今日は、日本では七夕祭りの日ですね。我が家の鉢植えの小さな竹も元気に育ち、毎年七夕飾りを楽しむ事が出来ます。今年の七夕のドール服は、織姫風の衣装に挑戦しました。
予め織姫の衣装をググって見ると、大体は漢服のような服装が出て来ました。元々中国から入って来た伝説を元にしている祭りなのだから、何ら不思議はないと思います。しかし織姫の服装に正解はないはずなので、結局自分の持っている材料内で作り易いように作る事にしました。
以前リカちゃんに着せた漢服擬きは、出来るだけ華やかに夢可愛い漫画っぽさを目指しました。しかし今回は、余り華美にせず(何せ機織り労働に不向きですし)、どちらかと言えば伝統衣装っぽく、しかしあくまで地味にはならないよう心掛けました。
最初にスカートの裾にオーガンジーのフリルを縫い付けたら、やはりキラキラし過ぎてイメージにそぐわなく見えた為取り去りました。
上衣に使用した細かい葉柄の生地は、チャリティショップで手に入れたコットンで、柄の細かさや密度、均等さ、色味の纏まり具合がドール服にとても役に立ちそうです。洋装は勿論、和装にも合いそうです。
袖口の刺繍テープは、雑多な中古手芸用品とかに混じっていたラッピング用のリボンだったように思いますが、この服には無くても良かったかもと後から思いました。
スカートに使用したのは、随分昔にフリマで手に入れたイギリスのビンテージ生地。ドール服に使うのにはボーダーの間隔が開き過ぎですが、こんな漢服や天平服のスカートとしてはイメージぴったりで使えるだろうと、買った時から思っていました。
袖なし羽織と言うかちゃんちゃんこには、秩父銘仙の古裂を使っています。絹地で着物を縫うなんて初めてでしたが(着物じゃないけど)、その丈夫さと扱い易さに驚きました。
適度な光沢と張りとしなやかさがあり、1/6ドールにとっては普通は大き過ぎる花柄も含めて、正に「華美でも地味でもない」テーマに理想的でした。
今回のモデル人形は、地元のチャリティショップで買ったドールです。値段は3.5ポンドで中古廉価品人形としては高かったのですが、状態は良いし、元々この人形の新品を買おうと思った事さえあった位だからOKでした。
これがデフォ服かどうかは分かりませんが、買った時にはこんな状態でした。ボディはフル可動式で、割とがっちりむっちりな、ウェストもそれ程細くない親しみ易い体型をしています。足の甲は大きく、合うドール靴がありませんでした。膝の関節は、MTMと同じ造り。記されてはいませんが、恐らくマテルで製造しているのだと思います。なので正座も出来ますが、その割に球体式の股関節の造りがヤワですぐに外れます。
元々の髪型は、サイドバングス付きのツインテールでした。二つ分け用に植毛されている為、一般の西洋のファッション・ドールにしては毛量があります。
欧米のドールとしては色白な方で、東洋人らしく黄色味の強い象牙色の肌をしています。
ドール・アイで (何故か寄り目ですが)、クローズ・マウスでリップの色も悪くない、睫毛等のペイントの精度も細かく、割と可愛い顔をしていています。
向かって右目だけ、角度に寄ってホログラムのように輝きます。両方この眼だったら中々魅力的だったはずなのに、単に眼球にプリントを貼り付ける際に、右目にのみ偶然そう言う効果が出ただけのようです。ドール・アイでもヘッドを温めて柔らかくすると目玉が飛び出て改造出来るらしいのですが、今の所このままにしておくつもり。
して、これは何のドールなのかと言うと、ディズニーの「ily 4ever」と言うシリーズの1/6サイズのファッション・ドールです。では、どう見ても東洋人だし、特にこんな格好をさせるとムーランであろうと思ってしまいそうですが、実は「プリンセスと魔法のキス」の主人公ティアナなのです。…いや待て、ティアナがディズニー初のアフリカ系プリンセスだと言う事を専ら売りにしていたのは、映画を見た事のない私でも知っているぞ。
ディズニーの姫人形にも様々な仕様があり、メーカーも数社手掛けており、仕様やテーマを替えて新作を出し同じネタを使い回しています。幼女の姿で抱き人形化した「アニメーターズ・コレクション」もあれば、リアル・アイラッシュのシリーズ、現代のファッションを着たシリーズもあります。
その中でもこれは、ディズニーのヒロイン達を他の人種で表現し、更に現代のティーンのカジュアルな服装をさせて、楽しくディズニーランドへ行く設定にしよう!と言うシリーズのようです。正直最早別人にしか見えず、そのキャラクターでなければいけない意味があるんかいな。
黒人だけどオーロラ姫になりたい、白人でもジャスミン姫を演じてみたいと言う女の子(男の子も)は確かに居るはずで、こう言った着眼点の鋭さや発想の柔軟さは一瞬面白く思えるかも知れません。が、私はディズニーのこう言う勘違い系エシカルの、名作を私物化した所がどうにも好きになれません…。
名作を元にしているのではないディズニーのオリジナルの話であっても、ファンの持つイメージを蔑ろにするべきではないはずです。例えば、「ハリー・ポッター」が舞台化された際、原作者J.K.ローリング一押しの演技力の黒人女優がハーマイオニーを演じ、非常にファンを動揺させました。BBCの人気番組「ドクター・フー」も、脚本家が代わって以来、ポリコレの押し付けが強過ぎるようになって来て以来、話自体が面白くなくなりました。
実写版白雪姫は、実際ポシャッたようです。もしエルサをアフリカ系女優が演じたら、中世の北欧の雪の女王に見えるのか想像してみて下さい。
原作の有色人種設定キャラを実写で白人俳優が演じると(例えばスカーレット・ヨハンソンの草薙素子とか)「ホワイト・ウォッシング」として叩かれるのに対し、白人キャラを有色人種俳優が演じるのはリベラルだから歓迎されると主張するこの不思議。 今までの差別や不公平感を考えれば、そう言う事を念頭に置いて訴え続けるのは大切だとは思いますが、エンタメの内容の魅力が削がれる程押し付けられると逆効果としか思えません。
個人でヒスパニックが白雪姫のコスプレ、白人がティアナのコスプレを楽しむ(でも肌を黒く塗るのはNGなんだよねー)のは一向に構わないんですが、結局それを商品化するのが所詮は強欲な商人でしかないんですよ。
主人公や舞台の設定にしても、話題性の為に様々な実在の国、民族に手を出しておいて、皆一緒くたにアメリカナイズされて他文化を尊重していない所も、返って子供に勘違いを与えてクセ悪いし。
そんなにディズニーはポリコレぶりたいのなら、今度はゲイのシンデレラでも映画化すれば?とP太は言っています。…またしても、全く七夕らしくないロマンのまるでない話題になってしまいました。少なくともこのドールは、着物を始めアジアの民族衣装を着こなすのには、持って来いのモデルだと思います。
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