2024/11/26

久々のポーランドの切り売りケーキ

地元の町のポーランド食料品店で、久々~にポーランドの切り売りケーキを買いました。このお店のケーキ、冷蔵ケースに入れて売っていないので、夏の間は買うのを見送っていました。我が家では、一パック分を当日食べ切る訳ではなく、2~3日間に渡って少しずつ食べるので尚更です。

ショーケースにはケーキの名前も値段も記されておらず、見た目でコレ下さいと言った感じで選びます。今回は、多分今まで食べた事のないケーキ一種類を買ってみました。

層の上から、チェリーのコンポート、ポーランドのフレッシュ・チーズ、チョコレート・スポンジです。チェリーに人工的な風味付けもなく、イギリスのお菓子と違い全体的に甘さも控え目で、美味しい組み合わせでした。

チェリーとチーズが対角線に沿って配置されている為、切り分け方によってチェリー多め、チーズ多めとかなり違います。夫婦二人で、交互に選んで食べました。

しかし! ついこの前まで、このプラケース・パック一個分で4ポンド位だったのが、7ポンド以上に値上がっていて驚きました。正直もうお得感はなく、今後しばらくはアジア食料品店のモチ(大福)でいいや…と夫婦で思いました。

 

 

 


2024/11/25

ジブリ映画のような空の丘

昨年の今頃、雨と晴れを繰り返す不安定な天候の日に、国立公園サウス・ダウンズの端の村のアンティーク・モールを訪れた後、ついでにサウス・ダウンズの丘の一つKithurst Hill キットハースト・ヒルに登ってみました。

キットハーストの頂上へ車で行くのには、急な九十九折りの細い坂道を登って行かねばならず、全く高くない海抜の割にかなりスリリングな山道です。

丘の上の無料駐車場に到着した途端、バケツをひっくり返したような土砂降りになり、しばし車の中で待機しました。その直後、北東側に美しい虹が見えました。

天気雨の多いイギリスでは、虹を見掛ける機会は少なくありません。しかし、ここまで色のはっきりした美しい虹(写真では拾え切れませんでしたが)は、中々ないと思いました。

しかも、良く見ると二重の虹です。以前友達がロンドンを旅行した際に、美しい虹を見掛けて感動したのに、周囲の人は誰も気にも留めなかったと不思議がっていました。確かにイギリスで虹は然程珍しくありませんが、忙しさや感性の問題だとは思います。庭園を訪れたり野山を散歩するようなイギリス人は、時間にゆとりがあるし自然に関心があるので、虹に気付いて心を留める余裕があるはずです。

先程大雨を降らせたドス黒い雲は、あっと言う間に東に移動していました。そして、空は見事な清々しい蒼さに劇的に変わりました。

 

真っ白な雲が殊更映え、まるでジブリ作品の背景のようだと夫婦揃って思いました。 前回は月面のような荒涼とした丘の頂上だったのに対し、この時は青々とした緑で覆われていた効果も大きかったと思います。

遊歩道脇に赤く見える木々は紅葉ではなく、サンザシか何かで実を大量に付けているようです。

 
こちらは西方面。イギリスの天候は西から変わる事が多く、更に雨雲がやって来そうな気配。

前回来た時も思ったけど、この丘の上には、まるで雉牧場のように雉がいっぱいです。雉はイギリスの古来種ではなく、19世紀に食用として中国から輸入されたのが、ここまで野生化&繁殖したそうです。

サウス・ダウンズ丘陵地帯は、概ね北側が崖に近い急な斜面で、頂上は丘の上とは思えない程平坦。南側は、なだらかに標高が下がりながら海岸線に続く事が多いようです。

それ故、樹木にさえ遮られなければ、北側の眺望は抜群です。

先程眺めたプルボローの氾濫原は、見下ろすと確かに湖のようでした。

大雨の直後で、チョーク質の遊歩道が余りにもドロドロにぬかって滑りそうだったし、その後も雨が降りそうだった為、この日は丘の上では大して歩かず、車中でお茶を飲んでさっさと去りました。しかし、短時間の内に美しい虹と、平凡なようで文句無しに素晴らしい風景を眺める事が出来て満足しました。

 

 

 

 

 

 


2024/11/24

アラン川の氾濫原

 

