この二枚のTシャツは、私が20歳代の頃の大昔、渋谷の文化屋雑貨店(懐かひい…)で一目惚れして購入した物です。一枚1500円とか2000円とかで、当時としても衝動買いしても罪の意識が低い安い値段でした。凄く気に入って10年位は着続けていましたが、その後太って体型が変わり、また着飽きて好みも変わったので着なくなりました。しかし、それでも処分しない程気に入っていました。
元々ピッタリ目サイズのちびTでしたが、最近身体が縮んだ為、これが最後のチャンスと思い、再び引っ張り出して来て着用しています。今見ても、こんな柄のTシャツに他で出会った事がなく、かなり個性的だと思いました。
半袖白地の方は、ヴィクトリア時代のイラストが散っています。言わば、クロモスをコラージュしたような柄。
イラスト自体は結構不気味で、私の好きな猫や私の嫌いな蝶も描かれていますが、当時は全く気にせず気付きもせず着ていました(笑)。
ヴィクトリア時代のイラストなんで、化け猫っぽい柄も含まれています。左隣は化けウサギ。大きさの比率が滅茶苦茶なので、巨大リンゴとか巨大花とか不気味さを高めています。
襟ぐりは大き目で涼しく、スカラップ・カットになっている点は変わっていて少し可愛いのです。
長袖の方は、世にも珍しいルネッサンス柄。
この顔半分だけ写ったおっさんが、当時勤めていた会社の専務に似ているのですが、それに気付かず長年着ていました。会社の飲み会の際に酔っぱらった同僚に「何で専務が居るTシャツ着てんの~?」と言われ初めて気付き、何せ専務は性格異常で不潔でクッサイ嫌われていたおっさんだったから、マジギレした憶えがあります(爆)。
二枚ともプリント技術が稚拙で目が粗いのですが、何度洗濯してもそれ程色褪せず、また安いTシャツにしては今だ素材がしっかり点は結構凄いかも知れません。適度な色褪せ感が、返って小慣れた古着っぽいかも。同じ安物でも一昔前の商品の方が、概ね質がマシだったように思います。念の為これらのTシャツを着る時は、シンプルにジーンズとかチノ・スカートを合わせていたので、それ程派手ではありませんでした。
ここ数年、どんな服が自分に必要で今後残して置くべきかと、何度か自問してみてワードローブを整理しています。そして出て来る答えは、無難で合わせ易く長く着られる服ではなく、自分の気分を上げてくれる、ちょっと変わっていて楽しい服だと思っています。合わせ易いシンプルな服はいつの時代でも買えますし、年老いて合わなくなったらその時に処分して新たに買えば良いのです。返ってこれ以上歳を取ったら着れなくなるデザインこそ、今の内に大いに着るべきです。特にこの感染流行で都市封鎖もあり、気分が滅入って他人に服装を見せる機会も乏しい時に、無難でテキトウな服ばかりを着ていては、一層気分が沈むと凄~く実感しました。勿論自分に似合っているとか着心地が良いとかTPOに合っているとかの基本は外せませんが、気分を上げる為には地味過ぎても悪目立ちし過ぎても駄目な訳で、着ていて幸福な気分になれる、自分が楽しめる服が一番だと思っています。
0 件のコメント:
コメントを投稿