2025/09/13

モーヴァン丘陵地帯の旅 要塞遺跡ブリティッシュ・キャンプ 1

 

昨年の夏の私達夫婦のMalvern Hills モーヴァン丘陵地帯の旅の二日目は、朝から理想的な快晴でした。この日の予定は、まず午前中に丘陵の中の鉄器時代の要塞遺跡British Camp Hillfort ブリティッシュ・キャンプ丘砦を訪れる事です。宿泊したLedbury レッドベリーからブリティッシュ・キャンプに向かう途中、既に丘砦以外何物でも無いでっせ!と主張する独特な形の丘が聳え立つのが見え、道路脇に駐車して写真を撮りました。

遺跡の全貌を見渡すのには、航空写真やドローン以外は中々難しいのですが、麓から肉眼でもこんなに階段状の要塞遺跡らしく見る事の出来る機会は中々ないと思います。 

 

イギリスに鉄器時代の丘砦跡は五万とあれど、このブリティッシュ・キャンプはその名の通り、イギリスを代表する鉄器時代の丘砦の遺跡の一つなのは間違いありません。 

県道クラス道路B4232号線が国道クラスA449号線に交わる、峠のような場所に登山口と専用駐車場があります。ここにはパブ兼ホテルとカフェもあり、トレッカー、サイクリスト、バイカーに大人気のようです。その割に駐車場は狭く、午前中でも既に空きがほとんどなく、やっと一つだけ確保出来ました。駐車料金は一日一律6ポンドと高目ですが(※午後6時以降は安くなる)、同日内ならモーヴァン丘陵の他の駐車場と共通だそうです。

まず、こんな森の中の遊歩道を登って行きます。結構急な坂道ですが、整備はされています。

すぐに視界が開け、要塞遺跡の頂上が見えました。

頂上近くは、こんな石段になっています。

麓からは凄く高く聳えて見え手強い登りに思えましたが、故郷の城山を登るのに比べたらずっとラクチンでした。 

遺跡の頂上からの、モーヴァン丘陵の眺めは勿論抜群です。 

丘の名前は、右(南側)からBlack HillPinnacle Hill。更にこの左()に、Jubilee Hill、Perseverance HillSummer HillWorcestershire Beacon(最高峰で海抜425)Sugarloaf HilNorth HillTable HillEnd Hillと続きます。

要塞遺跡のすぐ北側に在る半島のように飛び出た場所には、かつてHerefordshire Beaconと言う狼煙台が立っていました。Beaconは、今でもイギリス中に残る地名です。地形にも寄るでしょうが、昔はシャー(シャイアー)に最低でも一つは狼煙が設けられていたのかも知れません。

反対の南側の尾根には、ノルマン時代の城が立っていたそうです。鉄器時代の要塞遺跡に良くある事で、その次の古代ローマ時代、サクソン時代、ノルマン時代と、眺望の利く立地は軍事的に重宝され利用されて来ました。

こで良く見掛けた植物は、まずサワギクの一種のRagwort 。イギリス中で見掛ける毒草ですが、鮮やかな黄色で目立ちます。オレンジと黒の縞々の芋虫が、良くたかっています…。

この季節あちこちで見掛けるWillowherb オオアカバナ。種が綿毛状でタンポポのように飛び、庭に生えると厄介な雑草ですが、野生で群生するのは遠目にも結構映えます。

草地の合間で、嫋やかな茎が可憐に揺れるHarebell イトシャジン。

野鳥はカラスばかり見掛けましたが、ここのカラスは上昇気流に乗って遊んでいて、そんなカラス初めて見ました。カラスは非常に知能が高いので、楽しみ方を学んだようです。




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