2025/08/14

お盆心霊特集 霊感の全くないはずの私

 

子供の頃の私は超絶ビビりで、お化けや幽霊の話が大嫌いだった。怖がって、良く泣き喚いた。当時しょっちゅう近所のあちこちで、実在しない人影が一瞬だけはっきりと見えるのを不思議に思っていた。しかし超臆病者な訳だから、そう言う幻影は誰でも見える大人なら極当たり前の現象で、単なる気のせいなんだと子供心に勝手に納得し無理矢理思い込んでいた。しかし成長してみると、そんな幻影を見る事もめっきりなくなったのが一層不思議だ。今思い出すと、そう言う人影はほとんどが老人で、着物とか皆やたら古風な格好をしていたように思う。

中高生になっても、相変わらず非常に怖がりだった。だから、自分には霊感らしき物が全くないのをこれ幸いと、霊的な物は一切見えません聞こえません感じませんと自分に言い聞かせた。実家の自室は二階の角部屋で、真夜中に良く外から男女の話し声が微かに聞こえた。田舎なので、そんな夜中に誰かが出歩く事は滅多になく、まして自分の部屋が面しているのは一般道ではない。 

それで、きっと電話の交換機か配線機みたいな物が部屋の外に設置されていて、その音声が漏れて来るんだと無理矢理信じ込んだ。しかし今真っ当に考えれば、携帯電話のない昔は真夜中に電話で喋る人もほとんど居なければ、機械から話し声が漏れるなんて事もない。そもそも、そんな物は私の部屋の脇に設置されていなかった。 

また、その部屋では、度々突然夜中に目を覚まし、数秒後にしっかり閉めたはずのドアが勝手に開く、と言う事が度々起きた。そのドアは、自然に開くような仕組みではない。今でも実家に帰省するとその部屋で寝泊まりするが、特に奇妙な事は起こらず、結局あれは何だったの?と思い返す。

また、中高生の頃に朝の登校途中の街の中で、墓地の近くでもないのに、線香の煙を異様に強く感じる事が時々あった。奇妙に思っていると、数日後にはその場所の一軒の家に忌中の張り紙が必ず出た。友達にこの話をすると、朝だから仏壇に礼拝して線香を上げて、単にその煙が漏れて来ているのじゃないか?と言ったが、寒い季節で窓も開けていないのに、また家屋のすぐ脇でもないのに、そんなに強く線香が漏れて来る物だろうか。そもそも、その線香の匂いに気付くのは私だけだった。

その後も登校中にそんな線香の匂いを感じる度に、その内この辺で葬式が出るかも、と友達に言っていたが、実際に何度もそうなったので友達は気味悪がっていた。しかしそんな体験も感覚も、大学進学の為に東京へ出た後はすっかり無くなった。

割と近年知った話だと、近親者が亡くなる一週間前から、何故か自分だけ読経が聞こえ続けていた人が居ると聞いた事がある。それで、もしかしたら自分の家族が亡くなる時も、何か不思議な現象が起きて事前に察知出来るのだろうか?と思っていたが、昨年父が亡くなった時には結局何もなかった。

 

 

 

撮影地:ナショナルトラストStanden, Shefield Park, Bateman's, Petworth House


0 件のコメント: