、規則性のないデザイン性の高さは中々。造形的には、このブローチに似ています。一方、好みのレトロ・ポップな花ブローチは、アメリカが本場だったようです。イギリスで見掛ける同時代の花ブローチは、カラフルなエナメル塗装彩色は無く、地金の色そのままと言うのが多いように思います。




2024/08/25

マーゲートのギリシャ・ベイカリー・カフェ

 

昨年の夏に初めて訪れたケント州の東端Margate マーゲートへは、突如行く事を思い付いた為、昼食用のお弁当は用意していませんでした。そこで、町へ到着するや否や、何処かでお昼御飯を取らねばなりませんでした。

何の前情報もありませんでしたが、駐車場を探して町中をぐるぐる回っていた時に、人気で混んでいるし美味しそう!と目を付けておいた、カフェにもなっているギリシャ・ベイカリーへ入る事にしました。

イギリスにはギリシャからの移民も多く、ギリシャ・レストランなら幾つか見掛けた事はありますが、ベイカリーを見るのは初めて。店名を「Olimpia Bakery」と言い、長年地元民に愛されている家族経営のお店のようです。

ギリシャ独特らしいお菓子もあれば、トルコ等の東地中海一帯で食べられているお菓子も並んでいます。

東地中海のお菓子は、バクラヴァのように、フィロ(ファイロ)と言う春巻きの皮より薄いパイ生地を使って焼き上げ、甘~いシロップをたっぷり掛けた物が多いようです。

焼き菓子類が、目移りする程実に豊富。

これは、もしかしたらこの店独自の名物お菓子なのかも知れません。デーツのようなドライフルーツを、チョコレートでコーティングしたように見えました。 


イギリスでは貴重な、フランス風の繊細な見た目のケーキも並んでいました。

甘物にも大いに惹かれましたが、私達は昼食に来たので、しょっぱ系のペストリーを注文。店内には、バゲット類のサンドウィッチも用意されています。

こちらは、ギリシャらしいフェタ・チーズとホウレン草のパイ。

そして、フェタとチキンのパイの二種を選びました。イギリスのケーキ屋やパン屋に多いイートイン追加料金もなく、温め直してからテーブルに運んでくれました。

半分に切って、それぞれを食べました。辺り一面パイ皮を飛び散らかしましたが()、思った程脂っこくはなく、塩梅も丁度良く美味でした。飲み物は私はカプチーノを注文しましたが、これまたイギリスとしては奇跡的に「ちゃんと美味しい」コーヒーでした。

イギリスで軽く、美味しく、安く(と言っても日本と比較すると決して安くはないが…)、尚且つある程度は健康に悪そうではなく、衛生的に快適に昼食を取るとなると、物凄く難しいので、この店は貴重な存在で気に入りました。

 

 


2024/08/23

キルト柄のサマー・ドレス

 

数年前にフリマで一枚5ペンスで買った端切れの中には、柄のボーダー部分だけを予め帯状にカットしている布も混じっていました。その内の一枚が、この中々可愛いキルト柄。ドール服に生かしてはみたいものの、幅は56㎝程度しかない為、せいぜい二段に繋げてティアード・スカート位しか使い道はないと思っていました。しかし他の布と組み合わせれば、作れるアイテムの幅が広がると思い立ち、夏用のツーピースに仕上げてみました。

カントリーな雰囲気に合わせて、同系色の紫のギンガム・チェックを組み合わせてみました。

キルト柄が1/6ドールにとっては相当大きいから、柄が映えて分かり易いデザインを一応心掛けました。

実はキャミソールとスカートは帰国前に作成し、イギリスに戻って来てからギンガムと合わせたトップをもう一枚作ろうと思っていました。キャミはどう見ても夏向けなので、もう一枚のトップは長袖か七分袖の秋・冬向けにするつもりだったのですが…、

…日本から戻って来た時には、その事はすっかり忘れてしまい、気が付けば半袖で夏向けトップをもう一枚縫ってしまった💦

まあ重ね着すれば秋冬服にはなるのですが、やはり色や柄的には夏のイメージの方が合うかなあと。

こちらのトップは柄だけで相当賑やかなので、レースやリボン等の装飾は省きました。

背面は、キルト柄の布ではなくギンガム生地にしています。

勿論アンサンブルとして一緒に着なくとも、上下それぞれに他の無地服を合わせても良いのです。

複数のドールにモデルになって貰えば双子コーデ、いや三着分あるので三つ子コーデになるはずです。

パンツとコーデすれば、また雰囲気が少し変わって見える気がします。





2024/08/22

アートとビンテージの海辺の町マーゲート 1

 

