4年ぶりの一時帰国を終えて、ようやくイギリスの自宅に戻って来ました。今回は2月から6月までの4ヵ月間を日本に滞在し、その大半を福島県の両親の住む実家で過ごしました。年老いた両親には最早補助や介護が必要で、また実際に父は重病を患っていて余命幾ばくもないと宣告されている為、海外に住む私にとって、両親と揃って一緒に暮らせるのは、恐らくこれが最後の機会になるであろうと覚悟したからです。しかし結婚後これ程長く自宅を離れた事はなく、また元から性格・行動的に問題の多い両親との生活にはたして耐えられるのか、帰国前からビビる程非常に不安でした。が、…そんな覚悟をせせら笑うかのように、実家での滞在は危惧した通り実際凄~く大変でした(笑)。
コロナの感染流行後の初めての渡航だった事もあり、一時よりは規制がかなり緩和されていたとは言え、今迄とは色々と勝手が違う事にも戸惑いました。2月の日本入国時には未だワクチン証明が必要で、これを登録する為のウェブぺージが、いかにもお役所らしくダメダメな造りで呆れました。いつもならイギリスから日本への飛行は12時間程度ですが、今はウクライナやロシアの上空を避けるルートを通る為、それより多く時間が掛かりました。ハンガリー~トルコ~何とかスタンの国々~中国上空を経由し、日本に向かったと思います。世界的な燃料費の高騰に伴い、航空運賃もべらぼうに高いとあちこちから脅されていたからこそ、一度の渡航で出来るだけ長く日本に滞在しようと決心した訳ですが、実際には4年前の前回と大差ない価格で拍子抜けしました。しかし日本の友達に聞くと、やはり皆口を揃えて航空費は今手が出ない程高いと言い、もしかしたらそれは凄まじい円安のせいで、自分はポンドで払ったから、また普通は観光では利用しない一番安い時期を選んだ為、それ程でもなかったのかも知れません。
航空券を予約してからも、未だコロナが勢いを失くした訳では全くなかった為、くれぐれも罹らないよう緊張しました。高齢の両親に会いに行くのに感染していては元も子もありませんし、もし高熱でも出たら搭乗拒否されます。そもそも飛行機の中と言うのが、ウィルス感染にとって非常にリスクの高い劣悪な環境なので、すこぶる不安でした。その頃日系の飛行機ならマスク着用が義務付けられていたと思いますが、私は今回も羽田発着の英国航空(機内マスク着用は推奨するのみ)を利用した為、実際に着用していた乗客は半分以下のほぼ日本人のみに見えました。私の隣の席には見るからに具合の悪そうな20歳代の女の子が座っていて、しかもアジア人なのに背がやたら高く、エコノミー・クラスの狭い座席では到底身体が収まり切れず、何か動く度に私の体に触れて来るので焦りました。飛行機に乗る度に限って言えば、体格が良いのは居心地が悪いのに違いなく、自分は小柄で良かったとつくづく思います。更に、私の席の周囲には非常にうるさいブラジル人のグループ客が座っていて、マスク無しでべらべら喋り捲り、その上何人かはゴホゴホ咳もしているので気が気ではありませんでした。こんな飛行機の中に14時間近く閉じ込められているのでは、健康的に無事で済まされるはずがないと絶望しました。
しかし日本に到着してしばらく経ってからも、自分の体調に異変が現れる事はありませんでした。あの飛行機の中から風邪すら拾って来なかったのは、奇跡に近いと思いました。ところが実は、その後寄りに寄って両親の家でとんでもないウィルスに感染し、一ヵ月近く体調不良でした。
5月になるとコロナに関する日本への渡航の規制が撤退された為、東京周辺では外国人旅行者が顕著に増えたのを実感しました。6月の英国に戻る便の中は、行きに比べて乗客も概ね大人しく、具合の悪そうな人も居なかったので安堵しました。しかしこれまたいつもとは違うルートを通らなくてはならない為、フライトは通常より長く15時間近く掛かりました。BAのエコノミー・クラスは、出発24時間前からのオンライン・チェックイン時に無料で席を選べますが、この僅かの間に希望に合う席を獲得出来るかどうか結構気を揉みます。実際今回は、出発の一ヵ月前から既に通路側の席が残り少なくなっていました。15時間のフライトの一人旅で、もし通路側の席を確保出来なかったら非常に窮屈であろうと心配し、今回は初めて予め通路側の席を購入しておきました。英国行きのルートは、一度アラスカ方面に飛んで日付変更線を越え、カナダ北部の北極圏~グリーンランド~アイスランド上空を通過し、スコットランドからブリテン島に入ると言う、今迄予想だにしないルートでした。今年は梅雨が早く始まった為、東京は既にかなり蒸し暑くなっていましたが、戻って来た時期のロンドン周辺も丁度変わらない程の蒸し暑さでした。帰国時のレポートについては、今後少しずつ書いて行こうと思います。写真は、ロンドン・ヒースロー空港内のハロッズの店内です。
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