Pulborough プルボロー(パルバラ)のアンティーク・モール「The Cornstore コーンストア」は、River Arun アラン川の沿いの18世紀築の石橋の袂に在ります。この石橋は今は強度が十分でない為に歩行者専用で、直ぐ横に自動車用の新しい橋が設けられています。この店を訪れる度に、石橋を渡って川を眺めます。

このアラン川の下流には、まるでお伽噺のような絵になる城下町Arundel アランデルが在ります。イングランドの川の多くは、標高差が余り無い為か、「何故こんな方向に?」と不思議に思える程蛇行しながら流れます。

アラン川は実はこの右側にも分かれて流れており、その中州部分には低い牧草地が広がっています。雨の多い秋から冬は、この場所は漏れなく氾濫原になります。

最早牧草地だとは気付きにくく、湖にしか見えません。

恐らくこの地は一年の半分近くが湖化しているのではと思われ、本当に氾濫原として放って置いても問題ないのか、実は洪水浸水の被害に遭っているのかは分かりません。もしかしたら昔はこれ程水浸しになる事はなく、気候変動でどんどん氾濫が頻繁&長くなって来ているのかも知れません。兎に角この風景を眺めると、これ程土地の概ね平坦なイングランド南部で、川の直ぐ近くに住むのは怖いと実感します。

しかし、野鳥の楽園である事は確かです。

鴨やカナダ雁、カモメ、時にコブ白鳥が居る事もあります。この日は、エジプト雁を見掛けました。

自然の恐ろしさを感じつつ、ここを訪れる度に見ずには居られない、秋冬の田舎のイギリスならではの風景です。しかし、この脇のアンティーク・モールが閉店してしまった今、ここに立ち寄る機会はもうないかも知れません。

 

 

 


2024/11/22

歌うジョジョ・シワ人形をリペイント

 

今年もフリマやチャリティショップでリペイント用の中古人形を沢山仕入れましたが、生憎未だほとんど手を付けておらず、中古人形が溜まって行く一方です…。ドール服作りもリペイントもスポーツと一緒で、続けていないと勝手を色々と忘れ、手の動きが益々鈍くなるとは痛感しています。モンスター・ハイの「ドラキュローラ」をリペする時も久々だった為、自信がなかったので、その前にリハビリとしてこの人形をリペする事にしました。

この人形は、今年のフリマの最終日辺りに買いました。売り主から「歌うジョジョ・シワ人形よ!」と勧められたものの、私はジョジョなんてゴゴゴゴゴゴオラオラオラしか知らず。

ググってみると、アメリカのユーチューバー出身のカリスマ少女(歌手兼ダンサー兼女優)だそうですが、全く聞いた事もありませんでした。一世風靡し始めた当時は多分十二、三歳で、二十歳を超えた今も活躍しています。イギリスでもそんなに人気があったのかは知りませんが、少なくともこの人形は初めて目にしました。

しかしハイティーンでもなく幼女でもない、十代前半のファッション・ドールはイギリスでは珍しく、また肌の色が普通に白人っぽいのも気に入って購入しました。

歌う(ついでに喋る)仕組みは、背中にスウィッチがあり、更におへそのボタンを押すと録音が再生される仕組み…、つまりデベソになっています。

デベソなんて人形でも許せない!と思いますが、西洋人は余り臍の美しさを気にしないそうで、臍は実際英語でbuttonとも呼ばれる通り、出っ張っているのが基本なのかも知れません。西洋ではビキニのファッション・モデルでさえ、堂々と醜い臍を公開している程です。

歌う機能自体は私にとってはどうでも良く、曲さえ聞いた事がなかったし、実際聴くに耐えられない割れ割れの音質です。ボディを交換する事も考えましたが、造形は悪くなくバランス的にはヘッドに合っているので、このまま使用しています。例えデベソでも、ウェスト部分のゆったりした服を着せれば問題ありません。ただし素材が違う為か、顔とボディの色は元から合っていません。

