2022/08/09

ロックシーズ人形をリペイント Mikki編

早起き鳥」システムで早めに出掛けたフリマでは、リペイントの生け贄に良さそうな中古人形を何体か手に入れる事が出来ました。その中の一つが、この身長15cm程度の小さなファッション・ドールです。ボディの造形は割と良く、巨頭気味でもボディとのバランスも悪くなく、全体的に古玩具としては状態は良く、瞳部分は型押しがなく平ら、口が小さ目で閉じている点が、自分のリぺイントの材料としては気に入りました。

買った時点では、こんな格好をさせられていました。ボトムのレギンスはデフォルトかも知れませんが、トップはバービーの、しかもショートパンツを無理矢理着せられている有様(斬新なファッションだ)。ボディ・サイズは復刻版リカちゃんよりも顕著に小さく、1/12サイズのピコニーモに近いかも知れません。少なくとも、1/6サイズではありません。可動域は極めて原始的で、首も傾かず、肘膝も曲がらなければ、手足の付け根も前後に回るのみで左右には開きません。特別なギミックは、背中に開いた切れ込みだけ。

この顔型に、縦長の瞳を組み合わせたのが私には理解出来ません( 後に横長瞳に変更されたようだ)。瞳の星としてハート形を入れるのが、ここ数年の欧米のファッション・ドールのトレンドのようです。

この人形の背中の切れ込みを見付けた時には、最初は勝手に羽根を取り付けたり出来る妖精人形とかだったのかと思いました(…背中の穴よりぱんつの型押しのブツブツが異様w)。しかしボディに刻印されていた「©Sunrise, Layup サンライズ・レイアップ」と言う名前を調べて見ると、バンダイ社製でイギリスでも人気のあったHarumika ハルミカ・コーデチュール」と言う玩具の、人形版のようです。ドールの名前は、「Locksies ロックシーズ」と言い、その中でもこれはMikkiと言うキャラクターだそうです。

ハルミカはほぼ1/6サイズの、現代のバービー人形のボディに近いミニチュア・トルソーで、背面に同様の切り込みがあり、布を巻き付け布端を専用のヘラで背中の切り込みに押し込むだけで、服(主にチューブトップの)を着付けたように見える、ファッション・デザイナー気分が味わえる玩具でした。

今初めて日本のハルミカの商品画像を見たら、サンプルの服がイギリスのよりも遥かにお洒落でリアリティがあり驚きました。それに対し、この自分のサンプルは我ながらダサダサじゃのう(笑)。

 しかしこの人形のボディ・サイズ自体は、ハルミカのトルソーよりも遥かに小さ目です。

リペイントして、こうなりました。元の顔より、瞳が小さくなって離れています。一応儚げなイメージを目指しましたが、儚げと言うよりは貧相になったような。この二つは、似ているようで全然違います。

元々瞳はケバ目の割に辛気臭い顔はしていたので、口角を上げたりして足掻いてみたりはしました。

アウトフィットとしては、ピンクの髪が映えるよう、水色×水玉のドレスとボンネットを拵えました。

蛍光ピンクのメッシュの入った髪だけは、最初から中々可愛いと思っていました。この髪は整えると、ワンレンではなく前方の髪のみ少し短くなっている(前髪って程短くはないが)のが分かりました。

しかし、デフォルトの髪型がどう言う仕様だったのかは突き止められず、取り敢えずオールバックよりはマシなので、斜め分けサイド一つ結びにしています。

この人形に合うサイズの靴を他に全く持っていなくて、リカちゃんの妹人形ミキちゃんの靴を間に合わせで強引に履かせています。本当は爪先立ちのヒール足だし、もっと幅が狭いし、形は全く合っていません。本当にミキマキの靴だけが、入って抜け落ちなかったと言うだけ()。たまたま色はドレスと同じ水色だったのが、せめてもです。

ところでサンライズ・レイアップと検索すると、一緒にガンダムの画像も出て来るんですが、実際ガンダムの制作会社サンライズでは、玩具とのタイアップで、以前ファッション・スクールを舞台にした「ハルミカ」と言うアニメを制作放送していたそうです。現在サンライズはバンダイ・ナムコの傘下なので、それも道理です。

