昨年の夏、遺跡好きとしては一度は行ってみたいと長年思っていた、イギリスを代表する鉄器時代の要塞遺跡の一つBritish Camp Hillfort ブリティッシュ・キャンプ丘砦を訪れました。
要塞遺跡から、南側の尾根のノルマン時代の城が立っていた部分に降りてみました。
要塞遺跡の土塁や溝の構造を地上から眺めるのには、この南側からがベストなようです。
東側には、貯水湖があります。
その脇に見える教会のような搭は、Little Malvern Prioryと呼ばれる修道院(の残された付属教会)。
このすぐ北の教区教会の墓地に、作曲家エルガーが妻と娘と共に眠っています。彼こそは大聖堂どころかウェストミンスター寺院に埋葬されるのに相応しい人物だったのかも知れませんが、先に亡くなった愛妻の隣に葬られるのを望んだようです。
東の向こうには、コッツウォルズ丘陵地帯に挟まれたセヴァーン河畔の谷が広がっています。谷とは呼ぶものの、平原並みの広さです。
南には更にモーヴァン丘陵が伸び、細い尾根道が続いています。Hangman’s Hill と呼ばれる場所がある事から、絶対に絞首刑場だったのに違いありません。
更にその先に、Midsummer Hillと呼ばれるもう一つの要塞遺跡があります。こちらは、土塁が余りはっきりしていないようです。
ここから南西には、巨大なオベリスクが見えました。イギリスでは見晴らしの良い丘の頂上に、良くこう言った記念碑を主に戦争慰霊として建てます。このオベリスクは、ナポレオン戦争時代に近くの城に住む伯爵が、自分の息子の死を悼んで建てた物だそうです。コッツウォルズ産の石灰石で出来ていますが、中は空洞だとか。
その伯爵の城が、このEastnor Castleです。入館料約16ポンドで一般公開もされています。
西側の眺め。
この丘の北側には、鉄道も通っています。
北側の空を見上げると、つい先程までは全くなかったのに、夥しい数のハンググライダーの数! 接触して事故にならないのかと、不安になる程です。日本よりアウトドア人口が遥かに高ければ、ハンググライダー人口も高いイギリスです。
去り際には、少し雲が多くなって来ました。
「モーヴァン丘陵地帯の旅」とは題打ったものの、実際にモーヴァン丘陵自体をトレッキングしたのは、今回これだけでした。しかし登るのには丁度良さげな標高で眺望はばっちりだし、ブルーベルの開花時期には西側の斜面が青紫のカーペットで覆われ見事らしいので、また訪れて歩き廻ってみたいと思います。
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