昨年の夏、夫婦でアンティークの町Hungerford ハンガーフォードへ、久々にアンティーク・モール巡りに行きました。いつも通り真っ先に「ハンガーフォード・アーケード」、続いて向かい側の「エンポリウム」を覗きましたが、未だ結構時間が余っていたので、今まで行った事のないアンティーク・モールを訪れてみる事にしました。
ここは何度も通ったし、古物番組にも度々登場していたので、その存在だけは前々から知っていました。しかし家具や貴金属中心で高級そうに見え、我々の興味を引く商品からは縁遠く思えて、今まで覗いてみようと思った事は一度もなかったのです。
建物からして19世紀どころか恐らく18世紀のお屋敷で、敷居が高そうに見えます。
内部は想像した通り猫脚家具の世界で、まるで場違いな豪邸に迷い込んでしまったかのよう。
どの部屋も、ドラマのセットか実際に人が住んでいるみたいに、リアルに調度が配置されています。
こんなのを置いても邪魔にならないテーブルすら我が家にはないと思える、巨大なエパーン。紫外線光で確認していませんが、ウラン・ガラスに違いありません。
普段私達夫婦が訪れるのは、「アンティーク」モールと言ってもビンテージやコレクタブルズ、ジャンクも多く混じり、玉石混交的な楽しみが味わえるお店ですが、ここは本当に骨董品や工芸品がメイン。
しかし値段の高い骨董品だからと言って、必ずしも趣味が良いとは限りません。
動物の剥製が多いのも、古いお屋敷ならではのセンスだと思います。ところでこのモールで、装飾された本物らしき骸骨が売られていて、流石に撮影するのは躊躇われました。現代の感覚では到底理解出来ない品を見掛ける機会があるのも、アンティークでこそです。
博物館としてなら十分楽しめ、またロリィタ・ファッション等のクラシックな恰好でわざわざやって来て、エセ令嬢気分を味わうのも一興かも知れません。
アンティーク「モール」なので、個人のアンティーク商店と比べれば、実は値段が若干お手頃なのではと思います。それに、お屋敷クラスと言っても上流階級規模ではなく、あくまで中流の中位と言ったところ。 上には上があり、イギリスには城や宮殿級のお屋敷も数えきれない程存在します。
日本風に言うと10~12畳位の部屋が各階四つずつ位ですが、更に納戸か浴室、女中部屋だったかも知れないような小部屋もあちこちにあり、今は商品が詰め込まれて売り場になっています。
また、この主階段とは別に、使用人専用らしき狭い階段も見掛けました。
階段の踊り場にも、商品が並んでいます。
家具ばかりではなく食器やアクセサリー等の小物も扱っていますが、アンティークな上に本物の宝飾品だったり職人に寄る工芸品なので、気軽には買えない値段です。
そう古くなさそうなコスチューム・ジュエリーも、ここでは一際高いような…。
これぞアール・デコ!と思える、見事に洗練されたフォルムのピューター製のティーセット。
フォークロアな木彫のチェストは、もしかしたら中欧の物かも知れません。
思った通り高級な品揃えで、我々には縁がない商品ばかりでしたが、建物自体が面白く、また芸術品としては興味深い品もあり目の保養にはなりました。
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