今年春頃にチャリティショップで手に入れた端布の詰め合わせには、このシアン・ブルーのストライプの綿生地も入っていました。この布が目に入った時から、ウクライナ風の衣装にも使ったビンテージの黄色系刺繍テープを合わせて、1950年代調のクラシックなサマー・デイ・ドレスをドール用に作ろうと思いました。
ストライプは、ピン・ストライプもロンドン・ストライプも、キャンディ・ストライプもマルチ・ストライプも、花柄の混じったイギリスらしいウォール・ストライプも、渋い和風の縞も大好き。
こんなにシンプルなパターンなのに、ストライプの布はいつも何かと創作意欲を掻き立ててくれます。
この元気いっぱいで爽やかな、どちらかと言えばスポーティなストライプは、もしパジャマなんかを仕立てたら「いかにも~」なのですが、女性らしい優雅なドレスと言うアンバランスさが、少しだけ新鮮に見えると思いました。
かなり薄くてコシのない生地だけど、裾の刺繍テープとレース・テープの効果で張りが出て、パニエ無しでもスカートがふんわり広がります。
肩紐無しのチューブ・トップにしたので、公の場ではショールかボレロを合わせて肩を隠すのが正式です(守っている女性は余り居ないが…)。レースのショールを羽織ると、たちまちエレガントさが増します。
シンディ人形の女王コス用に、実はレース・カーテンから作ったショールですが、質感が1/6ドール用に丁度良くて巻き易く羽織り易く、一枚あると何かとお役立ちのようです。
タイトルの「シトロンの花咲く処」は、ゲーテの詩の「ミニヨンの歌」の中の「君よ知るや南の国」に続く部分です。「シトロン」はレモンとも訳され、最も有名な堀内啓三訳の歌詞では「樹々は実り花は咲ける」とされています。南国イタリアへの憧れを謳った内容です。
昔のバービー人形のアウトフィットにもあったような、細い身頃と大きく広がったスカートの、フェミニンな魅力に溢れた50’sのドレス。適正な型紙さえあれば最も簡単なドール服の一つですが、どんな布で作っても、何度作ってドールに着せても、お人形遊びの楽しさを再認識させてくれるアイテムです。
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