※改造中ののっぺらぼうの人形の写真が含まれます。苦手な方は御遠慮下さい。
ドールのリペイントの練習をするのに、格安の中古人形を新たに買って来るのも良いけれど、先ずは既に持っている、顔がイマイチでモデルとしては使い辛いと思っている人形で試すべきだと思いました。そこで以前、「Moxie Girlz モキシー・ガールズ」と言う名前の1/6サイズのドールを買っていたのを思い出しました。元々カスタム目的で中古としても随分前に購入し、長年手付かずのままでした。モキシー・ガールズは、「Bratz
ブラッツ」や「L.O.L.」人形がヒットしたMGAと言うアメリカの玩具メーカーの人形で、ブラッツの後釜として登場した、10年以上前に販売されていた同じく巨頭系ファッション・ドールです。BBCニュースで売春婦人形とまで称された下品なブラッツに比べると、顔も体付きも服装も今時のティーンらしく随分マトモでした。実写映画化までされたブラッツには及びませんが、1ポンド屋でモキシーのバチモンが発売される程の人気でした。
この白人肌にブルネットの子は、モキシーの中でもLexaと言うキャラ名のモデルだと思います。アイプリを落としてみて改めて気付いた事は、顔型が非常にホームベース型だと言う事。何故こんな顔型にしたのか不思議ですが、アイプリが在った時には余り気にならなかったので、あのアイプリが丁度バランス的に合うようにデザインされていたんだと分かりました。それと、唇の造形だけはやけに凝っていて、縦皺まで再現されています(この皺の塗料は落とし切れなかった…)。
子供に遊び倒された人形にしては、髪質の状態は良かったものの、長過ぎる上に広がり過ぎて、非常に扱いにくい状態でした。それで、思い切ってボブにカットしました。特に脇髪が顔に掛かってウザかったので、お湯パーマを掛けてギザギザ前髪も造りました。良く見ると、元から前髪を作るつもりだったような植毛の痕跡と、短くなり過ぎた前髪らしき物が少しだけ額に残っていました。しかし、二度もお湯パーマをしても中々前髪がまとまらず、最終的に水で薄めた木工用ボンドで固める事に。結果、非常にちびまる子ちゃんな髪型になりました~。まあこれはこれで、髪色と共に日本人には馴染み易い雰囲気と言えばその通りです(笑)。
眼の部分に型押しがなくて平坦だから、どんな瞳にも改変出来ると思いきや、この唇のリアルさとホームベースの顔型から、アニメのような丸く大きなウルウル可愛い瞳は全く似合わず無理だと思いました。日本のアニメのキャラって、大抵口は最小限しか表現されておらず、アゾンのアニメ系のドールも、口の型押しはなく小さくプリントされているのみです。それに対し西洋文化では口の表現は重要で、このコロナ渦中もマスクが中々定着しなかった理由の一つは、その為だとも言われています。目のデザインをどうするかしばらく考え、最終的にオリジナルの横長吊り目のイメージを残しながら、自分の描き易いように変えて描く事にしました。少なくとも、鼻近くまで食い込んだ目じりと、ウニのような睫毛は嫌でした。一応テーマは、ゴスロリが似合いそうなアジア系少女を目指す事に。黒髪に紫系の瞳で挑戦してみました。
眼の部分は凹凸がなく平坦だから描き易いと思いきや、水平には結構急なカーブになっているので、線対象に同じに揃えるのが大変でした。Boxy Girlsの広くて四角く薄っぺらい顔型が、リぺには非常に有難いキャンバスなのが良く分かります(笑)。最初このようにリぺしましたが、苦戦した割に納得が行かず、どうにも服を作って着せたくなる雰囲気には見えませんでした。吊り目に更に上目遣いと言うのが、流石に根性悪過ぎてサイコな少女のよう。
更に描き直し、最終的にこうなりました。全部を描き直すのは面倒だから、除光液では落とさず、あろうことか虹彩部分のみを削り取りました。
その後再び下地剤(ジェッソ)を塗ってから彩色した為、表面がぼこぼこガビガビです(苦笑)。
最初の予定通り、ゴスロリ風のアウトフィットを作って着せました。「ゴス」程の毒気は全くないので、単なる黒ロリかな。
巨頭系ですが、元々ボディのバランスは中々良く出来ています。ただ手がぽってりしていて子供っぽい造りな為、全体的に大味に見えてしまいます。現在のアメリカのファッション・ドールは、大抵ボディに直におぱんつらしき物が型押しされているだけで、布の下着は省かれていますが、この人形の場合、ちゃんとパール・カラーで彩色されてぱんつらしく見える点はマル。
身長は約25cmですが、身頃サイズはどちらかと言うとリカちゃんに近く、言わばリカちゃんの手脚を長くした感じ。この服も、リカちゃんの型紙で作っています。
現在のアメリカ・デザインのドールに良くある可動域で、腕は曲がらないけど腕脚は開脚出来、首は少し傾ける事が出来ます。膝はクリック式に二段階に曲がります。
手は大きくて開いているので、袖ぐりやカフスは大き目に作る必要があります。あと、頭の大きさに対して首が短い為、襟の詰まったデザインや膨らみ袖は余り似合わないようです。
指の先には爪もわざわざ型押しされていた為、マニキュアも塗ってみました。
仕上がってみたら、スカートの膨らみがロリィタ・ファッションとしては全く足りかったので、急遽パニエを中に履かせました。
Bratzと共に、この手の人形の中古を選ぶ際に重要なのは、足が残っているかと言う事。足先に靴が直にプリントされ、靴を替える際は足首ごと外す為、子供が遊んでいる内に非常に失くし易いのです。しかし、そんな足の無くなった状態でも、チャリティ屋やネットオークションでは売るのです。因みに、以前フリマでBratzの靴(足先)だけが幾つか売っていたので、買ってモキシーに履かせようとしたら、穴の大きさが合わなくて嵌らなかった…。この頭の大きさには、この足の大きさでバランスが良いようにも思いますが、靴下やタイツを履かせられないのはコーデ上の難点です。
この人形は、元々は黒とピンクのコンビのストラップ靴を履いていましたが、ゴスロリに合うように全て黒一色に塗り潰しました。その後、コーティングの代わりにパール入りのアクリル・カラーを薄く塗っています。ロリィタにしては靴が地味過ぎる為、せめてもとアンクレットのようなリボンを加えています。輪状に留めた物を、しゅぽんと脚を外して嵌め込むだけです。
前髪の落ち着かないのが未だ気になりますが、自分好みの服装はさせたくなる、ちょっと面白い人形には変わってくれました。
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