2024/01/07

餅ブーム、英国到来?

  

新しい味に挑戦するのが好きなハンガリーの友達が、最近オーストリアのヴィーンに日帰り旅行へ行き、大き目のアジア食品スーパーマーケットがあったので立ち寄り、「mochi 」モチを買って食べたら美味しかったと報告してくれました。このモチとは、蒸した餅米をついて形成する主に正月に食べるモチではなく、餅米の粉を蒸して丸めてフィリングを詰めた甘いお菓子系、つまり大福である事はすぐに分かりました。昨年うちの近所のスーパーマーケットにも、「YO! SUSHI」と言う有名なエセ日本食チェーン店レストランの食品カウンターが出来、凄く高い寿司や弁当や売っていますが、その端でデザートとしてモチ、すなわち大福やドラ焼きが売られているのにも気付きました。同スーパーの冷凍食品コーナーには「モチ・アイス」、つまり雪見だいふくのようなアイスも既に数種売られています。このモチ・アイスなら、姪も食べた事があるそうです。

食に対し非常に保守的でアンチ・グルメ大国イギリスでも(ヒドイ言いよう…w)、日本に比べれば凄―く控え目な食のブームが一応あります。寿司は既に何処のスーパーでも売られていますし、ちょっと前までは抹茶ブームで、抹茶味ポテトチップス(うげー)なんてのも売られていたそうです。ここ最近は日本のカレーライスが何故か「カツ・カレー」として人気で、そのカツはイスラム教徒でも食べられるよう、豚ではなく鶏肉なのがこちらの定番です。

地元のアジア食品スーパーには、この通りモチ専用の売り場があります。パッケージにはJapanese 日本風と書いてありますが、全て台湾製です。大抵は直径3cm程度の小さな大福が、610個位で1パックになっています。日本で御馴染みの小豆餡や抹茶味もあれば、苺(ジャム)やブルーベリー、紫サツマイモ、バナナやココナツ、ドリアンなんてフィリングもあります。この他にもこのアジアン・スーパーでは、モチ・アイスが沢山売られています。

ここで時折モチを買っていますが、今迄ハズレた事は一度もなく、どれも結構美味です。一昔前まで台湾のお菓子と言うのは、屋台等で昔からある物は知りませんが、例えばコンビニで売られているような普通の大量生産の板チョコやビスケットは、パイナップル・ケーキ(カロリーメイトの固形タイプにドライのパイナップルの粒が入ったようなお菓子)以外は、微妙な不味さだったと記憶しています。しかし今はどれも安定の美味しさのようで、友達から貰う台湾のお菓子も全て当りです。

この時買ったのは、小豆餡、胡麻餡、ピーナッツ・バター味三種の詰め合わせで、「皇族」と言うメーカーの製品です。 胡麻餡には黒白の胡麻の粒、ピーナッツ・バターにはピーナッツ・パウダー(黄な粉に似ている)が塗してあります。どれも甘さがギリギリで、かなり餅に弾力があります。私もP太も、①胡麻②小豆餡③ピーナッツの順で気に入っていますが、ドベのピーナッツでさえ不味いとか大福に合わない訳では全くなく、充分な美味しさです。

また別の日には、同じメーカーの抹茶、胡麻餡、小豆餡の三種詰め合わせを買いました。胡麻と小豆は上のと被っていると思いきや、こちらの胡麻が塗してあるのは中身が小豆餡で、白いココナッツ塗しの中身は胡麻餡です。正直、こちらの胡麻餡タイプの方が、胡麻の香ばしさが際立って美味でした。一番期待していた抹茶は、緑茶の風味の抜けた二番煎じ以降の煎茶みたいな味がしました。中身は、ナタ豆の餡に抹茶を加えたものだそうです。

また年末にこのスーパーに行ったら、上記の「皇族」のモチは特価になっていた為に全て売れ切れ!  代わりに、「雪の恋」と言うメーカーの胡麻餡のモチを買いました。一応「だいふく」とも日本語で書いてありますが、最早全然大福らしい形じゃない…。P太は「ソーセージ型」と呼んでいました。味の方は、充分美味しく問題無しです。

お餅や大福のようなモチモチねばねばグニグニした食感は、元来欧米の食べ物には存在しません。一度P太の家族に餅(本物の方)をちょっとだけ(貴重だから)試食させたら、和食に慣れたP太とマレーシア出身の義父以外は食用不可能でした。しかし現在これだけモチが売られていて、実際買って行く人結構見掛けるところを見ると、もしかしたら「新食感!」として注目を集め、モチ・ブームが来る(来ている)のかも知れません。

 

 

 


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