…そうか~、バンダイ製だから元の造形はそう悪くないのかもとも勝手に納得しましたが、同時にバンダイなら何故リンキーココみたいな可愛い人形をこっちで売らないんじゃいとも思いました。…それ程ああ言う素直な可愛さは、イギリスの子供には受けが悪いのですね(涙)。


2022/08/08

トパーズ色スワロの三連ネックレス

ビンテージのネックレスは、アンティーク・モールやフェアでは、概ねビンテージのブローチよりも高い値段が付けられています。何故なら、ネックレスの方が現代のファッションにおいては実用の需要が高いからです。ところがチャリティショップでは、ネックレスよりブローチの方が高く売られている事があります。それは、チャリティ屋で扱う一般人から寄付される中古アクセサリーは、大抵が今時のファスト・ファッション製で、ブローチと言うアイテムそのものが現代は少数派な為、在るとしたらビンテージが多いからです。しかし、チャリティ屋のネックレスにも、時折ビンテージが混じっている事はある為、多少の知識があれば、それと見極める事が出来ます。

このネックレスは、チャリティショップで一つ1ポンドで売られていたネックレスの中から見付けました。因みにそのお店では、ブローチはレジ前のガラス・ケースに入って、一つ3ポンドで売られていました。

トパース色+AB加工のガラス・ビーズと同色のシード・ビーズが交互に、グラデーション式に三連に連なっています。色味的には落ち着いていても、美しいカット・ガラスのAB加工がゴージャスに輝き、また三連なので充分存在感があります。更に、このトパーズ色は日本人の肌色に馴染み易く、合わせる服の色を余り選ばない利点があります。

このガラス・ビーズは、どう見てもスワロフスキーのラウンド・ビーズ。最大の大きさで、直径1cmはあります。材料費だけでも、普通は到底1ポンドでは収まりません。もし現代のファストファッションであれば、プラ・ビーズか中国製の精度の悪いガラス・ビーズだった事でしょう。

ビンテージのネックレスと判断出来る決め手の一つは、古風な凝ったデザインのクラスプです。上の端のビーズとビーズの合間に、下のフック型の留め具を引っ掛け、長さを調節出来る仕組みなのですが、正直試してみると非常に扱い辛いです。出掛ける間際なんて、中々引っ掛からなくてイライラしそう。昔ならではのクラスプは、ビンテージ・ネックレスの魅力の一つですが、実用するなら普通のアジャスターに替える方が良いかも知れません。

 

 

 


 

2022/08/07

クスクスとブルグル

 

イギリスでは物価高騰が凄まじく、多くの人々は食品の購入数や額を抑え、中には一日の食事から一食抜く人さえ多いそうです。一方我が家は、他を切り詰めてでも、今返って食品を普段より多く買っています。何故なら、P太が世界規模の致命的な食糧不足が近付いていると固く信じていて、缶詰等の長期保存の利く食料を毎回せっせと買い貯めているからです。正直そんな危機感を毎回聞かされるのはウンザリだし、最早空き場所を確保して仕舞い込むのも大変だし、勿論実際に世界的な食糧危機が来ては非常に困ります。しかし終わりの見えないウクライナでの戦争、燃料不足&高騰、加えて多くの地域のこの干ばつを考えると、食糧危機は益々現実味を帯びて来ました。


そんな保存食料の中に、スパゲッティーを含むパスタ類があります。乾燥パスタは概ね常温で数十年も保存できるそうで、実際災害非常時用に保管している自治体も多いそうです。そこで、今回世界最小のパスタと言われるクスクスを、保存食料に加える事にしました。クスクスは、モロッコ等のアフリカ北部、またはかつて其処に植民地を多く持っていたフランスでは御馴染みの食品です。今まで味付きで乾燥野菜の混じったインスタントのパックなら何度か買った事がありますが、今回初めてプレーンなクスクスのみのお徳用袋を買ってみました。因みにクスクスは、パスタ・コーナーではなく穀物コーナーに売られています。

