2025/08/05

テームズ河畔の豪邸クリーヴデン 2 テラスと整形式庭園

 

昨年の夏に夫婦で訪れたNT(ナショナルトラスト)Cliveden クリーヴデンで、見事な宿根草花壇を眺めた後は、館の南側へ行きます。

前にも書いた通り、現在豪華ホテルになっている館の内部には入っていません。一階の南側はレストランになっているらしく、窓越しにテーブルの上のアフタヌーン・ティーの三段トレイが見えました。

この屋敷は元々は17世紀に建てられ、王室から幾つかの公爵家や伯爵家の手に渡りました。現在の姿には、焼失の後の19世紀にパラディアン様式として建てられました。最終的には英国の爵位を買ったアメリカの富豪一家の所有となり、その後NTに寄贈されました。正直言って、歴史的には余り私の興味は引きません。

私の知る限り、イギリスのお屋敷の多くは見晴らしの良い高台に立っており(古今東西金持ちは高いとこ)、南側は眺望の利くテラスとメインの庭園になっているのを良く見掛けます。 

ここもその通りで、南側にはクリーヴデンを象徴する、Perterreと呼ばれるヨーロッパ最大級の見事な整形式庭園(フォーマル・ガーデン)が広がっており、テラスから見下ろす事が出来ます。

と言いたいところですが、ここの花壇は巨大過ぎて、このかなり高いテラスからでも全貌を眺めるのは、鳥かドローンじゃない限り無理。

花壇の片側のみなら、何とかカメラに収める事が出来ました。 

そして、ここからは確かにかなり遠方まで見渡せます。

別なお屋敷と、教会の塔が見えました。 

形成式庭園の先には、谷底のテームズ川がちらっと見えます。概ね標高の極めて低く平坦なイングランド南東部なのに、テームズ川がこれ程深い谷を流れている場所があるなんて、改めて驚きます。

テラスを降りて、フォーマル・ガーデンに出てみましょう。かなりの高低差があります。 

館と言うよりは、最早宮殿クラスです。こんな豪華屋敷のカントリー・ハウスやマナー・ハウスが、イギリスには未だ至る所に残っています。金と言うのは有る所には集まる物で、そのケタが日本とは違うと実感します。

このようにNTやEH(イングリッシュ・ヘリテイジ)として一般公開されている館もありますし、ホテルや結婚式場として利用されている場合も多く、また今でも個人の邸宅に使用されている場合も勿論あります。

やはりイギリスのお屋敷の多くは南側から、しかも庭園の美しい季節の晴れた日に眺める事を前提に設計されているのが分かります。

館のテラスの真下には、やたら金ピカの透かし金具の扉がありました。

この中は、音響部屋と言う薄暗い少し気味の悪い空間になっていました。

フォーマル・ガーデンは、良く刈り込まれた柘植の低い生垣で仕切られています。

その中心に植えられているのは、花期の長いラベンダー。その周囲を夏のお馴染みのベッディング・プラント(花壇を彩るのに最適な、主に成長が早く花付きの良い一年草)、サルヴィアとベコニアが飾っています。

中心が、白いラベンダーの箇所もあります。P太は「ラベンダーには白花もあるのか」と驚いていましたが、まあ彼は植物については知らない事の方が多いですから…。

柘植の囲いはなく、赤いインパチェンスがオリヅルラン?に囲まれただけの部分もあります。管理には物凄く労力が要るのは分かるものの、正直私にとっては退屈な庭だなあ。

この庭の西端、つまり谷を見下ろすほぼ崖の上には、「Octagon Temple」と呼ばれる八角堂の神殿があります。最後の所有者のアメリカ人富豪一族は、個人礼拝堂、また霊廟として利用しました。

内部に入る事は出来ませんが、モザイク装飾が美しいそうです。

続いて、谷を下ってテームズ河畔に出ます。

 

 

 


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