顔も結構特徴的でクセが強く、微妙に横目&上目遣いの、苦笑いしているような変な表情です。もしかしてモデルの本人に似せているせいなのか?と思いネットで写真を確認しましたが、全く似てもいないようです。バービーのような満面の笑みのオープンマウスではなく、歌っている様子だからか、中途半端な開きの独特な口の形なのも、リペの材料としては面白いと思いました。しかし、子供にしては目の位置が高く、額が狭く(ジョジョ・シワ本人は凄く広いのに)、頬骨も出っ張り過ぎていて正直可愛くはありません。もし日本の人形であれば、基本的に幼く可愛く見せる為に、特に子供の目の位置は頭全体の縦の長さの半分以下に付けるはずなんですけど、その辺の文化や感覚の違いが今だ中々受け入れられません。

アメリカのキャラクターや俳優のドールをリペする人は、大抵寄り本物に近付けるのが目的でリアルに描きます。しかし私の場合は、御本人には全く馴染みも愛着もない為、全く無視してジョジョ・シワとは無関係の、単に自分が服を作って着せたくなるような、尚且つ出来るだけ子供らしい顔を目指しました。

丸い瞳&垂れ眉で、なるべく優しい雰囲気にしたいと思いました。開いた口の中の全面で歯を見せず、 一部分にだけに歯を描き入れた方が、日本人にとっては取っ付き易い顔になるように思います。

上の拾って来た写真は、現在も販売されているジョジョ・シワ人形。成長して年上仕様になり、可動式ボディに進化しています。他メーカーからも、別仕様でジョジョ・シワ人形が販売されています。上の写真の通り、デフォルトの髪型は、本人よりも遥かに長い、解くと地面に届きそうなプラチナ・ブロンドを、額はオールバックにして引っ詰め、左脇(向かって右)トップでポニーテイルにして、トレードマークのでっかいリボンを着けていました。

流石に長過ぎて非常に扱いにくい上、私の買った中古人形は毛先は荒れていたので、半分位まで切り落とすしかありませんでした。すると結構良い状態の髪のみ残りましたが、昔のシャーリー・テンプル人形を少しイメージして更に短くし、斜め分けのショートのカールを目指す事に。

ところが、そのショートの巻き毛と言うのが、実はドールにとっては技術的に非常に難しく、少なくとも今の私には無理だと悟りました。道理で市販の人形にも巻き毛ショートは余り存在せず、廉価品人形では全く見ず、あるとしたら元々カールされている毛束を植毛しているようです。

そもそも西洋デザインの人形は、やっぱり元の毛の量が少なく植毛が疎らで、少しでもいじると地肌が見え捲りの禿げだらけになります。色々苦戦して三回程パーマに挑戦してジェル等で固めた挙句、結局この状態になりました。それでも、分け目には危惧した通りの痛恨のハゲが(苦笑)。教訓:頭頂部の髪は余り手を加えてはいけない!

古風でバタ臭い顔の子供の人形らしくは仕上がったので、ビスクドールみたいなクラシックなローウェストの衣装を作って着せる事にしました。

リカちゃん用の型紙で作りましたが、仕上がって着せてみたら丈が短過ぎた為(作成する前にちゃんと測らなきゃダメじゃん)、下にペチコート代わりに白いスカートを履かせて長く見せています。しかし返ってボリュームが出て華やかになったので、結果オーライです。

それと襟開きが詰まり過ぎ、首が短くて一層幼く見えますが、子供っぽくするのも目的だったのだから、まあ良いかってことに(自分に甘い)。

色白なので、写真写りが良く、似合う服の色を選ばないのは、ドール服を作る上では凄く有難い点です。

可動域は、肘は曲がらないものの腕は広げられ、膝はクリック式で曲がる仕様です。

肘が曲がらない為、テディベアは脇で抱えるしか出来ませんが、腕が広げられるのは、ポーズのバリエーションを増やす点では結構役に立つ可動域です。

そして写真を撮っていて気付きましたが、正面から見ると丸顔なのに…、

…顔の前後に妙に厚みがあり、つまり頬の側面が広く、どちらかと言うと横からは細面に近く見えます。

そして上から見下ろすと、結構顎が尖っています。角度により顔の輪郭がかなり変わって見える、日本のドールではまず考えられない造形の、奇妙で面白い顔型だと思いました。

今後も服を作って着せたくなるモデルになったかどうかはナゾですが、他に見ない独特なタイプの人形なので、リペイント&カスタムは興味深い体験でした。ただしショートのカーリー・ヘアは、何とか克服したい課題です。