クスクスの魅力は、大量のお湯を沸かして10分間以上茹でて湯を切る一般のパスタとは違い、例えインスタントじゃなくとも、お湯を注いで蓋をしてしばし蒸らすだけと言う、言わば日清チキンラーメンと同じ手軽さで食用可能な状態になる事です。これは、火を使って調理する時間を出来るだけ短くしたい夏には、持って来いの食品ではないでしょうか。また暑さで食欲が落ちた時も、クスクスなら簡単に喉を通ります。暖かい料理でも冷たくともイケます。更に、炭水化物としてはカロリーもGI値も低く、タンパク質やミネラル、ビタミン等の栄養素を多めに含んでいます。我々が買ったのは全粒粉のクスクスなので、一層カロリーとGIが低いはずです。全粒粉のパスタは、幾ら健康に良くとも不味くて食べられた物ではありませんが、クスクスなら全粒粉でも全く問題はありません。

モロッコ等の北アフリカでは、羊や鶏肉の澄んだスープ等と食べるようです。「タブレ」と呼ばれる、野菜を混ぜたサラダ(写真上)として食べるのも一般的ですが、実を言うと私は余りそそられません。私達が好きなのは、チキンのトマト煮、ラタトゥユ、魚貝のサフラン煮等と食べる事です。地中海沿岸の食品なので、流石にトマトとは相性ばっちりです。大抵のパスタ・ソースに合うはずですが、普通のパスタよりも薄味でOKなのも嬉しい所。しかしトマト味ばかりではすぐに飽きてしまうので、何か他にクスクスを美味しく素早く食べられる方法はないかと模索中です。

そんなクスクスについて調べていた処、「ブルグル」なる食べ物の存在を知りました。今まで気付かなかっただけで、普通のスーパーでもクスクスの隣辺りに並んでいました。ブルグル(英語ではbulgur wheat)は、トルコを始めとする中近東一帯からインド等で一般的な穀物で、クスクスの原材料と同じデュラムセモリナ等の小麦を挽き割り乾燥加工した粒。このブルグル、日本で人気のオートミールにも勝るスーパー穀物なのです。食物繊維は白米の30(そもそも米にはほとんど繊維が無いのだが)、オーツ麦とさえ比べても2倍あります。カロリーも低めで、特にGI値は50を下回り、穀物としては破格の低さ! タンパク質やミネラルやビタミンも、クスクスより更に高いのです。もしかしたら、ブルグルとふりかけだけ食べていても(笑)栄養のバランスが大体摂れるのでは?と思う程です。

是非これも非常事態用保存食料に加え、尚且つしょっちゅう食べねばと思いました。ブルグルは見た目はクスクスに似ていますが、調理はクスクスよりは少し手間が掛かります。まず穀物臭さを取って香ばしい風味を出す為、かフライパンで乾煎りし、倍量の水か湯を加えて蓋をし、水分が無くなるまで蒸し煮します。水分はすぐに吸収され消えますが、沸騰した際に蓋の裏面にもこびり付く程吹き上がるのが厄介です。もっともこのイギリスのパッケージには、水は4倍加えろと書いてあり、私はその方が食べ易くて好みです。

日本では米の代わりにオートミールを食べるのが流行っていますが、P太がオートミール嫌いなので、うちでは私だけがポーリッジとして朝食に食べるしかありません。しかしブルグルなら、P太でも食べられるのが有難いと思いました。パンや米の代わりにブルグルを食べ続ければ、確実に減量は出来ると思います。しかし米も好きなので、米にブルグルと大麦を混ぜて雑穀米として普通に炊いて食べています。それが調理も一番手軽です。特に、長米種を焼きめし以外で食べる場合、パサパサして私には少し食べにくかったのですが、ブルグルを加えて炊くとしっとりして食べ易くなります。大麦は米に混ぜ過ぎると全体的に固くなりますが、ブルグルなら3割以上混ぜても大丈夫です。

