好きで何枚か集めている、第一次世界大戦時にフランス駐屯のイギリス人兵(カナダやアメリカ兵も含まれたらしい)が故郷の家族や恋人、友人宛に送る為に、フランスやベルギーで制作された、極薄の絹のガーゼ地に艶やかな絹糸で刺繍された絵柄の絵葉書、通称シルク・カードを、山小屋風チャリティショップで50ペンスで手に入れました。
シルク・カードのコレクターは多く、もし珍しい柄なら一枚10ポンド以上もする位なのに、たった50ペンスとはどう言う事?…かと言うと、実は売られていたのは台紙から剝ぎ取られた刺繍の布地だけだったからです。
しかも当然シワクチャで、まるでゴミにしか見えない状態で売られていました。そんな物を売る方も売る方なら、寄付した人も良く寄付したもんだと思います。そして、それを買う客も相当ヘン。恐らく何か他の寄附品に混じっていただけで、お店側も売っている事にすら気付かなかったのであろうとは想像します。実は百年以上前の刺繍で、歴史的にも結構興味深い物だと気付く人は、まずほとんど居ないはずです。
しかし自分なら、家に持って帰ってから皺を伸ばして台紙を付ければ、十分蘇るんじゃねーかと思いました。そこで、刺繍地が映えるよう色付きの台紙に挟んでみたり、縁をマステで装飾してみようと考えましたが、どうも刺繍に合わずピンと来ません。
元のシルク・カードは、生成り色(多分純白だったのが経年で茶けた)地の台紙に挟まれ、縁には大抵細かいエンボス模様が施されています。そこで自分も生成りの窓付きカードに挟み、エンボスの代わりに同色のレースを貼ってみたら、結局オリジナルに近いので一番しっくり見えました。
元は葉書仕様ですが、私は二つ折りのグリーティング・カード仕様にしました。
図案は教会らしき建物を含む農村の風景と紫の菫の花で、文字は「Bonne Annee 新年」、つまり年賀状です(…全く季節に合わない記事w)。もしかしたら風景は雪が積もっている様子なのかも知れないけれど、特に冬らしさは感じられず、日本の年賀状とは随分雰囲気が違います。もっとも干支もない事ですし、Xmas抜きで考えると、キリスト教国の典型的な年賀状のモチーフって何なんでしょうね?? そもそも現代の欧米では、年賀状はクリスマス・カードに一言「& Happy New Year!」と一言添えるだけで、一緒くたにする事がほとんどなのに、昔は結構年賀状を単独で送る習慣のあったのが意外でした。
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