フリーマーケットで、デヴィッドソン社のヴィクトリア時代の製品らしい、美しい水色+乳白ガラスのお皿が売られているのを見掛けました。出来れば買いたかったのですが、高そうな上に大きくて重いので、再び見回る時にもし未だ残っていたら買おうと思いました。ところが再びそのストールを覗くと、お皿は既に売れて無くなっていました。いささかガッカリしましたが、それがフリマの宿命です。しかしその後隣のストールをふと覗いた時、一回目に眺めた際には見逃していた、このガラス器が売られている事に初めて気付き、手に入れられてラッキーでした。
同じくデヴィッドソン社製の、後の時代のアール・デコ期に人気を博したガラス器で、通称「cloud glass クラウド・ガラス」や「smoke glass スモーク・ガラス」と呼ばれ、今はコレクターズ・アイテムになっています。もしフリマで安く見掛けたら、いつか手に入れたいと思っていました。値札には1ポンドと書かれていましたが、店仕舞い間際だったので、20ペンスで良いと言われました。
その名の通り、透明なガラス地に、煙のような模様が付けられているシリーズです。この模様は後から彩色している訳ではなく、形成時にインクのような物を生地に流し入れて付けているようです。クラウド・ガラスには様々な色のバリエーションがありますが、この器の場合、ネイビーに近いブルー地に臙脂色の模様が付けられています。この模様付けは恐らく一つ一つ手作業なので、二つとして同じ模様の器は存在しないし、対称的や規則的な模様も一切なく、見る角度に寄って模様の出方が異なり印象が結構違って見えます。
内側は、フロスト・ガラスになっています。そのせいで、煙模様が一層神秘的に見えます。
フォルムは、典型的なアール・デコ時代の直線的な形。縁に幾つか小さなチップはありますが、20ペンスでは文句はありません。
これが本当に花器かどうかは分かりませんが、花を生けると中々様になります。
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