フィッシュテール、すなわち前面より背面の丈が長くなった、独特なドレープが優雅なスカートのドール用のパーティー・ドレスに挑戦してみたいと思い、試しに型紙を起こして縫ってみました。
選んだ生地は、チャリティショップで手に入れたコットンの端切れで、背景布として活用出来る大きさは十分あったものの、使い辛く中途半端にはみ出した部分がありました。
それが丁度ドール服一着分程度は作れる大きさだったので、切り取って利用する事にしました。
が、ドール服としては相当大きい柄の上に、クセも相当強いデザインなので、1/6ドールとしては最も背の高いバービーさんにモデルになって貰う事にしました。
イギリスのメーカーの布地なのですが、一体何を意味している柄なんでしょね? クラシカルだと言えばそうだし、アール・ヌーヴォーっぽいとも言えなくはありません。
この柄が微妙にシンメトリーでもなければ、布目に対して平行垂直でもなく、規則性がまるでない点は扱い辛いと思いました。
パーティー・ドレスの中でも、夜会用のイブニング・ドレスではなく、コットン製なので日中用のデイ・ドレスです。概ね他人の服装に寛大と言うか無頓着なイギリスでも、この辺の区別は男性でも気付く程伝統的にハッキリされているようです。
前中心にドレープが寄った時に裏面が見えるから、予めアクセントになる色で裏地を付けました。今回は、ピリッと黒をアクセント・カラーに。
では、どうやって線対称な綺麗なドレープを付ける?と考え、予めタックを畳む方法も考えましたが、結局普通にウェストにギャザーを寄せてから、対称にドレープを整えてプレスする方法を取りました。
これで大体対称のドレープにはなりました。…が、思い描いたよりドレープの数が足りないなあと。背面も、膨らみ不足です。
その為には、もっとスカートの幅を広く取らないといけない訳ですが、裏地も付いているせいか、既に寄せたギャザーがウェストに縫い付けるギリいっぱいの量なので、これ以上ギャザーのボリュームを増やすのは無理そう。
スカートの型紙は、大体上↑のような形(※雛型です)を使用しています。
サーキュラー・スカートに近いみたいに、上↑のような型紙にした方が良いのか?? そうすると、スカートのフォルムはまた変わって、脇のラインがベル型のようにふんわり湾曲はせず、ほぼ直線になるはずです。
兎に角一度実際に作ってみただけでも、学ぶべき事は色々ありました。
身頃のベアトップの型紙は、一度使った事があるはずなんですけど、同じ年代のスタンダードなボディのバービーでも、仕様に寄ってフォルムが微妙に異なるのか、中々フィットせずダーツを縫い直したりして焦りました。
そして、こんないかにも銀幕の女優風な西洋らしいパーティー・ドレスは、すっかりバービーさんなら十八番であろうと思い込んでいましたが、…意外にも現在のバービーには似合わなくて、また一からモデルを選び直さねばなりませんでした。思うに、スカート丈がミニとか今時のハリウッド・セレブ風の露出が多いアナーキーなデザインじゃないと、今のバービーにはしっくり来ないようです。
結局、このドレスが合うような現代のバービーを、自分でカスタムして作り出さなければなりませんでした。元のバービーさんは、多分コレ。「多分」と言うのは、中古で購入した後に撮影を済ますと、さっさとフェイス・プリントを落としてしまう事が多いからです。そして、そんなのっぺらぼうバービーが、何体か待機しています。一早く元の顔を消し去りたいばっかりに、時々BEFOREの撮影すら忘れる事があります。
更にリぺ前に首を外して交換し易いように加工する為、このMTMボディがオリジナルなのかどうかも定かではありません。今までのバービーは、暫くお湯に付けてヘッドの素材を柔らかくしないと抜けない程、首のジョイントが強固に出来ていましたが、最新のMTMボディはファンの需要に応え、予め首を外し易い仕組みに出来ているそうです。このMTMバービーは最近フリマで手に入れた中古で、最初は「全部で2ポンド」と書かれた段ボール箱に突っ込まれていました。その箱には、他にも中途半端なバービーの家具や馬がごっちゃり入っていて、幾ら安くとも相当嵩張るなあと買うのを躊躇していました。しかしよくよく確認してみると、2ポンドなのは隣に並べてあったゲームの方で、バービー自体は単独で1ポンドで買えました。
バービーで一番多く基本的な金髪ロング・ストレート前髪無しの髪型が、兎に角在り来たりだしクラシカルな服装に合わないので、まずこれを改造する必要がありました。細かめに三つ編みお湯パーマを掛け、50’sもアール・デコにも似合うボブカットにしました。
やはり自分好みのバービーにするには、描き込み過ぎない事が肝心なようで、最小限で表現するのは一層難しいと実感しました。
肌の色は、金髪バービーとしては普通の地黒なのですが、濃い目のリップの色のせいか服の色の効果か、若干明るく見えます。
シーン・セッターに使用した白いラタン風のガーデン・チェアは、最近フリマで50ペンスで購入したバービー用のフランス製の80年代のビンテージです。今まで何かバービー用品がフランスで製造されていたと言うのは聞いた事がなく、少しオドロキです。
元は、長椅子、コーヒー・テーブル、サイド・テーブル、水色とピンクのラブリーな背もたれ付きクッション・シートとセットだったようです。
脇(肘掛け部分)と背面には、ハート模様の透かしが入っています。
おまけに、何と足台を引き出せる仕組みなっています。
アウトフィットは、インパクトのある柄の布自体のお陰で、余り装飾は付けなくても間が持つ点は助かりました。
そしてこんなクセ強な柄を着こなす事が出来るのも、やはりバービーさんだけだろうなと思いました。
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