写真は、ブルグルの豆乳リゾット。一人100gで調理しましたが、それでは多過ぎて(野菜の量も半端ないしね…)食べ切れないとP太から文句を言われました。不水溶性食物繊維もたっぷりだし、恐らく少量でも満腹感&腹持ちが抜群だと思います。このブルグルの美味しい食べ方も、もっと追及して行きたいと思います。

そう思っていた矢先、義母の購読している新聞に毎週付いて来るレシピ雑誌(本当にこれ見て料理する英国人が何人居るんだろか?ってな内容だが)には、ブルグルが食材として結構登場している事に気付きました。その中でも、お湯で戻したブルグルに野菜を混ぜて丸めてフライパンで焼いた、ブルグル版お好み焼きかパンケーキのような物+サルサ(ってかほぼサラダ)は、特に手軽で美味しそうで、早速自分流にアレンジして試してみました。

本当はパンケーキの中にもサルサにも刻んだプラム・トマトをどっさり入れる、トマト嫌いの私の姉にとっては天敵のようなレシピでしたが、私はパンケーキにはトマトピューレとズッキーニのサイコロ切り、そしてチーズを入れてみました。…これは美味しい! バルサミコだけで味付けしたサルサが、こってり目のチーズ味のパンケーキをさっぱりさせてくれて非常に合います。P太も、一口目から気に入っていました。

パンケーキに混ぜる野菜は、コーンでも豆でもトマト味に合うものなら何でもOKだと思います。しかし、入れ過ぎると崩れ易くなります。崩れを防ぐ保険として、私は卵と片栗粉も混ぜました。手で丸めるのだけが少し面倒なので、スパニッシュ・オムレツのように大きく焼いて切り分けたら、もしかしてもっと時短になるかも知れません。

 

 


2022/08/06

リラックマの携帯扇風機

今回御紹介する物は、ビンテージやアンティークでもなければ、日本では全く珍しいアイテムではありません。昨年のフリマで、一つどれでも10ペンス(当時約15)の箱に突っ込まれて売られていました。特に必要に迫られた訳ではありませんが、リラックマは好きなキャラクターだし、イギリスで時々見掛けるリラックマのバチモンではなく正規のサンエックス製だし、未使用未開封だし、たった10ペンスでは見逃す理由もないと思いました。

アイスクリーム型になっていて、チャイロイコグマとコリラックマが描かれています(…主人公のリラックマ無しw)。パステル・カラー&タッチでまとめられた、普通に十分可愛いデザインです。

このようにパカッと開いて、スイッチを入れるとミニ扇風機が廻ります。首に掛けられるストラップも付いています。一応イギリスにも似たアイテムは売られていますが、何故かプロペラ部分のカバー無しと言うタイプも多く、回るプロペラに当たったら痛い処か怪我するんじゃないかと思います。そもそも夏に30度を超える日が数える程度しかない為、使用している人はほとんど見掛けません。もしこれがそれなりに涼しければ、暑がりで団扇を愛用している義母にでも上げようかと思いましたが、実際使ってみて、パワー弱過ぎ!で全く役に立ちませんでした。これでは、すし飯を冷ますのでさえ団扇のほうが未だ効果的です。

2021年製で、パッケージは日本語説明のみで、英国販売仕様には全くなっていません。実際、日本国内限定販売と書いてあります。と言う事は、①売り主かその家族が日本を旅行した際にお土産として買った、または②誰かが日本からイギリスの売り主に贈った、の二つが考えられます。昨年は今より更にコロナの規制が厳しく、日英間を観光で行き来出来る状態ではなかったので、①はあり得ないと思います。また未使用の品をたった10ペンスで売る事から、自ら買ったとも思えません。となると②ですが、やはり日本から英国旅行なんてほぼ無理だった昨年ですから、日本から来た友人とかから貰ったのではなく、郵便で日本から送られて来た可能性が高いと思います。しかし既に中に電池が入っていたので、国際郵便で送られて来たとも考えにくいのです(乾電池は発送が禁止されている)。そう言う訳で、アイテム的には在り来たりですが、イギリスへやって来た経緯が色々と謎に包まれたリラックマ扇風機です。