昨年の夏、実際には雨が降っていなかったのにも関わらず、天気予報では早くから雨天とされていた為、フリーマーケットの中止された日曜日がありました。「週末で天気もそう悪くないのに何処にも出掛けないのは勿体ない」と、我々は急遽出掛ける事にしました。選んだ目的地は、ケント州のほぼ東端の海辺の人気のリゾート地Margate マーゲート。この町は芸術とビンテージの町としても知られ、古物番組にも度々登場します。それで、きっとブライトンを少し小さくしたような、お洒落でアーティスティックな町だと想像していました。ところが私もP太も、子供の頃に浜に遊びに来たとか車で通過しただけで、今まで意外に一度も「ちゃんと」マーゲートを訪れた事がありませんでした。

まず町へ入る直前に、大きなアンティーク・モール…と言うかセカンドハンド屋を見付けて、唐突に立ち寄る事にしました。

元教会の建物を利用したアンティーク・モールは良く見掛けますが、こんな戦後の比較的新しい建物のは初めて見ました。十字架が見えなければ、体育館か催事場のホール(教会も集会場には違いないだろうが)に見えます。

中は、家具類がほとんどでした。

この1950年代のガスコンロ台は、赤が利いて絵になる可愛さ。

我々の興味を引く商品は無さそうに見えましたが、P太はここでイギリスでは貴重な超軽量の折り畳み傘を2ポンド位で買いました。天気の変わり易いイギリスでは、折り畳み傘は必須アイテムで、折り畳み式じゃない傘より断然多く売られているのに、軽量で機能的ってのは中々見当たりません。

続いて、マーゲートの街にやって来ました。ブライトン同様に駐車しにくい町かと思いきや、中心部からそう遠からぬ住宅地に無料で駐車出来ました。

アートの町らしく、一般住宅の外壁を利用した壁画をあちこちで見掛けました。

マーゲートの商店街を通りながら、海岸に向かって歩きます。まず目に入ったのが、この大きなヴィクトリア時代の建物。「The Man of Kent」との文字があります。

お茶を飲む&運ぶ中国人を描いた壁画があり、もしかして元々は茶葉の貿易会社だったのかも、と思いました。

目抜き通りを歩くと、空き店舗が目立ち、人気の観光地らしからぬ正直寂れた雰囲気が漂っています。ブライトンのようなお洒落な独立店もなく、イギリスの他の中規模都市同様に在り来たりのチェーン店ばかりで、勝手に思い描いていたのとは随分違う様子です。


しかし日曜日なのに、チャリティショップの多くは開いていました。今時のチャリティ屋は、元がタダの寄付品とは思えない程値段が高めですが、この町のチャリティ屋の値段は全体的に安いのには驚きました。

とあるチャリティショップでスタッフ達の話を聞いていたら、最近テレビを万引きされたとの事です。チャリティ屋から盗むなんて世も末ですが、返って元がタダだからと心置きなく盗むのか?? チャリティ屋の価格設定の低さからも、この町、明らかに経済状況が悪いんだな…と感じました。




2024/08/21

スポードのミニチュアC&S

 

その日のフリーマーケットは、前々から快晴と予報されており、月初めな上に前週は中止されていた為か、久々の出店数満員の大盛況でした。ところが、私には心躍るような嬉しい収穫の出会いはありませんでした。出店数が少なければ収穫の確率はやはり落ちますが、例え出店数が多くとも、必ずしも収穫に恵まれるとは限らないのがフリマです。そしてそんな時こそ、普段なら見送るはずの実用性もないアイテムに手を出し勝ちです。

その日は、地元ホスピス系のチャリティショップの出店ストールで、陶器製のCS(ティーカップとその受け皿)のミニチュアを幾つか販売していました。チャリティショップの出店は、フリマでは良く見掛けます。今時のチャリティショップは、元が只の寄付品とは思えない程の価格設定の高さですが、フリマでのチャリティ屋は、値段は一般のストールより概ね安い程です。その中で、一際愛らしいデザインのCSを買いたくなりました。値段は50ペンスでしたが、もし一般路面店のチャリティ屋なら3ポンド位で売られていた所でしょう。

イギリスの古窯Spode スポードの製品ですが、製造年もデザイン名も分かりません。但し子供のおままごとセット用ではなく、元々大人のコレクション用に単独で作られたのだと思います。

お皿の直径は約5.5㎝、カップの口径は4㎝弱。透ける程薄いボーンチャイナで出来ていて、技術の高さが伺えます。軽く指で弾くと、心地良い高い澄んだ音がします。

絵柄は可憐な野の花。単なる転写ですが、中々緻密なプリントです。縁には金彩が入り、イギリスのビンテージ食器らしさが凝縮されています。

1/6サイズのドールには大き過ぎますが、もう少しスケールの大きな抱き人形とかには使えそう。しかしあえて人形の小道具として使わず、そのまま飾って眺めるだけでも、十分愛らしいアイテムだと思います。