折角夏にぴったりなマリン柄の端布を何枚かチャリティショップで仕入れたのに、それらでドール服を未だ手掛けていない事に気付き、夏が終わってしまうと今になって焦りました。
そのマリン柄の布の中から、一番ドール服に使い辛そうなのに中途半端に多くあるビーチ・ハット(浜辺小屋)柄の布で、まず試しにスカートを縫ってみましたが、……思った通り(笑)凄くヘンに仕上がりました。
そもそも疑いようがなく夏柄のはずなのに、酷暑で苦しむ日本人には全く思い付かない位暑苦しい! 緩和させようと裾にシンプルな青系のストライプ柄布を持って来たものの、この暑苦しい不快さには焼け石に水でした。
こんなにうるさい柄のスカートには、トップは絶対濃い色の無地じゃなくちゃと最初は思いました。が、どうせならとことん賑やかにしてしまおうと、結局紺地に錨柄のトップにしました。柄ON柄ですけど、スカートの柄の主張が強過ぎるので、一応メリハリは付くかなあと。
そして、このアウトフィットを着こなせるドールが、まるで見付かりませんでした。サイズは割とゆとり多めにしてあるので、27~29㎝の大抵のドールは着用可能ですが、試着させてみても、自分で作って置いて情けない程似合うドールが本当にいなかった(苦笑)。
この賑やかな柄に負けない位の個性の強いモデルが必要で、まるで灼熱の太陽のようなファッション・ブロガーのシンディちゃんになら、確かに肉眼では似合って見えました。しかし撮影してみると、髪のボリュームがあり過ぎてどう工夫しても纏まらずバランス悪く、アイプリはどの角度にしても反射し捲るし、おまけに可動式ボディなのに可動域の狭さや関節の緩さ等で非常にポーズを付け辛く、一度撮影して挫折しました。
このクセ強なファッションを着こなしてくれるモデル人形を更に探し続け、最終的にジェニーのお友達人形の、すっきりしたショートヘアにキリリとした顔立ちのハンサム・ウーマンな大徳寺貴更ちゃんに辿り着き、やーっと何とか納得出来ました。うちのは初代の貴更なので、最早ビンテージ・ドールの粋です。
イギリスの海水浴場では付き物の浜辺小屋も、実際にカラフルに塗装されている事が多いけれど、念の為実物はここまで暑苦しくは見えない物なんですよ。
一体どう言う意図でデザインしたら、こんなクドい使い辛い柄が商品化されたのか…。単に1/6ドール服にとっては使い辛いというだけでなく、例えこの布で人間用のバッグとかを縫っても可愛くはならんだろうとは思います。
トップは出来るだけ早く仕上げたかったので、一番簡単なパターンのフレンチ・スリーブのブラウスですが、丈は腹がチラ見えする位思い切り短くしたのだけが、せめてもの若々しさのつもりです。
錨型イヤリングは、元は自分の高校生時代のイヤリングだったような気がします。歳を取って最早使う事のなさそうなイヤリング(ピアス)は、どんどんバラしてパーツとして使うか、ドール用に払い下げしようと思います。
この貴更のボディは、可動式のSA(スーパー・アクション)に替えたままです。SAに合う肌色のヘッドのドールが、私の持っているジェニー・フレンドでは貴更とリエしか見当たらなかったからですが、この二人のフェイス・デザインが媚びてなくて、ジェニフレの中ではファッション性が高く好きだからと言うのもあります。
SAボディは バービーのMTM同様に脇は閉まらず、現在のオビツやピュアニーモと比べたら可動域に特筆する事はないものの、単にアウトフィットを見せる為のポージングになら十分ですし、何より関節の緩さ・硬さが丁度良く、かなり古い製品な割に結構優秀なのでは?と改めて思います。このボディ、色を改善して再販してくれないかな。
それに比べ、シンディ・プレイの可動式ボディは、買った当時は「シンディでフル可動式とは画期的!」と喜んでいましが、実際撮影してみると、首が傾かなくて顎は突き出たままだし、肘は45度位までしか曲がらないし、腰の関節は緩過ぎて非常に立たせ辛く、今となっては可動式の意味があるのか?とさえ思える扱いにくさです。
元々大人のドル活の撮影用に作られた訳でないから、子供が遊ぶのにはそれで充分って事なのかも知れません。しかし子供の玩具の割に、壊れ易く耐久性は大してないのです。
友達から貰ったミニチュアの夏らしいフルーツパンチ?も、今回やっと出番が来ました。組み立て式の白いテーブルは、Mattelと書いてあるから多分バービーの物で、確かに旅行先のチャリティショップで買いました。こんな何の変哲もないシンプルなドール用テーブルが、一番重宝するから前から欲しいと思っていたのです。
暦的には夏は終わったとは言え、日本はまだまだ残暑が厳しい事と思います。ヨーロッパの多くの場所は今年も異常な熱波に見舞われましたが、イギリス南東部の今年の夏は昨年程は暑くなく、我が家ではエアコンを使う事が一日もなければ、扇風機が必要な日も数える程度しかありませんでした。しかし、そんなイギリスでも雨不足は深刻で、多くの貯水湖は水位が半分以下に減り、農作物は大きく打撃を受けていると聞きます。ところが八月の最後の週からは一変して雨ばかりの天候になり、突然夏が終わったのを実感しました。