2022/08/13

ビンテージの大判ハンカチ三種

 


いつも行くフリーマーケットで、古い布小物を沢山売るセミ・プロらしきストールがありました。其処のビンテージのハーフ・エプロンは、一枚1ポンドと言われ、染みが多くて状態が良くない割に高いなと思い見送りました。しかし大判のハンカチは、状態も良く一枚50ペンスと言われたので、ドール服の材料用に三枚買いました。

現代はハンカチと言うアイテムがとんと売られていない、更に持っている人も見掛けないイギリスですが、大判のハンカチはビンテージでも珍しいと思いました。バンダナと言うか、スカーフ代わりに使用されたのかも知れません。

全て196070年代の製品のようです。まず一枚目は、マリー・クワントのような花柄×緑と紺色の組み合わせ。オレンジと緑(黄緑)なら、いかにもこの時代らしい色合いですが、この緑と紺も、時代らしさを良く伝えていると思いました。花柄も細かくて扱い易く、レトロで魅力的なドール服が作れそう。

二枚目は、黄緑に近い緑色がメインで、これまたビンテージらしさが良く出ていると思いましたが…、後から気付いた事には、ハンカチの縁をドールのスカート等の裾と見なした場合、花の向きが天地逆になってしまうんです。しかし、単にハンカチとしてなら、柄の構成は十分素敵です。

最後の一枚だけ、コットン100%ではなく、レーヨン、またはレーヨン混のようです。これもビンテージらしいオプティカル柄と言えばそうですが、何となく和風っぽくも見え、昭和の風呂敷を連想させます。こちらもドール服を作った場合、結構面白く仕上がるのではと期待しています。

 

 

 


2022/08/12

百日紅

 

「百日紅」と書き、「さるすべり」と呼びます。その名の通り、否応なしに目を奪われる、鮮やかな濃いピンク色の花が長期間咲き続ける、日本の盛夏を象徴する樹花です。耐寒性がイギリスではギリギリだそうで、こちらでは未だ見た事がありません。読みは、幹の樹皮が非常に滑らかで、木登りの得意なはずの猿でさえ滑りそうだから。

私が育った家の庭に百日紅の大木があり、木登り上手なはずの友達が一度その木から滑り落ちたので、「猿滑り」と言うのは本当だな…と妙に納得した物です()

この花柄生地は、春頃チャリティショップで手に入れた端布パック(物凄くお役立ちで本当に買って良かった♡)の中の一枚で、晒のように目の粗めの薄手の生地です。プリントがピンク系の花と言うだけで、全く百日紅モチーフではありませんが、百日紅が咲く頃のお出掛けをイメージして、リカちゃん用に浴衣を縫ってみました。

モデルは、リカちゃんキャッスル2013年シンボル・リカちゃん。和装をさせるのは、バラ柄の振袖に続いて二回目です。私の持っているリカちゃんの中では、写真写りが最も良いべっぴんさんの一人です。

しかし、ドール収納ケースに寝かせて保管していたら、ボリュームあり過ぎの髪が崩れて来ました。それでディスプレイ・ケースに立たせていましたが、当たり前だけど崩れは崩れたまま。一度、ちゃんと気合入れて整え直さないと駄目ですね~。ボリューミー&カーリーな髪型のドールって、どう保管するのが適切なのでしょう??

帯は、雛祭りの着物からの使い回しです。手持ちの帯を幾つか合わせてみて、最終的に同系色で纏めるのが一番しっくり来ました。

ヘッドドレスはどうしよう、何か必要だろうかと考え、オーガンジー・リボンの花で、まずカチューシャ式等の三種類を作ってみました。しかし髪型そのものが十分華やかな為、ゴージャス過ぎるタイプの髪飾りは浴衣にそぐわず、結局ワンポイントだけとなりました。

バッグは、会津木綿の縞にレザーのハンドル。

浴衣でも、祭りではなく夏のお出掛け用と考えた時、人形ながら着付けが難しいと思いました。身丈は心持ち短めにしましたが、カジュアルに偏ってもフォーマルに偏っても納得できず、これでも着物素人なりに色々考えました。


2022/08/11

オールド・プラスティックのボタン二種

 

毎週末行っているフリーマーケットで、古い手芸用品を中心に売っているストールに出会いました。フリマでは良く有る事で、故人の家族の所有品を処分しているようでした。その手芸用品は生憎ニット関係が多く、布類はありませんでしたが、古いボタンを同種毎に台紙に留め付けて安く売っていました。概ね現代の物と変わらないプラスティック製ボタンばかりでしたが、中にはかなり年季の入ったボタンもあり、二種類で50ペンスで買いました。


その内の一種類はこれ、鼈甲色に変色したプラスティック製のブローチです。検査剤を持っていないので確かではありませんが、恐らくアップルジュース色に育ったベイクライトではないかと思っています。彫り模様は多分手作業。直径3cm位の、大き目のボタンです。

もう一種類も同様に、かなり変色している樹脂製なので、最初はベイクライトではと思いました。

が、良く確認すると、べこべこな薄さです。丁度金属の土台を薄い樹脂が包むような仕様で、多分セルロイド製ではないかと思います。どちらのボタンも、素材と仕様と意匠共に現代の製品にはない、年月を経た物だけが持つ味わいがあり、まるで服飾史の一遍が垣間見えるようです。

 

 

2022/08/10

ターコイズ風カボションとフィリグリーの花束風ブローチ

いつも行くフリマで、中々良さげなビンテージ・ジュエリーを幾つか販売しているストールを見掛けました。売り主の男性に値段を尋ねると、どれも一つ3ポンドと言われ、正直少し高いなあと思いました。未だフリマを見始めたばかりだった事もあり、その時は見送りました。最後にそのストールを再び訪れ、一番気になっていたこのブローチの値段を、既に店仕舞いを始めていた女性の売り主に聞くと、2ポンドとの事で即座に買いました。

アール・デコ時代のチェコスロヴァキア製のフィリグリーのブローチが好きで、今までも度々買っていますが、これはその中でも今まで見た事のない珍しいデザインだと思いました。その時代のフィリグリーのブローチと言えば、点対称型、または線対称の円型や楕円形等が多いのですが、これはそのどれでもなく、初めて見た花束のような形をしています。全体的にすらっとした縦長のフォルムで、洗練された大人っぽさがあります。

型押しの透かし金具を葉に見立て、ガラス製の水色のマーキス型カボションを花に見立てています。このトルコ石風に模様を付けられたカボションも、変わっていて印象的です。